「メジャー・インフラトン」序章6/7【下巻】僕のグランドゼロ〜少年兵の季節 Knock! Knock! Knockin' On Heaven

あおっち

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第20章 バトル・オブ・千歳。魂の記憶、REDEMPTION(リデンプション)

第7話 高度2万メートル、ルオの焦燥。

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 高度20000メートル付近からの北海道の景色は絶景だった。
 まだ成層圏の下部であるためルオが真上を見るとまだまだ暗い宇宙が広がっていた。

「20000メートルの宇宙までの単独ローンチってしばらくブリたわさ……。」

 地球の丸さを実感できる緩やかな地平線がどこまでも続いている。
 
 時間も午前10時を過ぎ、快晴から一点し南太平洋側に雲が、発達してきた。
 同じく大雪山系から道東にかけても、雲が発達したようだった。
 あんまりのんびりしていると、千歳にも雲が掛かる気がしてくるルオだった。
 
 そうなると、敵索敵を光学探索(目視)に頼っている現在、高度からは雲が掛かると千歳の戦場が見えなくなる。
 
 第2世界大戦、それも初期の時代に戻ったも同然なのだ。

 E-CIMのノーラ・ブランチ・システムが回復しない今、戦略を大きく変える必要が出てきた。
 
 エアロシェルの、下面「ガメラ」レーダー、すなわち円盤下部の6角形のアクティブ・ソナーにも15000メートルの作動制限があった。
 
 万能ではないのだ。
 
 だから、ロフテッド急襲攻撃の際、ビッグマム(戦略スペースシャトルオービター)から降下する戦術高度は15000メートル以下と軍規で謳われていたのだ。

 小林・ジュリアの機体がフリーズして各種レーダー波が使えない現在。
 
 索敵をして正確な敵の所在を知るためには、このエアロシェルが15000メートルまで降りて、下のガメラレーダーを照射するしかないのだ。 
 確実性が低い光学測定(目視)の分析しかなくなる。
 
 そうなると2小隊リーダーの「ジェシカ・L・D・G・スミス中佐」が責任を持って光学測定による分析と戦術判断が大変重要になる。

 ところが、TER通信を使ってジェシカのメティス機に連絡取るにしてもTER通信は8000メートルまで近寄らないっと使えないのだ。
 
 ましてや、自機のAI「レディ・スラッシュ」とノーラ・moonシステムとのデータ交換時では現状と2分程度のタイムラグがあった。
 2分前現在の情報しか提供できていないのだ。
 
 データ交換時ではジェシカは、敵が南端の第7滑走路に侵入を受け一度第9番倉庫まで、後退した所を敵侵入受けて急行する所で止まっていた。
 きよしのGOSSHも整備中だった。

 時間が経過しジェシカはすでに敵が張った煙幕の中、至近距離まで接近し、きよしも滑走路地下の整備通路を移動している。

 今は、第2国防管制塔ビル屋上では、ジャリアに対し少女隊の2機のHARMORによる攻撃が始まっていたのだ。

 そんな戦況の下で月裏のノーラのマスター・Moonシステムとのデータリンクが終わったばかりのルオのJPM-36式甲型(シルフZERO)だった。

 ルオのコクピット。
 
 全天周モニターに広がる道南広域の地表面から南太平洋までの高高度ライブ映像と、次々に重ねて表示される3D戦術画面のオーバーレイデータ。

 滑走路の南端、第7滑走路の南端一帯でただよう敵が仕掛けた煙幕。
 その中を射撃姿勢で歩くジェシカの機体「メティス」をレディ・スラッシュが、発見した。

 そして、時折り煙幕の間から見える見覚えがない幾何学模様が、滑走路に薄く広範囲に描かれていた。その上を歩くメティス機と移動するオートマの装甲車郡。

 即座にレディ・スラッシュの解析ラインが走る。

 5時間前に捕獲した艤装タンカーをゴブリンがハッキングしたのだが、そのスパコンの秘匿装備品データの中にあった「スネークライン」と一致した。

( ビビビッ!ビビビッ!解析完了。鹵獲したスパコンデータ『スネークライン』と一致。敷設TNT地雷と判明!)

 その詳細がモニターに出る。
 敷設TNT地雷原のど真ん中にメティスとオートマ(無人装甲車)がいるのが明らかになったのだ。
 
 目が大きくなるルオ。

「うわー!地雷原にメティスが入ったんだわさ。めっちゃマズイんだわさ。メティスに連絡を取らないとダメなんだわさ!」

 焦ったままのルオを載せて、緩やかに降下するパールバディ・ワン機だった。
 
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