「メジャー・インフラトン」序章6/7【下巻】僕のグランドゼロ〜少年兵の季節 Knock! Knock! Knockin' On Heaven

あおっち

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第19章 バトル・オブ・千歳。Tactical Impossible!(戦術的不可能)

第14章 メティス、たった1機の防衛戦闘。

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 滑走路南端の第7滑走路には、一面に濃い白い煙幕が、覆っていた。
 
 雲の中の稲光のように煙幕の中からオレンジや黄色い閃光と、こもった爆発音。


( ボンボンッ!ボンッ! )


( ドドッ!ボンボンッ! )
 

 そのたびにオートマ(武装装甲車)のコンディションを表すアイコンが点滅して消えた。

 慎重に突入するジェシカ。


( クォドシンッ、クォドシンッ。 )


 ジェシカを取り巻く全天周モニターに地面の振動先示す矢印が、振動を感知するたびに反応し浮かぶ。


( ピピッ……ピピッピピ…… )

 
 ジェシカの顔から汗が吹き出した。
 
 実戦の緊張と興奮する熱い息がかかり、ヘッドギアのガラス面を曇らせると直ぐにその曇りを、ヘッドギアがエアーで曇りを取る。
 そんな、せわしないガラス面から鋭い眼光を差し続けた。


( ローズ(ローザンヌ・ガルシア)に出来て私に出来ない事はない! )


 そう、思い自分を奮い立たせて白い煙幕の中心に入っていく。

 先程のローザンヌとの話を思い出した。

 
――ピンピンザザッ。ジェシー?それが生きてて、嬉しいわ!って言う人のセリフ?スーサイドアタックって、目の前に敵の砲弾飛んでくるんだかんね。マジ死ぬかと思ったんだから!マジで。部下の手前、カッコつけてたけどぉ。もうドキドキ、死んだらどうしようって。脱出出来なかったらどうしょうって、マジビビったから。――


 だだっ広い、隠れる所がない戦場で1対7のロボット対戦が始まった。


 陸上戦闘に特化した敵V-2は、陽動攻撃に徹しジグザグ走りながらオートマを撃破していく。
 メティス機は振動観測を元に、50ミリ速射カノン砲で反撃する。


( ドンッ!ドンッ!ドンッ! )


( シュッシュッシュッ! )


「……。」


 しかし、敵に当たった手応えがないのだ。
 余計に焦るジェシカ。
 
 ましてや、自分の背後には倉庫群が並んでいる。
 避難民の第13番倉庫に敵砲弾が当たった場合、どんな被害が出るかわからない。
 
 そんな事も考えて敵の反撃を気にして、立ち位置を確認しながら進んでいた。


――実戦経験したきよしなら、そして夫婦で世界の戦場を渡り歩いたジュリアならどうしているか……。

 
 恐らく敵HARMOR殲滅以外、考えていないであろう。
 避難民の保護は黄技術部長夫婦が全力でバリアー作業をしている。
 特にきよしは、黄技術部長を信じた瞬間から思考には入れず敵が滑走路に着陸する前に突入し、何からの決着が出ていた可能性が高い。

 残念ながら、実戦経験の有無がこの戦場では重要なファクターとなるのだ。
 
 先程のWALKER50体による先制攻撃、HARMOR 46機にもおよぶ飽和攻撃では、椎葉きよしは単騎で「煙野郎」作戦という黄色いスキャンニング・ジャマー煙幕の中とは言え、実際にはHARMOR40機近くを殲滅したのだ。
 
 敵に、「TNT軟性プラスチック絨毯ロール地雷」など敷設させるスキなど与えなかったかも知れないのだ。
 もしかしたら煙幕すら発射する余地を与えなかったかも知れない。


 それとも、きよしが駆けつけて既に煙幕を張られていたのなら巨大なロボット扇風機となるだろう。
 
 四つん這いで、背中のランドセルバーニアを最大に吹かし煙幕など綺麗に払い、エイジャックス20輌によるスイングファイアーミサイル攻撃で5秒も掛からずにカタがついていたかもしれない。


 それが椎葉きよしなのだ。


 しかし、現実は初陣のジェシカ・L・D・G・スミス中佐の1機 VS  敵、シータおよびデルタ小隊7機の直接対決なのだ。


 彼女の行動は、アメリカ陸軍による敵HARMOR、煙幕下による演習通り100点満点の行動だった。
 
 これが演習ならば。

 の、話だ。
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