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揺らぎ
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「えっ…」
俯き顔を真っ赤にしながら俺の手を取る。
押しが強いくせにそんな反応、反則だ。
なんだかこっちまで照れてしまう。
「ありがとうございます…」
立ち上がると俺はすぐに手を離してまた歩き出した。
「…なんで俺なの?」
素朴な疑問。
「え?」
彼女はまた真っ赤になりながら慌てている。
「思ったんだけど、君、どこのクラス?
1年の中では見たことない気がするんだけど、まさか上級生じゃないよね?」
「!!」
彼女は焦った様子でそのまま黙り込んでしまった。
「実は、あたし…南高の生徒じゃないんです」
「は?だって制服…」
「これは、お姉ちゃんの。
お姉ちゃん、南高だったから。
あたし本当は、まだ中2なんです」
これにはさすがに驚いた。
どうりで幼いわけだ。
「有原先輩とは中学が一緒で、体育祭のときに同じチームだったんです。
合同リレーのときに有原先輩にバトンを渡したの、あたしです」
言われて少し思い出した。
「あたし、1位だったのにあとちょっとのところで転んでしまって。
抜かされてもうダメだって諦めようとしたんです。」
そうだったな。
「そのとき、『がんばれ』って言ってくれて、バトンを渡したときに『後はまかせろ』って言ってくれて、本当に1着でゴールした。
そのときから、ずっと…」
俯き顔を真っ赤にしながら俺の手を取る。
押しが強いくせにそんな反応、反則だ。
なんだかこっちまで照れてしまう。
「ありがとうございます…」
立ち上がると俺はすぐに手を離してまた歩き出した。
「…なんで俺なの?」
素朴な疑問。
「え?」
彼女はまた真っ赤になりながら慌てている。
「思ったんだけど、君、どこのクラス?
1年の中では見たことない気がするんだけど、まさか上級生じゃないよね?」
「!!」
彼女は焦った様子でそのまま黙り込んでしまった。
「実は、あたし…南高の生徒じゃないんです」
「は?だって制服…」
「これは、お姉ちゃんの。
お姉ちゃん、南高だったから。
あたし本当は、まだ中2なんです」
これにはさすがに驚いた。
どうりで幼いわけだ。
「有原先輩とは中学が一緒で、体育祭のときに同じチームだったんです。
合同リレーのときに有原先輩にバトンを渡したの、あたしです」
言われて少し思い出した。
「あたし、1位だったのにあとちょっとのところで転んでしまって。
抜かされてもうダメだって諦めようとしたんです。」
そうだったな。
「そのとき、『がんばれ』って言ってくれて、バトンを渡したときに『後はまかせろ』って言ってくれて、本当に1着でゴールした。
そのときから、ずっと…」
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