「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち

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第5章 海上保安庁ヘリ。

第8話 灯台元、暗し?AIの裏切り。

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「ソスノフスカ長官?(はい、こちらボーチャン。ソスノフスカです。)あー長官!素早い対応を有難うございます。(いいえぇ。同志から早期の連絡の賜物よ、御舩閣下。)えっ同志?」
 

 ボーチャンの球形司令室。
 
 木村3等宙佐の肩を持ちながらニコニコ話をするソスノフスカだった。
 
「うふふふ。繁よ、閣下。椎葉繁1等宙佐殿よ。わざわざ月の裏からヒントをくれたのよ。うふふふっ。(そうなのか、繁か!)うふふふっ。」
 
 木村や、他の指令室の面々をグルッと見て、楽しそうに話すオルガ・ソスノフスカだった。
 
「最初、繁から私のスマハンドに直接連絡が来たのよ。巨大タンカーか貨物船を探せーって。何のことやらと思ってましたけど、優秀な日本国軍の女性士官に任せたら一発で発見。お陰様で、モリガンを15分で配備できたのよ。うふふ。でも、閣下、今はそれより20隻のHARMOR母潜の居所よね。引き続き探すわ。恐らく苫小牧沖。(了解。)」
 
 御舩はチラッチラッとメリッサや正面モニターを笑顔で見て、答えた。
 
「引き続き、こちらも捜索する。(了解、閣下。)」
 
 ふーっとため息をしてインカムを喉から離す御舩だった。メリッサも軽く左耳を押さえてニッコリした。
 
「幕僚長がお見えになった様です。」
 
「おぅ。キヌ(衣笠幕僚長)が来たか。メリー?あれは(要人搭乗用オスプレイ3と要人護衛用、攻撃衛星のモリガン1)用意は出来たか?」
 
 上に親指を上げる御舩。
 
「はい。両方、ご用意していますわ。ウィスキー(ワタツミのWのコールサイン)の伊潜から1機到着しました。護衛用もこちらから航宙自のオスプレイ4機で、搭乗は空対空エアロ・ロボ・スーツ2小隊です。長官、なぜかオスカーパーパ(オリジナル・ペンタゴン)からの指示で、「アレース」のモリガンtype1が大気圏外護衛でスタンバってますわ。シーラスの共同攻撃戦闘衛星の「すみれ」のモルガンではなく。「すみれ」から先程、直前になって変更と言われました。なにがぁ……。」
 
 御舩が顎を引いて上目使いでメリッサを見た。直ぐ、腑に落ちるメリッサだった。
 
「アッ!はい、既にご用意しておりますわ。おふたりがお揃い次第、ご案内出来ます。」
 
 恐らく衣笠幕僚長か、後から来るもう1人の客を、本部のオリジナル・ペンタゴンが疑っていると感じた。
 
 それも今、対応をしているAXIS北海道奇襲攻撃の影で展開されつつある事件、アーマー・アンダー・スーツのカスケード硬化破り事件だ。
 
 ベクターが作戦行動中のスーツのカスケード硬化時に撃たれ、シーラスマザーが硬化解除周波数を変えた直後に、今度はシーシェンこと、ホンファ・フチャ少佐が撃たれたカスケード硬化周波数漏洩事件だ。
 
 その犯人捜しに、遣わしたのだと思った。
 
 エクサスケールコンピューターのエイモスやシーラス・マザーの侵入は人為的であっても通常、物理的にハッキングは無理なのだ。なぜなら、高度なAIのエイモスとシーラスマザー。このメインフレーム・ベースコンピューターの上を行くスパコンがこの時代の地球には存在しなかったのだ。
 
 別の言い方をすると、そのソフトウェアの理論、プログラミング技術も、ハードウェアを作る論理回路の物質や技術を作ることの出来る地球人がいないのだ。
 
 もし、いるとすれば、月裏か裏銀河にいる異星人・ネイジェア星域皇国のネイジーたちなのだ。
 
 地球人ならばシーラスの上層部、内部犯行となるのだ。
 
 瀕死の重傷を負ったホンファ・フチャ中佐。
 
 既に今、一命を取り留め「ワタツミ」のDDCルームで、減圧中にも関わらず、メディカル・パワード・スーツを着たドクター達に治療を受けている。
 
 同じく「ワタツミ」の医療室。
 
 ドクター・テオ・フライシュマンによって手術前の準備を受けているベクターがいるのだ。
 
 これは、疑う事ができない事実なのだ。
 
「ん。そうかぁ?有難う……。」
 
 ジッと巨大スクリーンと見てから右下の日本国軍、自衛隊の女性事務武官を見る御舩。
 
 今度は、具体的に人的被害は出てはいないが、千歳宙空ステーションの複数関係官庁がある中で、大間の漁船の緊急連絡では、すでにシーラスと打ち合わせが終わっている、第1管区海上保安本部・千歳航空基地からヘリが飛び立つハズだったが、なんの手違いか全くシーラスの管轄外の塩釜市第2管区海上保安本部からH81クマタカが飛び立ってしまった。
 
