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第8章 敵の陽動作戦、台湾進撃を止めろ!(敵視点ver)
第6話 走馬灯。
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沈んだ揚陸艇から海底を歩いて来たのだろう、友軍の2機のHARMORがフラフラになって海岸に上がり、よつん這いになって倒れた。
(( ドンッ! ))
(( ドシンッ! ))
手前1機のコクピットシールドが開くと大量の海水と共に、飛び出て来るパイロット。
( ザザザーッ。)
パイロットがヘッドギアを急ぎ脱いで、海水を大量に飲んだのか、咳込み始める。
( ゴホッ、ゴホッ。オエーッ。ゴホッ、ゴホッ。オエーッ。 )
そんな2機も、先ほどの2艦の砲撃を受け始めたのだ。
( タン、タン、タン、タンッ! )
(( ドカッドカッドカッドカッ! ))
( タン、タン、タン、タンッ! )
(( ドカッドカッドカッドカッ! ))
砂浜の奥に、吹き飛ぶ2機の味方HARMOR。
李が、一気に現実に戻り、慌ててシートベルトをはずして近くのHARMORの残骸の中に隠れた。
「うわー怖い!怖いー!」
突然、大爆発を起こす2機。
(( ドンッ!バシーン、バシーン! ))
強烈な爆発の衝撃波が来た。
ヘッドギアを手で抱えて、手足を縮める李少尉だった。
( ドドドドドドー! )
激しい爆風と炎が、李少尉の足先を通過した。
( うわー!ギャー、助けてー!死にたくないーっ! ヒィーッ!)
(( ドバババババー!ズガガガ……。))
爆風が通り静かになる周辺。
「ふうー。危ない所だった。……ん?」
気になり横を見ると、開いたままのコクピットから内臓を飛び散らせてこちらを睨んでる張四級軍士長の死体だった。
( ワァ~!ヒィィィー! )
慌てて、へっぴり腰のままその場を逃げる李少尉。
よつん這いになったまま、残骸から海辺に出た李少尉だった。
何気に、肩越しに海岸から後ろの海を覗いて見ると、無数の自軍の揚陸艦が攻撃を受けた後だった事が、よりハッキリと李に理解できたのだ。
燃えるもの、爆発するもの。
一緒に、海へ沈む味方HARMORが映った。
( キィーン……。ドンッ!ドバババー! )
沈み始めた揚陸艇から多数の生き残ったモービルが直接ジャンプし始めた。
「おー!行け、行けー!敵をやっつけてくれー!」
調子の良い李少尉だった。
(( ズババババー! ))
少尉の真上、50メートル上空をバーニアを吹かし飛び抜ける1機。
その1機のHARMORを目で追うと、丘の奥から無数のミサイル攻撃を受けたのだった。
ジャンプしたまま、あっけなく空中で撃破されてしまった。
目を細めて、丘を見る李少尉。
敵、オートマのエイジャックスの大群が無尽蔵にこちらに向かって来ているのだ。
止まることなく、次々にミサイルを味方モービルに打ち込むエイジャックス。
続いてジャンプした、友軍のHARMORも正確に撃ち落とされていた。
真上で撃墜されたモービルの残骸が、李少尉に降って来た。
「か、か、かっ……。ん?ぎゃーっ!」
(( ドッシーンッ!ガシャガシャッ! ))
破壊され落ちて来る味方HARMORにビビる李少尉。
何かの大きな真っ黒な残骸の横で、李少尉は波打ち際でうつ伏せになって身を隠した。
