「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち

文字の大きさ
75 / 85
第12章 攻撃型海中移動基地「海神(ワタツミ)級」の2番艦「須佐之男命(スサノオ)」

第5話 スタンドアローンのエイモス2の力。

しおりを挟む
 海中には、巨大で角の丸い、大きな、大きな「板」が浮かんでいる。
 
 その真上を、形のよさそうなカツオの群れが通過していた。
 シーラス情報特務部隊の基地で、第2潜水艦基地のAS潜2番艦「スサノオ」が自動牽吊(海中での一点停止状態)をしていたのだ。
 
 AS潜1番艦の「ワタツミ」は主にアジア・東ヨーロッパ方面の外国任務隊であるのに対し、「スサノオ」はシーラス・日本の内国任務隊で、シーラスが抱える日本国内のあらゆる問題や特殊任務を解決する為の基地でもあるのだ。

 実は、北米・南米担当の第3番艦「?」があるのだが、ここは謎にしておく。
 
 「スサノオ」は、1番艦の「わたつみ」と同じく、「板」の後半からぎゅっと絞られた形。
 本来あるはずの「子潜水艦」が全艦出撃して、一隻もついていなかった。
 
 その「スサノオ」の後方、奥の海中から接近する「子潜水艦」の呂号潜が近寄って来た。
 その巨大な「スサノオ」の艦内。
 
 大学の講義室の様に階段状に机のある、扇方の広い戦略会議・およびブリーフィングルーム。
 その前方中央の、大きなモニターの前の段上だった。
 
 VRゴーグルをしながら話す一人の士官と、うなずく2人の屈強な男たち。
 VRをしながら、頭を掻いて話をする岸田シーラス情報特務部隊・情報統括大尉がいた。
 
「曽根中尉、西浦中尉。出ました。あっ!これは、やはり単純な20隻のモービル潜水母艦だけの攻撃ではないようです。出します。これは警報レベルかもしれません。検証を急ぎます。」
 
「はい。岸田大尉だいい。お願いします。」
 
 VRゴーグルをモニターテーブルの上に置く岸田情報統括大尉。
 3Dのワイヤー構造表示の20隻の敵、タンカーを偽装した潜水艦母船が浮かんで来た。
 
 腕を組んで、出て来た画像を見てい2人は中尉に昇格した日本国陸軍中尉の西浦と、一緒に潜入した日本軍陸軍中尉の曽根だ。
 
 曽根は先ほどの潜入作戦では、エイモス得意の炭素繊維カスケード変形を応用した変身をした。
 敵スパイの衣装から顔までの完全コピーを行い敵を油断させたのだった。
 
 曽根は母親が台湾人なので、標準語の広東語や台湾語に堪能だった。
 曽根は敵タンカー司令室以外の戦闘部隊や乗組員など、シーラス特殊部隊員を引き連れて次々に降参させた。他の19隻にも同じように敵士官のカスケードコピー隊員を作り、敵人員の確保に成功したのだ。
 
 今回の作戦では1隻当たり、現地司令室要員と上下士官と上級佐官、戦闘員、潜水艦メンテナンスエンジニア、タンカー運用乗組員含めて1隻に150人近く搭乗していた。
 20隻分だから3000人近く捕虜にしたのだ。
 
 この北海道侵略戦の戦闘が落ち着くまで、20隻の中で生活設備が充実して、一番大きな鹵獲オイルタンカーを選んで敵の捕虜を乗り込ませたのだった。
 
 シーラスは、このタンカーを東北・牡鹿半島と金華山の間の水道、いわゆる「金華山瀬戸」で停泊させ臨時の海上捕虜収容所としたのだ。
 
 この狭い水道では、北側、南側から敵AXISの奪回攻撃を仕掛けた場合、容易に守ることが出来る為だった。
 津軽海峡から宮城県・金華山瀬戸へ曳光される1隻の300メートル級巨大タンカー。
 その他の19隻の鹵獲タンカーの処遇は、西浦と曽根たちの確保したコンピュータシステム・メインフレーム搭載のタンカーは研究の為アメリカへ。
 
 それ以外は、日本の造船所に運ばれ、解体される事となったのだ。
 
 これは余談ではあるが、ここにいる3名の内、曽根と西浦の2人は昨年の対馬戦役でチャイニーズ・アクシス南北朝鮮軍の侵略に対し、最後の最後まで抵抗した戦歴の持ち主だった。
 
