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アフタヌーンティーな日々
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しおりを挟むしかし、別れた元カレは、インテリアやファッションに、機能的でシンプルなものを求める人。
彼と同棲を始めた時にかなりのものを処分し、新しいものは極力買わないように我慢した。
どうしても諦められないお気に入りに出会ってしまったときは、一つだけ、一組だけだからと自分に言い訳して購入。彼の目の届かない場所に置いて、自分ひとりの時間に、使ったり眺めたりして楽しんでいた。
ひとり暮らしとなったいまは、そんなことをする必要もない。
自分の好きなものを好きなように飾り、使っている。
「部屋の中を探るなんて、変態ね」
梅乃さんの冷ややかな視線に、辛島さんは間髪入れずに言い返す。
「普通に、目に入っただけだっ!」
「はぁ、ほんともう、いろいろ言いたいことがありすぎるけど……桃果ちゃん、どうかしら?」
「あ、の……」
正直、興味があるどころか、店じゅうのものを買い漁りたいくらいだった。
しかし、ここで働くということは、辛島さんのお世話になるということ。
何かあれば彼に迷惑がかかる。
他人に限りなく近い、彼に。
そんなわたしの思案を、辛島さんは見透かし、バッサリ切って捨てる。
「コネも伝手も、使ったもん勝ちだ。アンタがここで働こうが、働くまいが、俺に迷惑が掛かるなんてことは一つもない。斡旋料を貰うわけじゃないし、給料を払うわけでもない。アンタは、アンタらしく、アンタの好きな場所で一生懸命働けばいいんだ」
「そうよ。トラちゃんは、深く考えずに思い付きで行動する野生児なの。だから、恩や義理をコレに感じる必要は、まっったくないのよ。桃果ちゃん」
「おいっ!」
辛島さんが、思い付きで行動しているというのは、本当だろう。
でも、思い付くのと実際行動に移すまでの間には、大きな隔たりがある。
知り合ったばかりのわたしのために動いてくれた彼の優しさが、とても嬉しく、とてもありがたかった。
「いまここでお返事するのが難しいようなら、あとでこっそりわたしだけに教えて」
梅乃さんは、親切にも返事を保留にしていいと言ってくれたが、わたしの心は決まっていた。
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