レイフォードの狂演武

秋風りっか

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神々達の戦い

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「この世界を終わらせて、あの御方が創造しなおす!
そしてあの御方が世界の王になるのよ!」
目の前にいる男女の女の方が叫ぶ。
魔法はこの人達には効かない。
まずい。殺される。この人達に。
「あんた達みたいな邪魔な種族消え去れば良いのよ!
魂まで消え去れ!ストラ……」
女は魔法を発動しようとして詠唱したが
魔法を発動する事はできなかった。
女の上には白髪の長髪の女の子が立っている。
いや。正しくはかつて女だったものの上にだ。
女は肉塊に成り果てて人の原型をとどめてはいなかった。彼女は誰だ。何者だ。
何もかも謎のままそれは幕を開けた。
「大丈夫?」










「アリサ~。式典の準備できた~?」
「うん。できたから今行く!」
「参加証明書忘れないでね~!」
「はいはい!分かってるって!」
机の上に置いてある紙をとり中身を再度確認する。
アリサ·リトイニア
種族エルフ
12歳 適正魔力 火·水·土
適正武器 弓矢
これは私の参加証明書。間違いない。
今日は各々に一番合う魔法が授けられる式典。
両親に家を出る挨拶をする。
「行ってきます!」
「いってらっしゃい。良い魔法が授けられると良いわね。」
「うん!」
期待に胸を膨らませて家を出る。



受付が設置されていてそこで参加証明書を渡す。
するとギィという音がして重い扉が開く。
教会に入ると騒がしい声が聞こえる。良い魔法が授けられるか。
運が試されているような気がする。
そこには顔見知りが居た。
「アリサ!」
「ミミ!」
ミミ·テグレスト。人間の私の友達。
水色の髪と瞳の女の子。
「すごくドキドキするね。」
「分かる。運が試されているような気がするもん。」
「そうだね。でも最高神様はお優しいって聞いているから、きっと良い魔法を授けてくれるはずだよ。」
「う、うん。」
最高神リクラス·トルスファ。
とてつもない魔力と魔法を持っているという御方。
お願いします。良い魔法を授けて!
コツコツコツコツ
「皆様。お静まりください。」
そんなことを考えているうちに司教様が入ってきた。
これから式典が始まる。
緊張して心臓がすごいバクバクいってる。
「では式典を始めます。
1番目アレグリア·フォード。前に来なさい。」
1人の少年が前に出る。
そして最高神リクラスの像の前に両手を差し出す。
「最高神リクラスよ。この者に相応しい魔法を
与えたまえ。」
司教が詠唱する。
すると少年の両手が光に包まれ、その光は腕を伝い
胸のところまで行くと体に吸われるように消えた。
すると司教は
「この少年に与えられたのは俊敏性を高める魔法だ。
下がって良いよ。
2番目アリサ·リトイニア。」
私の番だ!大丈夫大丈夫。きっと良い魔法を授けてくれるはず。
前に出ると両手を差し出した。
司教はさっき詠唱したのと同じ呪文を詠唱する。
「最高神リクラスよ。この者に相応しい魔法を与えたまえ。」
すると暖かい不思議な光が両手の上に現れる。
そして腕を伝い体に吸われるように消えた。
「この少女に与えられたのは、火·水·土·雷の魔法だ。下がって良いよ。」
あぁ。緊張した。まぁまぁの魔法かな?
よかった。
そんなことを考えているうちにどんどん順番は
進んでいく。
「6番目。ミミ·テグレスト。」
ミミの番だ!
ミミもさっきの私と同じ行動をする。
司教もさっきと同じ詠唱をする。
そして光が消えた。
「この少女に与えられたのは、魔獣を手懐ける魔法だ。下がって良いよ。」
そしてミミが下がる。
すごいな。ミミ。魔獣を手懐ける魔法だって。
「これで式典は終わりだ。
帰って良いよ。」
あ。ミミが最後だったんだ。
「アリサ!すごいね!火·水·土·雷の魔法って
良い魔法だよ!」
「ミミ!ミミの方こそ良い魔法だよ!
魔獣を手懐ける魔法なんてすごすぎるよ!」
「そんなことないよ!そうだ!一緒に帰ろ!」
「良いよ!」
「そうだ。この前森でね。なんか見たことない人
見かけたんだ。」
「へぇ。見たことない人がいるなんて珍しいね。」
そんなことを話しながら帰っていた。
その時私達の目の前に見たことない人達がいた。
青緑の瞳。そしてシルバーの髪の女。
そしてもう1人。
赤髪。そしてまたシルバーの髪。
だがそのもう1人は男だ。
「お嬢ちゃん。見たことない人ってこんな顔。だったかい?」
女の方が尋ねてくる。
「そうそう。そんな顔……。」
そうミミが答えると女はニヤリと笑いミミの腹部が赤く染まった。そしてミミは倒れてしまった。
「ミミ!」
私が駆け寄る女は
「あんたもその嬢ちゃんと同じ目に合うんだよ。」
私は恐怖で体が全く動かなかった。
その瞬間小さい頃に教えてもらった魔法の発動方法を
思い出した。
(魔法は体の中にある力を手に集める感覚で
使うんだよ。
でもまだアリサには早いかな。)
力を手に集める感覚!
集中して!集中して!
小さな火の玉が手からでた。
「ぷっ。アハハ!こんなので私に立ち向かう気!?
面白いんだけど!」
冒頭に戻る。
「大丈夫?」
私は声を出そうとしたけれど声が出ずに
首を横に降る。
「そう。」
そしてミミのところまで少女が行くと傷口に手をかざし
「シーリング」
すると赤い色はたちまちなくなっていく。
「あ、貴方は誰?」
やっと声が出た震えた声で質問をする。
「私はリッカ·トルスファ。最高神の娘だよ。」







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