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第弐章 イグニス帝国編
されど海の蒼さを知る
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カールは目を開けると、そこには真っ白な空間にエリックが立っていた。
「久しぶりだな、カール。」
「あ、兄貴…!」
カールは泣き出した。
「あれ、変だな。もう泣かないって決めたのに。」
「いいんだよ、泣いて。」
泣いている姿は見せたくないカールは必死に目を擦ったが、涙は止まらない。
「なんで死んだんだよ!あの時俺と約束したじゃんか!!もう壁を作って遠ざかるのは辞めたって思ってたのに!!!」
「すまない。でも俺にとって、どんな約束やなによりも…お前が大事だったんだ。」
「俺、兄貴が死んだから、必死になって穴を埋めようとして、それでもやっぱダメで…俺、一生懸命、精一杯やったんだけど、でも!」
「いいんだ。あの夜、お前のままでいいって言ったろ?無理して何者かにならなくていい。でも、最後に一つだけ、弟のお前にしかできないことを頼みたい。」
泣き目を擦る手を止めて話を聞いた。
「…それってなに?」
「俺を、殺してほしい。カール、お前にしかできないんだ。」
「でも、それもできなかったよ。ごめん。」
「いやまだだよ。まだお前はこっちに来ちゃダメだ。」
「どういうこと?」
「手を見てみろ。切られてない方の」
左手を開いてみると、そこにはエリックのドッグタグがあった。
「それを作るのに苦労したんだよ。俺じゃあ、なし得ないことも、それをお前が使えば…。」
「これは…なに?」
「それはクラソル。人の思いを後世に伝えるための道具だよ。俺の全てはそこに入れて置いた。」
「…まさか」
「あぁ。俺のアークライトはそこに入れてある。一族が代々受け継いできた氷のアークは、最初から俺よりお前が持つべきだったんだ。」
「分かったよ。俺、もう一度やってみる。今度こそ壁をよじ登ってみせるよ。」
「あぁ、一緒にな。」
カールは再び静かに目を開けた。横たわるカールの目の前には兄とその奥にルドクがいた。
「おいクソ野郎。第2ラウンドだ。」
カールは立ち上がった。
「お前、確実に殺したはずだ。なのになぜだ!なぜ生きている!」
ルドクはかなり動揺している。
「それだけじゃないぜ?俺にはこれがある。」
首にかかったカールとエリック2つのドッグタグを握った。
「ただの形見が何になるというのだ。そんなもので何ができる!」
「お前を殺せる。」
「氷雪大海鷲!」
手を前に出して大きく美しい鷲を飛ばしてエリックを攻撃した。
「なんだその氷は!!不快だ!やれ!!」
エリックは炎宿大樹木の炎撃で防ごうとしたが飛んでくる鷲を止めきれず食らってしまった。
カールが大きく飛んで一気に距離を詰めた。
「氷化烈魔拳!」
氷で巨大な拳を作りエリックを殴った。エリックは遠くに飛び、最初に作ったカールの雪の壁にぶつかった。
「倒れろ!氷大魔河!」
大きなつららを無数に作って飛ばした。
エリックは炎宿大樹木の柄の頭の部分を氷で伸ばし、槍状にしてリーチを伸ばした。そして得意の槍術でつららを払い除けた。
「我が聖なる炎剣…構わぬ。殺すのならばな」
「鍔の無い木偶の坊だろ?」
炎宿大樹木の槍で足元に直線を引き、炎の壁を作った。エリックは無数の槍を作り投げ、その槍は炎の壁によって全ての槍先に炎をまとった。
「やったか?」
カールに当たったが、体がガラスのように粉々になった。
「これは、氷の分身か!?」
ピラミッドの後ろからカールが現れ、氷の剣でルドクに迫った。
エリックが剣撃を炎宿大樹木の槍で防いだ。エリックの連撃が繰り出される。カールは持っていた雪の結晶型の盾で防いだ。
「切り落とされた腕と盾を氷で作ったのか」
ルドクは玉座を回転させて後ろを向いた。
「お前の作品よりいい彫刻だろ?」
「冷酷なる氷槌!!」
