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第2章 思いは湯煙となり。
第1話 この世の地獄。
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夜、きよしと愛子を乗せたトラックは、ちょっとした峠道を登ってから、次第に下って行った。
先の方からピカピカッと稲光の様な光が、低い雲の上を照らしている。
トラックが進むにつれて光、爆音が密度を増していく。
何度も、何度も光り続けている。
( ドドーン! )
( パラパラパラッ、ドドーン! )
キツイ振動が闇夜の国道を振るわせた。
明らかに戦闘による爆発音と解った。
「布村さん、ここで一旦止まるね。」
( キキキィッ。 )
きよしは側道にトラックを止めた。
音が聞こえるように、エンジンを止めて、窓を開けて確認すると、音の聞こえる方角はやはり対馬市の方向だった。
( ドドーン! ドーン! )
( タタタッ!タタタタッ!ドーン! )
実は対馬市北部で、日本国軍と自衛隊が最後の抵抗をしていたのだった。
北部海岸の上陸から大きな抵抗も無く進撃していたAXISの南北朝鮮軍の本隊。
しかし、対馬市近郊になると日本側の抵抗が予想より大きく、ほぼ2日間、敵AXISの巨大ロボットのHARMOR部隊と、地上機動部隊は進軍する事が出来なかった。
前線が膠着してしまったのだ。
敵のAXISは、合流するハズの南西上陸部隊、24機のHARMORも自衛隊にほぼ殲滅されて戦力が減り、南西上陸部隊が足止めを食らっていたのも要因だった。
そして、一昨日の上陸初日には、椎葉きよしが操る訓練試作用36式HARMORと、椎葉きよしに解放された北部自衛隊の共同作戦で敵AXISの北部上陸部隊・補給用地上兵の約250名と敵HARMORの24機は殲滅されていたのだった。
北部の潜水母艦3隻を含む敵大隊がきよしによって消滅したのだ。
そのことは、対馬市の前線で戦っているAXIS機甲部隊も知る由もなかったのだが。
しかし、対馬市を守る日本の日本国軍、自衛隊は強かった。
対馬北部で徹底抗戦を展開していた。
南西方向から市街地へ戻った自衛隊の生き残り新型20式戦車も防戦に参戦してきたのも大きな要因だった。
全く進軍する事が出来なくなったAXIS南北朝鮮軍だった。
作戦の大幅な遅れで、焦り始めるAXISの本国・中央軍事委員会。対馬の現場に強い催促をしたのだ。
本国から強烈な𠮟責を受ける対馬方面戦略本部付の漢人の司令官。
彼は、汚点を消し去り、逆に功績を作る為に、ある恐ろしい事を決断したのだ。
とうとう、捕虜にした日本人の女性たち200名を全裸のまま、前線に投入したのだ。
あろう事に、全員の腕をローブでつないで前線正面へ、一直線に全裸の彼女らを並べたのだ。
漢人の司令官は拡声器を持って、日本語で脅しに入った。
銃を突き付けられた日本人女性が、ゾロゾロと正面一列に並び始めた。
気が付いた日本国軍・自衛隊の共同戦線の兵士たちは、直ぐに停戦をした。
(( 撃ち方、止めー! ))
(( 撃ち方、止めー! ))
日本側、味方の銃声が一斉に止んだ。
静かになったところで、敵AXISの対馬方面戦略参謀付、太った漢人の司令官が全裸の女性の後ろから現れた。
司令を狙う兵士の銃を慌てて下し、強制的に射撃を止める日本の自衛隊、日本国軍の上官たち。
(( キィーン。……小日本人たちに告ぐっ! ))
その日本側の上官たちも、下げた兵士の銃を持ったまま悔しくて、厳しい顔でにらむ事しか出来なかった。
