「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち

文字の大きさ
38 / 85
第6章 旧友たちと。

第1話 駆け巡る、マザーの欺瞞情報。

しおりを挟む
「……閣下。マザーより上陸地点の予想です。同志に配信しますか?」
 
 クリスタル端末を御舩に渡すメリッサ。
 
 そのクリスタル端末の画面を見る御舩の顔が段々険しくなっていく。
 
「頼む。」
 
 険しい顔のまま、腕を組んで背中を向けて何やらインカムで話始めた。

          ◇

 シーラス・台湾の司令長官執務室。
 
 ほほに、大きな3本の傷跡の残った、クォジーミンが足を組んでクリスタル画面を睨んでいた。
 
「なぁ~に~!そんなバカな!」
 
 そして、クリスタル端末を机の上に放り投げた。
 
 頭の後ろに腕を組んで、天井を厳しい顔で見るジーミン。
 
「ん~。……ったく。アホかっ!」
 
 立ち上がって、戦略戦術ルームに戻って行った。

 月裏の55スーリア、シーラス情報技術院のミリューシャ・シーカ・ラファド・エリスカ副長官の個室。

          ◇
 
 
 55スーリア内に作られた、美しい人工都市。
 
 母星のネイジェア星を模した人工太陽が昇り始めた。
 
 大きな部屋の窓から広がるのは、母星の大都市と同じ景色だった。
 
 その手前、床まで伸びたガラスの室内ベランダに立って佇む金髪女性。
 
 女性は、シルクの様な薄い深紅の布を肩から羽織っていた。
 腰まで伸びる長い金髪。
 
 それは、地球産のモーニングコーヒーを飲みながら、シーラスのクリスタル端末画面を見るミリューシャだった。
 
「ふっ。ふふっ。」
 
 鼻で呆れ笑いをしてから、コーヒーカップを上げて、カップの周りを回して見た。
 
 そのカップには、幼い子供の書いた日本語が、書かれていた。
 
( みりーおばちゃんへ くりしょう 1ねん2くみ しいば きよし )
 
 と、書いてあった。
 再び、フフッと優しく笑った。
 
 外の景色へ目を移すと、キッと唇を引き締めた。
 眉を絞って、睨みながら景色を見始めたミリューシャだった。

          ◇
 
 栗山町、椎葉家の大きな和風の母屋。
 
 仏壇のある広い畳の間で、朝食を食べ始めた3人のオバ様。
 
 一枚板の、高級な和風のローテーブルに無造作に置かれるクリスタル端末。
 
 クリスタル端末から何やらホログラムの空間案内が浮かび、チャイムが鳴った。

( ピンピンっ♪ ピンピンっ♪ )

 麗子・オースティンが、せわしなくアゴを動かして、ご飯を食べながらお箸でぬか漬けを口に放りこんだ。
 
「カリッ、カリッ。モグモグ。ちょっと姉さんピンピンって端末鳴ってるわ。同志通信って。オリーも。ふん。……モグモグモグ。」
 
 チラッと、テーブルに置かれた端末を見る京子とオリエッタ。
 
「モグモグッ。どうせ苫小牧をハズした予想地点の案内じゃないの?アホのシーラス・マザーの予想とか。」
 
「さすが我が姉。どれどれ?」
 
 腕を伸ばして、端末を覗いてまたテーブルにクリスタル端末を置く京子。
 
「はははっ。正解。もー馬鹿らしいわさ。」
 
 オリエッタもクリスタル端末を腕を伸ばして見てから、テーブルに置いた。
 
「この間、麗子。はじめちゃん(内方はじめ)にさ、マザーの調子、話してじゃない。やっぱり。」
 
 うなずく京子。
 
「そう。誰かがマザーいじってるかなぁ。ってさ。なんか疲れるべさぁ。」
 
 苦笑いのオリエッタ。お味噌汁をすすりながら、京子と麗子を見ながら話した。
 
「なんか、忙しくなりそうだから一杯食べておくよ。お味噌汁、お代わりする。」
 
 みそ汁のお椀を持ったまま身を乗り出し、味噌汁をお玉で入れるオリエッタ。入れ終わると、麗子と京子に腕を伸ばす。
 
「麗ちゃんは?京子っ?」
 
 麗子が、自分の味噌汁のお椀をオリエッタに渡した。
 
「オリー、私も。」
 
「はいよ。」
 
 麗子の手からお椀をとって、お玉でみそ汁を足すオリエッタだった。

          ◇       
 
 今度は、ワタツミの夫婦士官室。
 
 ベットで裸のまま毛布に潜り込んで、寝ている内方夫妻。

( ピンピンっ♪ ピンピンっ♪ )

「ん、ん……。同志通信。なんだなんだ。クワ~ッ!眠い。ぬにゃぬにゃ。どれ~?」
 
 ベットから太い腕を伸ばしてクリスタル端末を見る内方はじめ。
 
「……ほ~んまに、いい加減にせんと。また調査依頼増えるやんかぁ……。」
 
 内方はじめにピッタリ背中を着けて寝ている「J 」博士こと、愛妻のキャロル。
 
「ん?パパ、な~に。同志通信来たん?わざと苫小牧を抜いた上陸予想地点か、何か?」
 
 目を閉じたまま、旦那の持っているクリスタル端末を取って見る「J」博士。
 
 片目でチラッと一瞬見て、旦那に返す。
 
「正解で面白くない。頭悪すぎて、ダルイわぁ……クワァ~カァ~!もう、ムニャムニャ。どうせ盗まれたレールガンと同一犯ちゃうの?面白くない。またパパ忙しくなるじゃない。」
 
 ムクっと起き上がり頭を掻いた。
 
「……。」
 
 美しい大きな乳房を出したまま速攻、内方の頬にキスをして、また速攻布団にくるまって寝るJ博士。
 
「ははっ。俺も寝る。」
 
 そして、暫くの沈黙。
 
 クルっと夫の背中に体を向きを変えて、甘える愛妻。
 
「ちょっとぉ。ねぇ……。はじめちゃん。」
 
 はじめの左耳たぶを引っ張る愛妻。
 
 ギョロと、片目を空けるはじめ。
 
 愛妻の方を振り向てから、小っちゃく唇にキスをする内方はじめ。
 
「変に目が覚めましたよ~奥様っ!それでは……撃ち~かたぁ!はじめ~っ!」
 
「もう、バカ……うふっ。」
 
 仲良しイチャイチャが始まる内方夫婦だった。
 
 揺れる内方のベットの上に置かれたクリスタル端末。
 
 その画面には北海道道南地域に敵上陸予測の赤い丸が示されていたが、肝心な苫小牧には表示が無く、札幌と石狩町、様似沖と十勝の広尾沖に赤丸がされていたのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~

bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。

処理中です...