天使と悪魔はお嬢様を溺愛する

夢幻惠

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「恵美様、先ずはお屋敷の中をご案内致します。」

そう言いながら、龍崎が私の右手をとり、エスコートしてくれる。
龍崎は動きの一つ一つが無駄なく美しい。
カッコ良すぎて見惚れてしまいそうになる。

案内されるお屋敷はかなり広く、迷子になりそうだった。
それぞれの部屋に置かれた装飾品は、値打ちが分らない私が見ても一流品なのは分かる。
どの部屋もアンティークで、センス良く落ち着く雰囲気だ。

案内されている間に、若い女性や男性とすれ違った。
メイドや執事の方々だと説明された。
このお屋敷には何人の人が働いているのだろうと思ってしまう。

ただ、龍崎と早乙女はその中でも特別なのか、挨拶する皆が緊張しているように見えた。

この二人は何故か不思議なオーラがあるように感じる。
最初に見たときも思ったが、何故か異世界の美しさがあるように思う。



次に早乙女が庭の案内を始めた。

早乙女はたえず私を気遣いながら歩いてくれる。
足元が悪いところなどでは、優しく手を引いてくれたりする。
お姫様になった気持ちになってしまう。

この家のお庭は、ヨーロピアンテイストのエリアと日本庭園のエリアの二つに分かれている。
ヨーロピアンテイストのエリアはアンティークなレンガが遊歩道のように地面に敷き詰められている。

道の周りの花々は、立体感を持たせ無造作に花が植えられている花壇が続いている。
花々は自然に近い状態で植えられているのだ。

そして日本庭園のエリアに入ると、そこには大きな池があり、その中には錦鯉が悠々と泳いでいる。
その池を渡る石の橋や、石灯籠、石に生えている苔など、風情ある佇まいになっている。
大きな石の周りを小石で水か流れているような形に整えられている。
枯山水というものだろうか。

それにしても、この家の庭はどれだけ広さがあるのだろうか。
一周するのもなかなか大変なくらいだ。


部屋に戻ると、美味しい紅茶とお菓子が用意されていた。
紅茶には詳しくないが、花のような甘い香りのするお茶だ。
お菓子も小さなタルトにフルーツが添えられて、とても上品だ。

慣れないせいか、何故かこの状況が恐いとさえ思ってしまう。




家の散策から部屋に戻り、一休みしていると、龍崎が部屋に来て声を掛けた。

「お嬢様、ディナーの前にシャワーを浴びてお着替えなさいませんか?」

「…あっ…それでは…そうします。」

確か今日はお母様と食事をすると聞いていた。
やはり身だしなみは整える必要があるだろう。

その時、ふと私は少し嫌な予感がした。
すると、その予感は見事に当たっていたのである。

龍崎はシャワー室の脱衣所へ私を案内すると、スルスルと当たり前のように服を脱がし始めた。

「--------------なっ…な…な…なにをするのですか!!」

慌てすぎて、言葉が上手く話せないくらいだ。
しかし、龍崎は何事も無かったように、普通に話をするのだった。


「恵美様、どうなさったのですか?」

「だだだ…だっっっって…なんで脱がせるの!!」

どうしたも、こうしたもない。
なぜこの人は普通に服を脱がせるのだろうか。

しかも、龍崎は不思議なものでも見るような表情をしながら私を見たのだ。

「恵美様、服を脱がないと、シャワーが浴びられませんよ!」

「わわわわ…わかって…いますよ…なんで…あなたが…脱がすのですか!!」

釦を外そうとする龍崎の手を押さえた。
しかし、龍崎はまったく意味が分かっていないようである。


「恵美様、私の仕事ですから気になさらないでください。手をお離しください。」

「き…気になりまよ。私は自分で出来ますから、そちらこそ気になさらないでください!!」

「…困ったお嬢様ですね…では今日だけご自分でお脱ぎになってください。」

「は…はい。」

龍崎は少し不服そうな表情で脱衣所を出て行った。

私は龍崎が出て行ったのを確認して、大きく溜息をつきながら服を自分で脱ぎ始めた。

そしてシャワールームに片足を入れた時である。
出て行ったはずの龍崎が声を掛けて来たのだ。


「恵美様、入りますよ、失礼いたします。」

何を言っているのだろう。
意味が分からない。

しかし、振り返った時にはもう遅かったようだ。

龍崎は私のすぐ後ろに立っているではないか。

「ギギギヤァー------------------ッ!!」

私は全裸で絶叫した!!

「…恵美様、そんなに驚かないでください。お体を流しに参りました。」

「イッッッッッ------イヤです!!自分で洗います。」

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