死神ドロップス-神のキャンディー-

吉野ゆき

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車内

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チームに分かれて、それぞれのお客様の所へと車を走らせる。

この移動時間も俺の嫌いな時間だ。


「それでそのときアッコの奴が…」
「ギャハハ、マジかよ~!それウケるんだけど~」


狭い車内で繰り広げられる中身のない低俗な会話。

あまりにもバカすぎて聞いていられない。


「森岡さんはどう思いますぅ?」


だから、いちいち俺に振るな。

俺は質問には答えず、ひたすら流れる窓の外の景色を眺めていた。

少し沈黙が流れるが、またすぐ何もなかったようにバカな会話が飛び交った。


手持ちぶたさで手をポケットに突っ込むと、手に何かが当たった。

(ん?何か入ってる)

そうか、と今朝のアメのことを思い出した。


ちょうど口も寂しく感じられて、封を開け、真っ黒なアメを口に放り込んだ。


なんてことはない、ただの黒アメの味。
薄く覆っている真っ黒なアメの中には真っ赤な液体が入っていた。

凝ってるっちゃ凝ってる作りだよな。

それにしてもこれは何の味だろう?
味わったことのない味だが、別に美味しくもマズくも感じられなかった。

せめてコーラ味が良かったなどと思いながら、最初の目的を思い出した。


そうだ、願い事を叶えてもらわないと。


もちろんこのアメを信じているわけじゃない。
効果がなかったと、店に苦情を入れてウサ晴らしをしようと考えていた。
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