やっとひと息を付いた時、李少尉の足元で至近弾が炸裂した。
( ドカンッ!ドバーッ! )
(( うぎゃーっ! ))
砂と、残骸ごと吹き飛ばされる李少尉。
「うっ、う……。」
波打ち際に飛ばされたのだった。
一瞬、気を失ったのかも知れない。
( ドン、……ドンドン。バシーン、ドンドン、タタタ。タタタ。ドン。 )
至る所から響いて来る爆発音や砲撃、銃声音。
そして、爆発による衝撃波の振動が、波の潮だまりに細かい波紋を作る。
潮だまりに映る空には、戦闘による煙が分厚く漂っていた。
波打ち際で、ゴロンっと両手を広げて、空を見る李少尉だった。
目の前に広がる空の光景。
爆発や燃える味方HARMORや揚陸艇の出す煙が、李少尉を避けるかのように、素早く目の前を流れている。
爆発の騒音の中で、なぜか李少尉から、爆発音などの騒音が聞こえなくなった。
……なつかしい、子供の頃の思い出がよみがえる。
兄弟で波打ち際で遊んだ楽しいひと時。
打ち寄せる波の懐かしい音が聞こえてきた……。
父母の笑顔や、祖父や祖父母の笑顔も脳裏に浮かんで来た。
なぜか、緊張がゆるみ、微笑み始める李少尉だった。
煙の合間の上空を見ていると、小さな光の点が、ひとつ、ふたつとプツプツ現れ始めた。
「あれは、なんだ……。」
目を細める李少尉。
その光の点が長く明るい線を引き始めた。
流れ星の様に空を横切るのではなく、3本もの光がこちらに向かって落ちて来ている。
その横にもうひと束、別の光の束も降りて来ていた。
「……。」
李少尉は、思わずヘッドギアを脱いだ。
巨大な何かが、降りてくるのが解った李少尉だった。
李には、神の使徒か、神の使いが天から降って来る気がした。
「ふふふ。神の軍隊か……。敵うわけないかぁ、ハハハッ……。」
そして微笑み、優しい目を見開いたまま、……目の動きを止めた李少尉だった。
腰から下、下半身全てを失ったままのパイロットスーツ姿の李少尉。
両手を広げ、空を仰ぐ少尉の、濡れた瞳に移る3本の光の線の束。
そして、空から神の爆音が聞こえて来る。
( ヒューン……、ゴゴゴゴー……。)
その線が3方向に広がっていく。
人口浜に打ち寄せる、血に染められた小さな赤い波。
……いつまでも、いつまでも、
李少尉の、その手を優しく洗っていた。
(( ドンッ! ))
(( ドシンッ! ))
手前1機のコクピットシールドが開くと大量の海水と共に、飛び出て来るパイロット。
( ザザザーッ。)
パイロットがヘッドギアを急ぎ脱いで、海水を大量に飲んだのか、咳込み始める。
( ゴホッ、ゴホッ。オエーッ。ゴホッ、ゴホッ。オエーッ。 )
そんな2機も、先ほどの2艦の砲撃を受け始めたのだ。
( タン、タン、タン、タンッ! )
(( ドカッドカッドカッドカッ! ))
( タン、タン、タン、タンッ! )
(( ドカッドカッドカッドカッ! ))
砂浜の奥に、吹き飛ぶ2機の味方HARMOR。
李が、一気に現実に戻り、慌ててシートベルトをはずして近くのHARMORの残骸の中に隠れた。
「うわー怖い!怖いー!」
突然、大爆発を起こす2機。
(( ドンッ!バシーン、バシーン! ))
強烈な爆発の衝撃波が来た。
ヘッドギアを手で抱えて、手足を縮める李少尉だった。
( ドドドドドドー! )
激しい爆風と炎が、李少尉の足先を通過した。
( うわー!ギャー、助けてー!死にたくないーっ! ヒィーッ!)
