「メジャー・インフラトン」序章4/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節JUMP! JUMP! JUMP! No1)

あおっち

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第12章 攻撃型海中移動基地「海神(ワタツミ)級」の2番艦「須佐之男命(スサノオ)」

第6話 女戦士「カクタス」

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全員が揃った頃、エイモス2がアナウンスする。
 
( それでは敵、潜水艦母船タンカーの分析結果です。詳細です。映像を出します。 )
 
 20隻のオイルタンカーのスケルトン3D映像が大きな会議テーブルの中心に浮かんでいる。
 曽根たちが海中から侵入したタンカーの船底映像にアップした。
 
 大中小の3隻の潜水艦が描かれている。
 
 カクタスが腰に手を当てて、白い歯を出して呆れていた。

 大げさなリアクションをする彼女。リアクションは誰かに似ていた。
 時間が長く一緒に居るとリアクションも先輩や上司に似るものなのか、ベクター(マリアンヌ・ゴーティエ少尉)のそれに似ていた。
 
 しかもベクターより更に美人で上品な潜入プロフェッサー隊員だった。

 コール名は「カクタス(サボテン)」。
 誰も簡単には近づけないトゲトゲのサボテン、と訓練したベクターがコールサインを名付けたのだった。
 
 それもそのハズ。

 カクタスも椎葉繁サムライ新格闘の門下生なのだ。

 シーラスに紹介したのも、カクタスの師範であり上官のゾフィア・ヴィチック艦長なのだった。

 そんな彼女たちが見る3D映像。
 
 搭載した潜水艦を一隻ずつ抽出した映像になった。

 睨んで見る男女たち。 

 曽根中尉が3隻の潜水艦の1隻を、指で広げて拡大した。
 
「エイモス、このデカい母潜はモービル搭載潜だな。殲陸型の潜水母艦か。それは解るが、この2隻のこれ、中型のずんぐりしているのが、なんだこの水流が悪そうな。船底にキャタピラが付いてる。なんだエイモス。」

( ハイ。内方チームのシーシェン(フチャ中佐)から以前、開発中の揚陸型潜水母艦と一致。その報告が入っています。 )

「何っ?エイモス。ちょっとシーシェンの報告書出してくれ。」

 ホンファ・フチャ中佐の写真の横に、以前報告された開発中の揚陸潜水母艦のデータが表示された。
 
 突撃・地上上陸型潜水母艦のデータ。 

 試作母潜名が「オルカ(シャチ)ー3」だった。
 波打ち際でトドなど動物を狙うシャチのイメージなのだろうか。

 防水・防滴性能が悪く、浸水が激しいので開発中止と下に書いてある。
 
「オイオイ、オルカってシャチか。これは、こんなケツまで短いと言うか、胴体が短いマッコウクジラみたいのが、母潜と一緒に巨大タンカーに搭載されていたのか。エイモス性能表、毛毛虫ってキャタピラーだろ?無反動砲モービル機体専用とか書いてあるのか。漢字の読み方が解らない。翻訳して。」

( はい、オルカtype3、動力はデーゼル。全長67メートル、最大幅14メートル、最大潜水時間14時間。水中最高速度12ノット。海上速度18ノット。作戦可能深度35メートル。揚陸能力全上陸可能。積載能力180トン。無限軌道無反動砲搭載機動モービル専用。 )
 
 オルカ潜が海岸に接岸し、正面扉が左右に開いて上陸するキャタピラータイプの機動モービルCGが動いている。
 
「あ~成る程。コイツラを運ぶんだ。浜辺や玉砂利の浜辺しか上陸出来ないな。じゃー道南の上陸地点は、苫小牧の元町か高砂町、いや勇払の海岸の上陸なのか。良く解らん。」
 
 細長い、船腹が膨れてる、別の潜水艦の立体CGに顔を寄せるカクタスとラクシュミー。
 その2人の顔の間に見えるゴリラ男のゴブリン。
 
「でも、この小さいのは第2次世界大戦の日本の小型潜の蛟龍こうりゅうみたいな。魚雷発射管が2門そのまま突き出て。でも胴が、シシャモの雌みたく太いな。意味が解らん。」
 
