「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち

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第6章 旧友たちと。

第2話 メリーのANT-GATE条約破り?

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 画面には北海道道南地域に敵上陸予測の赤い丸が示されていたが、肝心な苫小牧には表示が無く、札幌と石狩町、様似沖と十勝の広尾沖に赤丸がされていたのだ。
 
 内方チームの女戦士のベクターがアーマー・アンダー・スーツ破りで肩を撃たれた事実。
 
 そしてその直後に、シーラスマザーが周波数を変更したが、変更直後に、女真族スパイのホンファ・フチャ中佐が続けて撃たれた事実。
 
 その、いわゆるスーツのカスケード硬化解除事件。
 
 狙撃の時系列の報告を受けて、感の良い御舩はシーラス・マザーの仕業と一瞬で理解したのだ。
 
 同じくメリッサも気が付いたのだった。
 
 そこでメリッサはシーラス帝国星人しか通信出来ない秘匿通信で母星の防衛情報監視衛星「ARTS」に直接、働きかけを始めたのだった。
 
 それも異星文明間ルール(ANT-GATE)破りに極力ならないような方法でしていたつもりだったのだ。
 
 そのメリッサがポーランド語(ネイジェア星域帝国公用語)で話始めた。
 
 チラッとそのメリッサの背中を見る御舩。
 
 恐らく、シーラス皇国の監視衛星ARTSに話しているのだろうと思った。
 
 秘密裏に何かを頼んでいる様だった。
 
 御舩は知らないフリをして端末に目を通しながら自分のスマハンドの3Dモニターを立ち上げた。
 その透明なモニターの奥にメリッサの笑顔が見えた。
 
 シーラスマザーの敵上陸予測地点の赤い丸に、新たに緑色の薄い丸印が出現してきたのだ。
 
 苫小牧の3箇所と千歳宙空ステーションの南端、シーラスエリアが緑色に点滅している。
 
 御舩は、一瞬ニヤッとしたが、ARTS解析の情報は、地球とネイジェアの条約破りになるかもしれないと思い、複雑な表情に戻った。
 
 丸い緑色の印は紛れもなくメリッサが照会した、シーラス皇国の監視衛星ARTSからの回答だった。
 
 またメリッサを見るとスッと長い眉をあげて、その美しいアゴを上げながら額を指で軽く掻いて、(あっ!)と何かを思い出したような、わざとらしい芝居で誤魔化しながら、ゆっくり奥に歩いて行った。
 
 そんな可愛らしい仕草のメリッサ。
 
 メリッサの後ろ姿を見て、笑顔になる御舩だった。

( ビビッ。ビビッ。 )

 御舩のスマハンドが鳴った。
 
 御舩のスマハンドのホログラムの3D画面に椎葉繁とその奥にアルフレッド・ウィルソン少将が映ってきた。
 
 人差し指で額を掻きながら、椎葉繁と話す御舩。
 
「繁、見たか?(ハイ、閣下。笑いました。内偵のネタが自分からやってきましたね。)そうか。(もしや、この新たな緑の着上陸予想地点、今、赤丸から遅れて緑丸が来ましたが、仕組んだのは私の弟子ですか?)」
 
 御舩が左眉を上げて、スマハンドを奥にいるメリッサへ向けた。
 
 気が付いたメリッサは片腕を上げて左右に振った。
 ニコニコしている。
 御舩もニッコリした。
 
「まぁ繁、そうゆう事だ。(あらら、マジっすか。メリーやっちまったかぁ)えっ?あ~ぁ……やはり、ちょっと不味かったかなぁ。繁、どうだ。」
 
 画面の奥に居たアルフレッドが、椎葉繁の前に顔を出して来た。
 
 椎葉の腕を掴んでスマハンドを自分に向けたのだった。ARTSに、敵の戦略予想を聞くなど、100パーセント条約破りなのだ。
 
「あぁ閣下。(実はな今、ワシも困ってたんだ。)はっ?どうしてウィルソン閣下が。(うちのアイラがな、直にサイオン皇帝陛下に地球での助太刀を直談判してしまってな。)えっ、どういう事ですか閣下。(禁を破ろうとしているのはメリッサだけじゃないんだ。って事だ。)閣下、メリッサは破りました。やってしまいました。まぁ抵触したと言えば聞こえがいいが。(あっ!あっ。そうだな、そうだな。)」
 
 椎葉繁の腕を緩めるアルフレッドだった。アルフレッドの腕を軽く振り払って、クリスタル端末の画面で点滅する緑の丸を指差した。
 
「アルフィー、この表示。メリーはもうやっちまったんだよ。異星間文明約款破りを。それも(低俗異星文明への文明干渉の禁止約款)だよ。なぁアルフィ?君達オース皇国人だって重要視するだろうが。アルフィーもオース星人って言っても、一括りで、一応ネイジェア星域皇国人だろ?」
 
 腕を組んだまま、ウ~ンと唸るアルフレッド・ウィルソン・オース皇国皇太子だった。
 
 地球では御舩の後ろで、顔を急に真っ赤にして、下を見てうなだれるメリッサが映った。
 
 しばしの静寂……。と、突然アルフレッドがまた繁の腕を掴んでスマハンドを自分に向けた。アルフレッドのドアップ画面。顔を引いて驚く御舩。
 
「わっ。どうしましたウィルソン閣下。私は、もう次の司令を出しますから、私はこれで(御舩閣下!大丈夫です。)えっ?(大丈夫です。オディアを使います。)はぁ。(今、オディアが地球に向かってますけど、その安全の為と言う名目で私がオース皇帝に事後報告します。大丈夫。)えっ?あー!なるほど。なるほどって、本当に大丈夫ですか?(昨年の対馬の時、エネミーの衛星を撃ち落としたのは、あの監視衛星ARTSです。それも椎葉きよし保護の名目で。これもある意味、立派な異星間文明約款破りですよね。まぁジン・シュウも、公認技術者を派遣した為、黙認しましたけどぉ。)はい、でも、ウィルソン閣下。去年は、対馬の時は、ネイジェア星域皇国の公認のジーナスの子供たちが居ました。でも今回は、まだここにいないですよ。これから来るとは思いますけど。(だからです。私が参戦すれば良い。)えっ!(オース皇国の皇室の者の保護の為であれば約款違約にはならない!っと思う。閣下私に任せなさい。)解りました。そちらがぁ、それで良ければ、それでお願い致します。そちらの規定なんですから。(よっしゃ。頑張って下さい閣下。それでは。)(……えっアルフィー何言ってんの。あっかんだろー。)(繁、大丈夫だって。)(出たっ!また、そんな適当な……プチッ。)あっ……。」
 
 通信が切れる3Dモニター。

 目をパチパチする御舩。

 後ろに立っているメリッサへ、こめかみを掻きながら不味い顔をしておどける御舩。
 
 唇をへの字にして両手を広げた。
 
「……なっ!こうゆう事。はははっ……。はぁ~あ。ウィルソン閣下。大丈夫かぁ。いいかげんな。」
 
 少しがっかりし、何となく納得いかない顔をして、またベランダ段上へ進んだ。
 
 気を取り戻して戦闘状況を映し始めた大型モニターを見る御舩だった。


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