巨大なハンマーを作りエリックを叩くが、同じハンマーを作り相殺した。衝撃波が氷上に響き、2人の距離はその衝撃で離れた。衝撃波でピラミッドと氷の大地の炎が揺れた。
衝撃で飛ばされている時、カールは結晶型の盾を投げる。エリックの胸に命中した。
「やっぱり空中じゃ身動き取れないよな」
2人は着地し、同時に技を繰り出した。
エリックはハイエナを大量に出してカールに飛びかかる。
「氷雪大海鷲!」
鷲を作り出してカールは飛び乗り、エリックの方へ迫る。
「炯々たる雹羽!」
鷲が羽根を飛ばし氷のハイエナを砕いた。
「氷大雪華!氷大剛剣!」
カールが再び盾と剣を作る。そして飛び乗った鷲で一気に距離を詰め、剣を振るった。
エリックの槍術とカールの剣術が激しく交わった。近接戦闘での戦力はまさに拮抗している。
「昔こうして鍛錬した日々を思い出すなぁ!」
叫びながらも、剣を振るう手は一切止めない。
「やかましいッ!やれッ!」
エリックが炎宿大樹木の槍で炎撃を飛ばした。カールは盾で受け止めるように防いだが、そのまま遠くに飛ばされてしまった。
「執拗いッ!早く終わりにしろ!」
「俺もそう思ってたさ。終わりにしよう。」
「白銀の聖穹!」
大きな弓矢を作り出した。
「これで最後だ!」
「死にやがれ!クズが!!」
2人が叫ぶと、カールは矢を放ちエリックは槍を飛ばした。
2人の矢と槍はぶつかり合った。矢は槍を貫き、矢は槍先の炎を纏って炎の矢となり、エリックとルドクの2人を貫いた。
エリックは倒れ込んだ。
「あ、り、が、と、う」と口パクのように囁いたように見えた。そのまま死体は消えた。
「ば、馬鹿な…。この私が…死ぬはずがない!」
玉座から立ち、胸に貫かれた部分を抑えるが炎が消えない。
「お前は不幸にも自分の炎で自滅する。だが、死にはしない。お前は死にも値しない。生きて地獄を見るんだな。」
「嘘だ…そ、そんな……。」
そのまま玉座の元から倒れ、ピラミッドから堕ちた。
「ざまぁねえな…。ようやく終わったぞ、兄貴。やばい、俺ももう…アークも体力もない…。」
そのままカールは膝からゆっくり倒れた。良い夢を見ているかのように、満面の笑みだった。
「久しぶりだな、カール。」
「あ、兄貴…!」
カールは泣き出した。
「あれ、変だな。もう泣かないって決めたのに。」
「いいんだよ、泣いて。」
泣いている姿は見せたくないカールは必死に目を擦ったが、涙は止まらない。
「なんで死んだんだよ!あの時俺と約束したじゃんか!!もう壁を作って遠ざかるのは辞めたって思ってたのに!!!」
「すまない。でも俺にとって、どんな約束やなによりも…お前が大事だったんだ。」
「俺、兄貴が死んだから、必死になって穴を埋めようとして、それでもやっぱダメで…俺、一生懸命、精一杯やったんだけど、でも!」
「いいんだ。あの夜、お前のままでいいって言ったろ?無理して何者かにならなくていい。でも、最後に一つだけ、弟のお前にしかできないことを頼みたい。」
泣き目を擦る手を止めて話を聞いた。
「…それってなに?」
「俺を、殺してほしい。カール、お前にしかできないんだ。」
「でも、それもできなかったよ。ごめん。」
「いやまだだよ。まだお前はこっちに来ちゃダメだ。」
「どういうこと?」
「手を見てみろ。切られてない方の」
左手を開いてみると、そこにはエリックのドッグタグがあった。
「それを作るのに苦労したんだよ。俺じゃあ、なし得ないことも、それをお前が使えば…。」
「これは…なに?」
「それはクラソル。人の思いを後世に伝えるための道具だよ。俺の全てはそこに入れて置いた。」
「…まさか」
「あぁ。俺のアークライトはそこに入れてある。一族が代々受け継いできた氷のアークは、最初から俺よりお前が持つべきだったんだ。」
「分かったよ。俺、もう一度やってみる。今度こそ壁をよじ登ってみせるよ。」
「あぁ、一緒にな。」
カールは再び静かに目を開けた。横たわるカールの目の前には兄とその奥にルドクがいた。
「おいクソ野郎。第2ラウンドだ。」
カールは立ち上がった。