「……小日本人っ!日本国陸軍、自衛隊の諸君。正ちに全面降伏し、対馬市を明け渡すのだ。1時間の猶予を与える。1時間過ぎたら、3分毎に女の首を刎ねる。はははっ。この様になっ。」
後ろに向かって合図する敵の司令。
動揺する並んだ200名の裸の日本人女性。
振り向く女性もいたがライフルの銃床で背中を叩き、笑いながら乱暴をする南北朝鮮の地上兵たち。
正面の、一番左端の美人女性の後ろに、大きな青龍刀をもった大柄な漢人のデカい兵士が現れた。
そして、その美人女性の後ろに立ち、女性の後ろで、にやけながら青龍刀を振りかぶった。
そして、あろう事に、青龍刀を降ろしたのだ。
(( シュパン! ))
( キャー! )
( キャー! )
( うわー! )
首を失った美しい色白の体が、転げ落ちる。
( うわーっ! )
( ヒィー! )
( キャー! )
泣き叫び、悔し涙をする前線の日本国軍兵士と自衛隊員たち。
隣の女性たちは、恐怖で倒れ、崩れるが南北朝鮮軍の奴隷兵が銃床で倒れる女性を殴って無理やり立たせた。
なかなか立たないので、首の無い女性の手首ごと切って、隣の女性を無理矢理立たせたのだ。
「わはははっ。あと、……59分しかないぞ。」
後ろに控えるAXIS南北朝鮮の奴隷兵が笑い始める。
(ワハハハハ、ワハハハハ!)
(アハハハハ、アハハハハ!)
( キャー! )
( キャー! )
味方の笑い声と悲鳴の上がる中、漢人の司令官は上を向いて笑いながら拡声器を降ろして、後ろの乗り物に乗って去って行った。
その後方、直線で1キロ離れた地点の山中の国道脇で、きよしと布村が認識していた。
映像では見ることが出来ないが、どういう仕組みなのか、エイモスが音声を拾ってきよしと布村に聞かせていたのだった。
爆音や様々な発砲音が突然消えて、静かになったのだ。
そこで、気になって音声を拾っていたのだ。
想像が付いたきよしと、布村。
トラックの正面を見たまま、涙を流す布村。
きよしも、布村も、昼間見た漁村の民家の惨状を思い出していた。
「エイモス……。」
( はい。椎葉少尉。 )
「アナログ通信、夜はどうだ。」
( はい、ジェシカ・スミス中佐のいる千歳シーラスワンに、十分届きます。この音声データも全て送信いたしました。 )
「……そうか。」
きよしは何かを決心したようだった。
「いいかい、布村さん。僕は敵、HARMORを鹵獲して戦いたい。」
「ろかく?」
「そうだ布村さん。敵のHARMORを盗む。もう、僕はもう我慢できない。時間の猶予は……あと56分か。昼間言っていた、モールス信号変換通信、僕の予備役校の訓練中に使っているんだ。訓練内容を傍受されないように、大昔の信号を使ってだ。通信を送る相手は、僕の副教官のジェシカ・スミス中佐だ。日本語がわかる人だ。そこで、布村さんお願いがあるんだ。」
ヘッドギアを持って、真剣にきよしの話を聞く布村。
「敵HARMORを直接、操縦するにはパスコードが必要になる。パスコードを手に入れないと敵HARMORを起動、操縦出来ない。」
「でも、敵は中国語でしょう。標準言語の北京語、パンダ隊長、解るの?」
「それは……。」
黙るきよし。
「うちが経営する定山渓のホテルは台湾のお客様が多いの。子供の頃から標準語の北京語と台湾語両方勉強してるから、私も一緒にその、HARMORってロボットへ乗り込む。でも、もしハングルならわからないけど。その時はごめんなさい。」
少し考えて答えるきよし。
「愛ちゃん……君を守れないかもしれない。」
きよしを見つめる布村。
愛子が、顔をきよしに近づけた。
