21 / 62
第21話「叶わなかった未来」
しおりを挟む
「…………も、もういい」
顎を強く押され、強制的にストップをかけられてしまった。レイの顔は真っ赤に染まっており、激しい息遣いでまた俺を誘惑する。
「貴様をその気にさせて悪かった。だが、これは……」
「レイ、俺はレイと身体を重ねたい。レイもそのつもりだから……俺を側に置いてるんだろう?」
「だが、貴様のソレは私の尻には絶対に無理だからな。これ以上するのはよくない。正気に戻れ。一旦これで終わりだ」
服を正すレイ。そんなレイの股間に目を向けるとやはり反応していない。いくら勃ちにくい体質といってもこうも勃ってくれないんじゃ精神的にくるものがある。
勃つことだけが全てではないけれど、やっぱり寂しいなと思ってしまう。
「…………レイ、精力剤的な何かは売っているのか?」
「精力剤? なんだそれは?」
「薬剤的なやつなんだけど……媚薬、みたいなやつ。ええっと、お香だ、お香!」
お香と媚薬は全然違うが、レイはお香ならあるかもしれないと頷いてくれた。けれど、俺がお香を求めていることを不思議に思ったらしく、「なぜそんなものを?」をと、俺に尋ねた。
「なんでレイの股間が反応しないのかを調べるため。食材買うついでに夜の営みに約に立ちそうな物も仕入れたいんだ」
「別にそんなもの調べなくても私は正常だ。むしろ貴様のがおかしいんだろ、フェロモンなしで股間がそんな風になるヤツは今まで聞いたことないぞ」
それは俺も疑問に思う。この身体は元はソウルの身体だ。俺は魂だけ転生してしまったのになんで身体は俺の思い通りに反応するのだろう。この世界でフェロモン非対象者に反応するのは異常なことなのに。
俺ではなく、ソウルの身体がおかしかったんだと思ってしまう。
「ーーあっ!!」
俺はこの際、忘れかけていたことをレイに聞いてみることにした。
「さっきミケと話したときミケから何の誘惑も感じなかったんだ。もしかしてレイがミケで反応しないのにも、そういう感情的な部分が関係してるのか?」
レイは馬車の布を手動で上げ、「まあ、そうだな」と答えた。
俺の知らない二人の間に何があったのだろう。レイの曇った表情を見る限りやはり「怒り」が関係しているのだろうか。レイは何があったのかを語ろうとはしない。
俺が知っているレイは、ポルニア国の王であるが故にソウルに殺された。レイの思い描く未来を純粋に知りたいと思った。
「レイはこれからの未来、どうしたいんだ? レイのしたいことって何?」
「……私のしたいことは、ポルニア国を、城を守ることだ。貴様をずっと憎んでいたし、今もその想いはなくなったわけではない」
「わかってる。少しでもレイに危険を加えようなら殺すんだろ」
「ーーそうだ。私のしたいことは、貴様から城を守ることだ。それができなければ私は死ぬまでだ」
顎を強く押され、強制的にストップをかけられてしまった。レイの顔は真っ赤に染まっており、激しい息遣いでまた俺を誘惑する。
「貴様をその気にさせて悪かった。だが、これは……」
「レイ、俺はレイと身体を重ねたい。レイもそのつもりだから……俺を側に置いてるんだろう?」
「だが、貴様のソレは私の尻には絶対に無理だからな。これ以上するのはよくない。正気に戻れ。一旦これで終わりだ」
服を正すレイ。そんなレイの股間に目を向けるとやはり反応していない。いくら勃ちにくい体質といってもこうも勃ってくれないんじゃ精神的にくるものがある。
勃つことだけが全てではないけれど、やっぱり寂しいなと思ってしまう。
「…………レイ、精力剤的な何かは売っているのか?」
「精力剤? なんだそれは?」
「薬剤的なやつなんだけど……媚薬、みたいなやつ。ええっと、お香だ、お香!」
お香と媚薬は全然違うが、レイはお香ならあるかもしれないと頷いてくれた。けれど、俺がお香を求めていることを不思議に思ったらしく、「なぜそんなものを?」をと、俺に尋ねた。
「なんでレイの股間が反応しないのかを調べるため。食材買うついでに夜の営みに約に立ちそうな物も仕入れたいんだ」
「別にそんなもの調べなくても私は正常だ。むしろ貴様のがおかしいんだろ、フェロモンなしで股間がそんな風になるヤツは今まで聞いたことないぞ」
それは俺も疑問に思う。この身体は元はソウルの身体だ。俺は魂だけ転生してしまったのになんで身体は俺の思い通りに反応するのだろう。この世界でフェロモン非対象者に反応するのは異常なことなのに。
俺ではなく、ソウルの身体がおかしかったんだと思ってしまう。
「ーーあっ!!」
俺はこの際、忘れかけていたことをレイに聞いてみることにした。
「さっきミケと話したときミケから何の誘惑も感じなかったんだ。もしかしてレイがミケで反応しないのにも、そういう感情的な部分が関係してるのか?」
レイは馬車の布を手動で上げ、「まあ、そうだな」と答えた。
俺の知らない二人の間に何があったのだろう。レイの曇った表情を見る限りやはり「怒り」が関係しているのだろうか。レイは何があったのかを語ろうとはしない。
俺が知っているレイは、ポルニア国の王であるが故にソウルに殺された。レイの思い描く未来を純粋に知りたいと思った。
「レイはこれからの未来、どうしたいんだ? レイのしたいことって何?」
「……私のしたいことは、ポルニア国を、城を守ることだ。貴様をずっと憎んでいたし、今もその想いはなくなったわけではない」
「わかってる。少しでもレイに危険を加えようなら殺すんだろ」
「ーーそうだ。私のしたいことは、貴様から城を守ることだ。それができなければ私は死ぬまでだ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
218
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる