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第24話「変わる、心」
「悪い……レイはミケを信じてたのに」
「そうだな。だが、私はミケに対して『信用』はしていても『信頼』はしていなかった。だから、貴様が謝るな。……でも、そうか。ミケは王と結ばれるために今後私の命を十分に狙うことがあるということか」
「…………そうだな」
ずっとこの提案はしたくなかった。けれどレイが生きるためにはこの選択肢も視野に入れておいた方がいいのかもしれない。ぐっと目を瞑って言葉を吐き出す。
「……レイが確実に生き残る方法は一つある」
「……ほう、というと?」
ミケにレイを取られるのは絶対に嫌だし、そんなことになったら祝福できる自信なんて全然ないけど、でも、最後の手段はこれしかないと俺の頭にはうっすらとあった。
「ミケとレイが結ばれることだ。そしたらミケはレイの命を狙わない。ミケがレイを殺そうとしている理由はレイが自分になびかないから、仕方なく……だと思う」
俺の提案を聞いたレイは「自分の欲のために国の王である私を殺そうとしているヤツと一生を添い遂げるなんてできるか」と唾を吐くように答えた。
「でも、そしたらレイが……」
レイは俺の服の胸倉を掴んでグイッと自分の方へ引き寄せた。
「――なっ!?」
「貴様、私を死ぬ気で守るんだろう?」
「う、うん……」
…………俺はバカだ。
レイに『死んでも守る』と答えたばかりだったのに。忘れていたわけではないけれど、つい、レイの今後を考えすぎるがあまりに気弱になってしまっていた。
「……守る、死ぬ気で守る」
レイは俺の服を離し『良い目だな』と笑った。
――ああ、もう……
本当のことを伝えてレイがミケと一緒になることを選んだら身を引く覚悟をしていたのに。
どんだけ好きにさせれば気が済むんだよ……
「ソウルのことは嫌いだが、ソウルに成り代わった貴様は嫌いじゃない」
見下ろすように囁かれ、ドキンと心臓が跳ねる。
好きだ……好きだ、好きだ、好きだ。ずっとレイと一緒にいたい。
「それに貴様のギラついた目で必要以上に責められるのも悪くないしな。私は貴様以外とこういうことをする気はない」
俺以外とは、しない…………レイがソウルじゃなくて、俺を受け入れようとしてくれていることに、嬉しくて口元がニヤけてしまう。
――ああ、もう。そんなことを言われたらまた反応してしまう。
レイはどこまで煽れば気が済むんだ。馬車が動き始めていったいどれくらいの時間が経っただろうか。気づいたらレイは眠っていて、俺の肩にトンと頭がもたれかかった。
……うっ、可愛い、可愛すぎる。こんな顔も今までみれなかったし、何より俺に心を許してくれているレイを思うと、勝手ながら伝えてよかったなとも思う。
「そうだな。だが、私はミケに対して『信用』はしていても『信頼』はしていなかった。だから、貴様が謝るな。……でも、そうか。ミケは王と結ばれるために今後私の命を十分に狙うことがあるということか」
「…………そうだな」
ずっとこの提案はしたくなかった。けれどレイが生きるためにはこの選択肢も視野に入れておいた方がいいのかもしれない。ぐっと目を瞑って言葉を吐き出す。
「……レイが確実に生き残る方法は一つある」
「……ほう、というと?」
ミケにレイを取られるのは絶対に嫌だし、そんなことになったら祝福できる自信なんて全然ないけど、でも、最後の手段はこれしかないと俺の頭にはうっすらとあった。
「ミケとレイが結ばれることだ。そしたらミケはレイの命を狙わない。ミケがレイを殺そうとしている理由はレイが自分になびかないから、仕方なく……だと思う」
俺の提案を聞いたレイは「自分の欲のために国の王である私を殺そうとしているヤツと一生を添い遂げるなんてできるか」と唾を吐くように答えた。
「でも、そしたらレイが……」
レイは俺の服の胸倉を掴んでグイッと自分の方へ引き寄せた。
「――なっ!?」
「貴様、私を死ぬ気で守るんだろう?」
「う、うん……」
…………俺はバカだ。
レイに『死んでも守る』と答えたばかりだったのに。忘れていたわけではないけれど、つい、レイの今後を考えすぎるがあまりに気弱になってしまっていた。
「……守る、死ぬ気で守る」
レイは俺の服を離し『良い目だな』と笑った。
――ああ、もう……
本当のことを伝えてレイがミケと一緒になることを選んだら身を引く覚悟をしていたのに。
どんだけ好きにさせれば気が済むんだよ……
「ソウルのことは嫌いだが、ソウルに成り代わった貴様は嫌いじゃない」
見下ろすように囁かれ、ドキンと心臓が跳ねる。
好きだ……好きだ、好きだ、好きだ。ずっとレイと一緒にいたい。
「それに貴様のギラついた目で必要以上に責められるのも悪くないしな。私は貴様以外とこういうことをする気はない」
俺以外とは、しない…………レイがソウルじゃなくて、俺を受け入れようとしてくれていることに、嬉しくて口元がニヤけてしまう。
――ああ、もう。そんなことを言われたらまた反応してしまう。
レイはどこまで煽れば気が済むんだ。馬車が動き始めていったいどれくらいの時間が経っただろうか。気づいたらレイは眠っていて、俺の肩にトンと頭がもたれかかった。
……うっ、可愛い、可愛すぎる。こんな顔も今までみれなかったし、何より俺に心を許してくれているレイを思うと、勝手ながら伝えてよかったなとも思う。
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