「……美紀さんにキスされたまま、生き残りたくない。女の意地。絶対に私を守って!私だけのお子ちゃまきよし!」
きよしに抱き着く布村。
布村は積極的に、きよしへ唇を当てた。
そして、2人は深く抱擁した。
先の方からピカピカッと稲光の様な光が、低い雲の上を照らしている。
トラックが進むにつれて光、爆音が密度を増していく。
何度も、何度も光り続けている。
( ドドーン! )
( パラパラパラッ、ドドーン! )
キツイ振動が闇夜の国道を振るわせた。
明らかに戦闘による爆発音と解った。
「布村さん、ここで一旦止まるね。」
( キキキィッ。 )
きよしは側道にトラックを止めた。
音が聞こえるように、エンジンを止めて、窓を開けて確認すると、音の聞こえる方角はやはり対馬市の方向だった。
( ドドーン! ドーン! )
( タタタッ!タタタタッ!ドーン! )
実は対馬市北部で、日本国軍と自衛隊が最後の抵抗をしていたのだった。
北部海岸の上陸から大きな抵抗も無く進撃していたAXISの南北朝鮮軍の本隊。
しかし、対馬市近郊になると日本側の抵抗が予想より大きく、ほぼ2日間、敵AXISの巨大ロボットのHARMOR部隊と、地上機動部隊は進軍する事が出来なかった。
前線が膠着してしまったのだ。
敵のAXISは、合流するハズの南西上陸部隊、24機のHARMORも自衛隊にほぼ殲滅されて戦力が減り、南西上陸部隊が足止めを食らっていたのも要因だった。
そして、一昨日の上陸初日には、椎葉きよしが操る訓練試作用36式HARMORと、椎葉きよしに解放された北部自衛隊の共同作戦で敵AXISの北部上陸部隊・補給用地上兵の約250名と敵HARMORの24機は殲滅されていたのだった。
北部の潜水母艦3隻を含む敵大隊がきよしによって消滅したのだ。
そのことは、対馬市の前線で戦っているAXIS機甲部隊も知る由もなかったのだが。
しかし、対馬市を守る日本の日本国軍、自衛隊は強かった。
対馬北部で徹底抗戦を展開していた。
南西方向から市街地へ戻った自衛隊の生き残り新型20式戦車も防戦に参戦してきたのも大きな要因だった。
全く進軍する事が出来なくなったAXIS南北朝鮮軍だった。
作戦の大幅な遅れで、焦り始めるAXISの本国・中央軍事委員会。対馬の現場に強い催促をしたのだ。
本国から強烈な𠮟責を受ける対馬方面戦略本部付の漢人の司令官。
彼は、汚点を消し去り、逆に功績を作る為に、ある恐ろしい事を決断したのだ。
とうとう、捕虜にした日本人の女性たち200名を全裸のまま、前線に投入したのだ。
あろう事に、全員の腕をローブでつないで前線正面へ、一直線に全裸の彼女らを並べたのだ。
漢人の司令官は拡声器を持って、日本語で脅しに入った。
銃を突き付けられた日本人女性が、ゾロゾロと正面一列に並び始めた。
気が付いた日本国軍・自衛隊の共同戦線の兵士たちは、直ぐに停戦をした。
(( 撃ち方、止めー! ))
(( 撃ち方、止めー! ))
日本側、味方の銃声が一斉に止んだ。
静かになったところで、敵AXISの対馬方面戦略参謀付、太った漢人の司令官が全裸の女性の後ろから現れた。
司令を狙う兵士の銃を慌てて下し、強制的に射撃を止める日本の自衛隊、日本国軍の上官たち。
(( キィーン。……小日本人たちに告ぐっ! ))
その日本側の上官たちも、下げた兵士の銃を持ったまま悔しくて、厳しい顔でにらむ事しか出来なかった。
「……小日本人っ!日本国陸軍、自衛隊の諸君。正ちに全面降伏し、対馬市を明け渡すのだ。1時間の猶予を与える。1時間過ぎたら、3分毎に女の首を刎ねる。はははっ。この様になっ。」