 対空ミサイル防御も、対空戦闘仕様も、何もなされていないヘリが大間沖に急行してしまった。
 それが、ボーチャンのカバーや、しいては椎葉繁達の機転でH81クマタカが間一髪、助かったのだ。
 
 その通信から出動まで、情報を歪曲した犯人が気になる御舩だったのだ。
 
 なにか、重要な事柄や、人物がからんでいるかもしれなかったのだ。
 
 小樽第1管区海上保安本部に潜入捜査しているフェニックス(東久子・シーラス情報特務科・少尉)に情報ログの取得を密かに指示していたのだ。
 
 桐生上級曹長に話しかけた。
 喉のインカムを押さえる。
 
「桐生君、フェニックスからは?」
 
 斜め上を振り向いて、腕を組み画面を見る桐生上級曹長。
 
「はい、長官。フェニックスからの回答ですが、まだ途中報告です。海上保安庁ヘリ出動依頼の連絡先、確定ももちろん、可能性までも探れていないとの事です。恐らくアース(地球上)認知不能コードを使用しての連絡の可能性がある、との事です。フェニックスの既存能力では抽出不能、エコーAI(エイモス)へ、情報解析依頼が来ています。」
 
 メリッサも腕組をして考え始めた。
 軽く頷く御舩。
 
「桐生君、フェニックスへ暗号打電準備。エコーAI侵入開始。フェニックス受信はいけるか?」
 
「ハイ、いけます。エコーAI(エイモス側AMWOS・AIのコールサイン)立ち上げます。……立ち上がりました。同時にフェニックスに打電完了。」
 
 オペレーションルーム全員が、左側頭部に手を添えた。振り向いて、段下のオペレーター達を見回すメリッサ。
 
( ハイ、エイモスです。シーラス・マザー遮蔽完了、猶予35秒です。フェニックス開きます。 )

 シラス加盟国全てに稼働しているシーラス・マザーからの情報遮蔽をして司令を与える御舩だった。
 
 その為、場合によってはオリジナル・ペンタゴンにも調査ができない秘匿情報となりえるのだ。シーラス・マザーに一切知られず、司令をスパイにおくる御舩だった。
 
「こちらフェニックスです。閣下。海上保安庁の無線傍受記録、デジタル通信情報送りました。解析お願いします。こちらも……小樽の土産、司令受信しました。送れ。」
 
「フェニックス、海上保安庁のヘリ出動依頼先の割り出し終了。直ちに敵、上陸の情報提供に戻れ。送れ。」
 
「フェニックス、了解。小樽の土産に切り替えます。送れ。」
 
「了解、フェニックス。」

( エイモスです。解析終了。91.5パーセントの確率で、シーラス・マザーと塩釜市第2管区海上保安本部での謎のコードを使用した通信を確認しました。マザーとの遮蔽終了します。 )

 右下の桐生上級曹長と目が合う御舩。
 直ぐに通常任務にもどる桐生。
 
 通常任務に戻ったオペレーションルームを、グルッと見渡してメリッサを見ると、手にはクリスタル端末を持っていた。
 
 少し呆れ顔のメリッサだった。
 
「長官。シーラスマザー及びNATO共同参謀本部解析の、AXIS着上陸予想ポイントです。」
 
 シーラス・マザーの敵AXISの着上陸の予想地点の地図を表示してあるのだ。
 
「ふっ。」
 
 シーラスマザーによる欺瞞情報はいちいち、見なくても御舩には予想が出来た。
 
 御舩は苦笑いをしながらクリスタル端末を持つメリッサに近寄る御舩だった。

 もう欺瞞情報や、欺瞞指示を出している犯人の目星がつく舩だった。

 その真犯人とは、「シーラス・マザー」だった。

 そして、マザーを操るのはAXISなのだと。
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