素直になれなくて-吉哉の場合-

吉野ゆき

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想いの終わり

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「俺、もう明ちゃんのこと諦めるわ」

次の日の講義で大倉の口からこんな言葉が零れた。

「は!?いきなりどうしたんだよ」

驚くのも無理はないだろう。

どんなに冷たくされてもあんなに明ちゃん明ちゃん言ってたんだから。

それが昨日のあれくらいで?


「いきなりじゃねーよ。ずっと考えてた。
俺がどんなにがんばったってどうせ明ちゃんの目にはお前しか映らないんだよ」


大倉は頬杖をつき、ハァ~とため息を吐き出し、窓の外の葉がなくなりすっかり寂しくなった木々を見つめていた。



やっぱり昨日、聞こえていたのか…。


「そろそろ女禁も辛いしな。
俺にはやっぱり軽く女と付き合うほうが合ってるんだ。
もうすぐ卒業で離れるんだしちょうどいい時期だ」

そう言って鳴り出した電話に出る。

電話口からはテンションの高そうな女の声がした。


「えぇ?今日の夜?いいよいいよぉ~」

そう言って席を立つ。


あぁ、もう本当にうまくいかない。


その話から数日したある日、食堂へ行くと、人だかりがあった。

その中心は大倉。

どこから聞きつけたのか、また軽い付き合いを始めた大倉の周りには、以前のように女の子達が集まっていた。


「なんですか、あれ…」

「うわ、鈴原!びっくりした」

気づくと後ろに鈴原の姿があった。

「いや、あれは…」 

俺がフォローをするより早く、鈴原の足は動き出していた。


踵を返し、反対方向へ――




ではなく

まっすぐ、大倉の元へ。
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