後ろに向かって合図する敵の司令。
動揺する並んだ200名の裸の日本人女性。
振り向く女性もいたがライフルの銃床で背中を叩き、笑いながら乱暴をする南北朝鮮の地上兵たち。
正面の、一番左端の美人女性の後ろに、大きな青龍刀をもった大柄な漢人のデカい兵士が現れた。
そして、その美人女性の後ろに立ち、女性の後ろで、にやけながら青龍刀を振りかぶった。
そして、あろう事に、青龍刀を降ろしたのだ。
(( シュパン! ))
( キャー! )
( キャー! )
( うわー! )
首を失った美しい色白の体が、転げ落ちる。
( うわーっ! )
( ヒィー! )
( キャー! )
泣き叫び、悔し涙をする前線の日本国軍兵士と自衛隊員たち。
隣の女性たちは、恐怖で倒れ、崩れるが南北朝鮮軍の奴隷兵が銃床で倒れる女性を殴って無理やり立たせた。
なかなか立たないので、首の無い女性の手首ごと切って、隣の女性を無理矢理立たせたのだ。
「わはははっ。あと、……59分しかないぞ。」
後ろに控えるAXIS南北朝鮮の奴隷兵が笑い始める。
(ワハハハハ、ワハハハハ!)
(アハハハハ、アハハハハ!)
( キャー! )
( キャー! )
味方の笑い声と悲鳴の上がる中、漢人の司令官は上を向いて笑いながら拡声器を降ろして、後ろの乗り物に乗って去って行った。
その後方、直線で1キロ離れた地点の山中の国道脇で、きよしと布村が認識していた。
映像では見ることが出来ないが、どういう仕組みなのか、エイモスが音声を拾ってきよしと布村に聞かせていたのだった。
爆音や様々な発砲音が突然消えて、静かになったのだ。
そこで、気になって音声を拾っていたのだ。
想像が付いたきよしと、布村。
トラックの正面を見たまま、涙を流す布村。
きよしも、布村も、昼間見た漁村の民家の惨状を思い出していた。
「エイモス……。」
( はい。椎葉少尉。 )
「アナログ通信、夜はどうだ。」
( はい、ジェシカ・スミス中佐のいる千歳シーラスワンに、十分届きます。この音声データも全て送信いたしました。 )
「……そうか。」
きよしは何かを決心したようだった。
「いいかい、布村さん。僕は敵、HARMORを鹵獲して戦いたい。」
「ろかく?」
「そうだ布村さん。敵のHARMORを盗む。もう、僕はもう我慢できない。時間の猶予は……あと56分か。昼間言っていた、モールス信号変換通信、僕の予備役校の訓練中に使っているんだ。訓練内容を傍受されないように、大昔の信号を使ってだ。通信を送る相手は、僕の副教官のジェシカ・スミス中佐だ。日本語がわかる人だ。そこで、布村さんお願いがあるんだ。」
ヘッドギアを持って、真剣にきよしの話を聞く布村。
「敵HARMORを直接、操縦するにはパスコードが必要になる。パスコードを手に入れないと敵HARMORを起動、操縦出来ない。」
「でも、敵は中国語でしょう。標準言語の北京語、パンダ隊長、解るの?」
「それは……。」
黙るきよし。
「うちが経営する定山渓のホテルは台湾のお客様が多いの。子供の頃から標準語の北京語と台湾語両方勉強してるから、私も一緒にその、HARMORってロボットへ乗り込む。でも、もしハングルならわからないけど。その時はごめんなさい。」
少し考えて答えるきよし。
「愛ちゃん……君を守れないかもしれない。」
きよしを見つめる布村。
愛子が、顔をきよしに近づけた。
「……美紀さんにキスされたまま、生き残りたくない。女の意地。絶対に私を守って!私だけのお子ちゃまきよし!」
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