 そして、もう一人の岸田は情報技術大尉だいいに昇格し、晴れてシーラスの一員となり「スサノオ」に搭乗したのだ。
 
 岸田大尉だいいは対馬侵攻時、御舩より直接指示を受け、内方・当時少佐やジェシカ・スミス中佐、千歳シーラスワンの情報エンジニアの指示の元、対馬作戦テントに支給されたEMS対応のシーラス製情報機器の設営、セッティングをして情報戦も行った功労者だった。特に戦闘攻撃監視衛星のモリガンからデータ供与を受けて、F-39空爆隊の空爆ターゲット分析・選定に大いに力を貸したのだ。その評価が最も高かったのだ。
 
 現在、岸田大尉に昇格し「スサノオ」の中枢で情報オフィサー兼情報統括のチーフリーダーで活躍しているのだ。
 この「スサノオ」には対馬戦役で、沢山の功労者たちが乗艦しているのだ。
 
 「スサノオ」の内国情報総合司令として、配属された元・対馬基地長官の田中と、対馬作戦本部テント内の部下たち。
 実は、シーラスと深く関わったというより、オリジナル・ペンタゴンと深く関わったと言って良いだろう。
 
 外部への機密保持の意味もあるが、その功績のある者たちが数多く昨年の8月の対馬戦役以降、シーラスの情報武官、医師、戦闘員や兵士として転属した。
 
 今ではシーラスのスタッフとしてこのタンカー捕獲作戦に参加したのだ。
 
 ほふく前進をして裸の日本人女性を助けた200人と、後退する女性を助けた200人の勇者を助けるために、南北北朝鮮軍に対し、殿しんがりを務めたガンナー200人のほぼ全員がシーラスに転属、シーラス部隊員として新たに活躍し始めたのだった。
 
 タイミング的に「スサノオ」に搭乗していた各国兵士や、各国の事務武官の割り当て交代時期に当たり、対馬戦役の活躍したメンバーがほぼ全員「スサノオ」に搭乗したのだった。
 
 もちろん地球上、最高機密の月裏ネイジェア星域帝国のアース星系リゾート基地、「55スーリア」いわゆるアース・スーリアに1か月の研修を行ったのだ。
 もちろん田中以下、配属兵士、配属隊員の全員だった。
 
 今回の敵、タンカー潜水艦母船潜入の危険任務も、対馬戦役の部隊員たちが参加した。
 
 アメリカ海軍ネイビーシールズの冬の厳しい訓練の後に参加した。
 
 そして、20隻に上る全タンカーを鹵獲し、AXISの生存した中央軍事委員会、正規の士官全員を検挙すると言う大成果を挙げたのだ。
 
 のちに知った、AXISの中央軍事委員会の役員には大きなショックを与えたのだった。
 
 大成果のひとつ、敵AXISのスーパーコンピュータの確保。
 
 ペタスケールの作戦戦術用メインフレームを確保する事が出来たのだ。
 
 メインフレーム情報の解析を、60分も掛からずにスタンドアローン運用(外部と繋がっていない)のエイモス2が完全解析したのだ。
 
 薄暗闇の会議室のドアが開く。

 廊下の光の手前にスタイルの良い女性が濡れた髪の毛をタオルで乾かしながら入って来た。

 その後ろから大きな目がクリっと褐色の女性とゴリラ男が入って来た。
 
 女性もタオルを首から垂らして髪を乾かしながら入って来た。
 
 女性2人はタオルをデータテーブルの上に置いてゴリラ男と共に敬礼をした。
 
 返礼する曽根と西浦、そして岸田。
 
 またタオルを持って濡れている薄い金髪の長い髪を後ろで縛ってから、その上からタオルで拭くポーランド特別軍海兵隊、JWフォルモザの女性戦士「カクタス」、ジャネタ(ジャネット)・クフィアトコフスカ上級兵曹長。
 
 私に構わず進めて下さいと手の平で曽根に合図した
 
 うなずく曽根。
 
 その周りに立つゴリラ男と褐色の美人。
 そして全員が揃った頃、エイモス2がアナウンスする。
 
( それでは敵、潜水艦母船タンカーの分析結果です。詳細です。映像を出します。 )
 
 20隻のオイルタンカーのスケルトン3D映像が大きな会議テーブルの中心に浮かんでいる。

 曽根たちが海中から侵入したタンカーの船底映像にアップした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~

bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。

処理中です...