素直になれなくて-吉哉の場合-

吉野ゆき

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番外編-3

20

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何度も渡そうと思ったよ。

でも怖くなったんだ。
その瞳に映る自分が。
自分がどう映っているのか。

怖くて怖くて仕方なくなった。

逃げたんだよ、私は。
これ以上嫌われるのが怖くて。

…情けない父親だ。

何とか話をしようとしても共通の話題もない。
何を話していいのかわからない。

出てくるのは勉強の話だけ。

『吉哉、テストはどうだった?100点取ったのか?』

本当に話したいのはそんなことじゃなかったのに。


吉哉が一回ここを開けようとしたことがあってね。
そのときにすんなり渡してしまえばよかったのに、今さらご機嫌取りに見えるんじゃないかって恥ずかしくて、なにより申し訳なくて何も悪くない吉哉を叱ってしまった。

きっかけさえも自分自身の手で潰してしまった。

自分が嫌になったよ。
もう何もかもずっと諦めてた。
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