「お前、確実に殺したはずだ。なのになぜだ!なぜ生きている!」
ルドクはかなり動揺している。
「それだけじゃないぜ?俺にはこれがある。」
首にかかったカールとエリック2つのドッグタグを握った。
「ただの形見が何になるというのだ。そんなもので何ができる!」
「お前を殺せる。」
「氷雪大海鷲!」
手を前に出して大きく美しい鷲を飛ばしてエリックを攻撃した。
「なんだその氷は!!不快だ!やれ!!」
エリックは炎宿大樹木の炎撃で防ごうとしたが飛んでくる鷲を止めきれず食らってしまった。
カールが大きく飛んで一気に距離を詰めた。
「氷化烈魔拳!」
氷で巨大な拳を作りエリックを殴った。エリックは遠くに飛び、最初に作ったカールの雪の壁にぶつかった。
「倒れろ!氷大魔河!」
大きなつららを無数に作って飛ばした。
エリックは炎宿大樹木の柄の頭の部分を氷で伸ばし、槍状にしてリーチを伸ばした。そして得意の槍術でつららを払い除けた。
「我が聖なる炎剣…構わぬ。殺すのならばな」
「鍔の無い木偶の坊だろ?」
炎宿大樹木の槍で足元に直線を引き、炎の壁を作った。エリックは無数の槍を作り投げ、その槍は炎の壁によって全ての槍先に炎をまとった。
「やったか?」
カールに当たったが、体がガラスのように粉々になった。
「これは、氷の分身か!?」
ピラミッドの後ろからカールが現れ、氷の剣でルドクに迫った。
エリックが剣撃を炎宿大樹木の槍で防いだ。エリックの連撃が繰り出される。カールは持っていた雪の結晶型の盾で防いだ。
「切り落とされた腕と盾を氷で作ったのか」
ルドクは玉座を回転させて後ろを向いた。
「お前の作品よりいい彫刻だろ?」
「冷酷なる氷槌!!」
巨大なハンマーを作りエリックを叩くが、同じハンマーを作り相殺した。衝撃波が氷上に響き、2人の距離はその衝撃で離れた。衝撃波でピラミッドと氷の大地の炎が揺れた。
衝撃で飛ばされている時、カールは結晶型の盾を投げる。エリックの胸に命中した。
「やっぱり空中じゃ身動き取れないよな」
2人は着地し、同時に技を繰り出した。
エリックはハイエナを大量に出してカールに飛びかかる。
「氷雪大海鷲!」
鷲を作り出してカールは飛び乗り、エリックの方へ迫る。
「炯々たる雹羽!」
鷲が羽根を飛ばし氷のハイエナを砕いた。
「氷大雪華!氷大剛剣!」
カールが再び盾と剣を作る。そして飛び乗った鷲で一気に距離を詰め、剣を振るった。
エリックの槍術とカールの剣術が激しく交わった。近接戦闘での戦力はまさに拮抗している。
「昔こうして鍛錬した日々を思い出すなぁ!」
叫びながらも、剣を振るう手は一切止めない。
「やかましいッ!やれッ!」
エリックが炎宿大樹木の槍で炎撃を飛ばした。カールは盾で受け止めるように防いだが、そのまま遠くに飛ばされてしまった。
「執拗いッ!早く終わりにしろ!」
「俺もそう思ってたさ。終わりにしよう。」
「白銀の聖穹!」
大きな弓矢を作り出した。
「これで最後だ!」
「死にやがれ!クズが!!」
2人が叫ぶと、カールは矢を放ちエリックは槍を飛ばした。
2人の矢と槍はぶつかり合った。矢は槍を貫き、矢は槍先の炎を纏って炎の矢となり、エリックとルドクの2人を貫いた。
エリックは倒れ込んだ。
「あ、り、が、と、う」と口パクのように囁いたように見えた。そのまま死体は消えた。
「ば、馬鹿な…。この私が…死ぬはずがない!」
玉座から立ち、胸に貫かれた部分を抑えるが炎が消えない。
「お前は不幸にも自分の炎で自滅する。だが、死にはしない。お前は死にも値しない。生きて地獄を見るんだな。」
「嘘だ…そ、そんな……。」
そのまま玉座の元から倒れ、ピラミッドから堕ちた。
「ざまぁねえな…。ようやく終わったぞ、兄貴。やばい、俺ももう…アークも体力もない…。」
そのままカールは膝からゆっくり倒れた。良い夢を見ているかのように、満面の笑みだった。
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