(( ドバババババー!ズガガガ……。))
爆風が通り静かになる周辺。
「ふうー。危ない所だった。……ん?」
気になり横を見ると、開いたままのコクピットから内臓を飛び散らせてこちらを睨んでる張四級軍士長の死体だった。
( ワァ~!ヒィィィー! )
慌てて、へっぴり腰のままその場を逃げる李少尉。
よつん這いになったまま、残骸から海辺に出た李少尉だった。
何気に、肩越しに海岸から後ろの海を覗いて見ると、無数の自軍の揚陸艦が攻撃を受けた後だった事が、よりハッキリと李に理解できたのだ。
燃えるもの、爆発するもの。
一緒に、海へ沈む味方HARMORが映った。
( キィーン……。ドンッ!ドバババー! )
沈み始めた揚陸艇から多数の生き残ったモービルが直接ジャンプし始めた。
「おー!行け、行けー!敵をやっつけてくれー!」
調子の良い李少尉だった。
(( ズババババー! ))
少尉の真上、50メートル上空をバーニアを吹かし飛び抜ける1機。
その1機のHARMORを目で追うと、丘の奥から無数のミサイル攻撃を受けたのだった。
ジャンプしたまま、あっけなく空中で撃破されてしまった。
目を細めて、丘を見る李少尉。
敵、オートマのエイジャックスの大群が無尽蔵にこちらに向かって来ているのだ。
止まることなく、次々にミサイルを味方モービルに打ち込むエイジャックス。
続いてジャンプした、友軍のHARMORも正確に撃ち落とされていた。
真上で撃墜されたモービルの残骸が、李少尉に降って来た。
「か、か、かっ……。ん?ぎゃーっ!」
(( ドッシーンッ!ガシャガシャッ! ))
破壊され落ちて来る味方HARMORにビビる李少尉。
何かの大きな真っ黒な残骸の横で、李少尉は波打ち際でうつ伏せになって身を隠した。
やっとひと息を付いた時、李少尉の足元で至近弾が炸裂した。
( ドカンッ!ドバーッ! )
(( うぎゃーっ! ))
砂と、残骸ごと吹き飛ばされる李少尉。
「うっ、う……。」
波打ち際に飛ばされたのだった。
一瞬、気を失ったのかも知れない。
( ドン、……ドンドン。バシーン、ドンドン、タタタ。タタタ。ドン。 )
至る所から響いて来る爆発音や砲撃、銃声音。
そして、爆発による衝撃波の振動が、波の潮だまりに細かい波紋を作る。
潮だまりに映る空には、戦闘による煙が分厚く漂っていた。
波打ち際で、ゴロンっと両手を広げて、空を見る李少尉だった。
目の前に広がる空の光景。
爆発や燃える味方HARMORや揚陸艇の出す煙が、李少尉を避けるかのように、素早く目の前を流れている。
爆発の騒音の中で、なぜか李少尉から、爆発音などの騒音が聞こえなくなった。
……なつかしい、子供の頃の思い出がよみがえる。
兄弟で波打ち際で遊んだ楽しいひと時。
打ち寄せる波の懐かしい音が聞こえてきた……。
父母の笑顔や、祖父や祖父母の笑顔も脳裏に浮かんで来た。
なぜか、緊張がゆるみ、微笑み始める李少尉だった。
煙の合間の上空を見ていると、小さな光の点が、ひとつ、ふたつとプツプツ現れ始めた。
「あれは、なんだ……。」
目を細める李少尉。
その光の点が長く明るい線を引き始めた。
流れ星の様に空を横切るのではなく、3本もの光がこちらに向かって落ちて来ている。
その横にもうひと束、別の光の束も降りて来ていた。
「……。」
李少尉は、思わずヘッドギアを脱いだ。
巨大な何かが、降りてくるのが解った李少尉だった。
李には、神の使徒か、神の使いが天から降って来る気がした。
「ふふふ。神の軍隊か……。敵うわけないかぁ、ハハハッ……。」
そして微笑み、優しい目を見開いたまま、……目の動きを止めた李少尉だった。
腰から下、下半身全てを失ったままのパイロットスーツ姿の李少尉。
両手を広げ、空を仰ぐ少尉の、濡れた瞳に移る3本の光の線の束。
そして、空から神の爆音が聞こえて来る。
( ヒューン……、ゴゴゴゴー……。)
その線が3方向に広がっていく。
人口浜に打ち寄せる、血に染められた小さな赤い波。
……いつまでも、いつまでも、
李少尉の、その手を優しく洗っていた。
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