 上から、下から覗く西浦。カクタスが精悍な眉を上げて話した。
 
「これ、子持ちのサカナみたい。これ補給艦じゃないの。どうなのエイモス?」
 
 ラクシュミーがゴブリンの腕を引っ張って無理やり映像を見させる。
 
「ゴブリンさ、アンタこんな潜水艦の絵、アンタから私、前見せてもらった事あるよね。色んなタイプの潜水艦があるよーってさ。」
 
「そうだな。よくラクシュミー覚えてるな。去年、対馬の時。敵司令本部を乗っけてる潜水母艦をハッキングしてる時に。あの時だな。そう、そう。でも空爆隊の攻撃で核爆発起こされたお陰でさ。後で、データを確認したら、データ切れてた。だから、この蛟龍みたいなの、運用の仕方がわからなかったなぁ。あ~エイモス。確か補給潜だったよね。これ。これ。」
 
 太い人差し指を映像に差すゴブリン。
 
( ゴブリンの仰る通りだと思います。兵装は恐らく新型無音酸素魚雷搭載。技術的に発射音を出さない為にシンプルな構造。動力機関については昨年の対馬戦役で確認された小型原子炉電池だと思われます。空気導入シュノーケルが見当たりません。 )
 
「どうゆう運用で使うんだ。魚雷2発搭載の突撃潜で、尚且つ補給艦って。」
 
( この形状から出力が弱い、小型原子炉で十分な速度が出ると思われます。 )

「ふ~ん。」
 
( 船体上部は超長波吸収型の特殊鋼板が使われています。衛星軌道上からの索敵では捉えるのは難しいでしょう。隠密、もしくは定位置で待ち構えるタイプなのかもしれません。シーラス索敵への対策型です。先程のオルカタイプでは重く、前面投影面積が大きい為、小型原子炉の出力では海上および水中の運用が困難と思われますが、水の抵抗を考えると、この蛟龍型でも小型原子炉のパワーで十分推力が出せます。限りなく無音航行可能なウォータージェット推進と思われ、その場合水中では推定速度14ノットが可能です。補給物資も恐らく40ミリカノン砲弾や80ミリ砲弾、もしくはレーションや液体の科学物質です。運搬口が左右上部ハッチしか確認出ません。ただし、あくまでも従来型からの予想でしかありません。2発の魚雷といいましたが、果たして魚雷なのでしょうか。今開発していると言われる、新型巡航ミサイルの可能性もあります。 )

 何となく、納得いかないカクタスたちだった。
 
「ふ~ん。成る程。そうだ、今やってる台湾防衛戦で、この頭デッカチとかキモ・シシャモの潜水艦、出てたの?」
 
( 確認されていません。現在の台湾、金門県防衛戦の撃破および確保した敵潜水艦は全て大型母潜の殲陸タイプ1です。 )

「そうかぁ、キモサブ(キモいサブマリン)は日本だけかぁ。これ見たら、冬の椎葉温泉入って、京子ママの作る熱燗でシシャモ食べたくなるわ。あははっ。」
 
 腕を組んで笑いながら話すカクタスだった。
 曽根が、ざっと3Dホログラムの映像を見てから、岸田と西浦を見た。
 
「とりあえず、御舩閣下へ報告だ。エイモス?」

( すでに、この情報はオリジナル・ペンタゴン関連チームのエリア内へデータ移送完了しています。岸田大尉への提示と同時に送っております。エイモス・マザーにも発信済です。 )

「早っ!」
「ふふっ。」
 
 頭をかいて笑う曽根と、鼻で笑うカスタス。
 岸田大尉が全員を見渡してから号令を掛けた。
 
「ん~とりあえず、上(田中司令)と相談だな。既に上は、招集をかけて戦略会議を始めてる。よしっ!チーム・内方、日本国軍の諸君!メインデッキ(スサノオ集中司令室CDC)に上がる。では直ちに移動する。」
 
 皆へ、敬礼をする岸田情報技術大尉。

(( 了解! ))

 敬礼をする5人。

 雑談をしながら、ブリーフィングルームを出る6人の戦士たちだった。
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