レイフォードの狂演武

秋風りっか

文字の大きさ
上 下
16 / 17
訓練

*魔法の基礎概念

しおりを挟む














王城に入る直前ーーーー






「じゃあ。魔法の発動方法を教えるから聞いていてね。」
とフウカさんに言われ黙ってフウカさんの話を聞く。
「まず魔法っていうのは魔力が変化した、言ってしまえば魔力の第2形態的なものなんだ。
けれども魔力っていうのは魔力と同調する性質の目。魔力眼でしか見えないんだ。
ついでに魔力眼を説明すると眼を魔力で作り出すと魔力眼となる。
一部の家系の者を除いて生まれながらに魔力眼を持って生まれることはないんだよ。
そして魔力眼を持たない者が眼を魔力眼に変えようとするのならばまず今ある眼をくり抜いてその眼を魔力で複製してそれをくり抜いた眼のあった場所に嵌め込む。でも決して魔力眼を持とうなんて思わない方がいいからね。激痛が眼をくり抜く時に襲うし魔力も聖なる魔力じゃないと成功率が著しく下がる。そして魔力眼を持った者は魔力の縛りを受ける。全身に激痛が走る程度であればまだいい方っていうような物だからね。訓練すれば魔力が何処にあるかぐらい簡単に分かるようになる。決して魔力眼を手に入れようとしないこと。そして話を戻すけれども魔力は魔力眼でしか見えないけれども魔法としてなら視認することは出来る。そして先人達は光の魔法を生み出した。まあ。その前は真っ暗だったから闇魔法の方がはるかに歴史は古いね。次に水が生まれた。そしてその次に自然が生まれた。またその次に生き物が光魔法によって生まれ、それを焼いて食す為に火の魔法を生み出した。これが全ての始まり。
ああ。そうだ。後でこの紙をあげる。きっと役立つはずだよ。」




そういって見せられた紙には
『Gsv yvtrmmrt lu zoo uzohvsllwh. Hi rg'h mlg gsv ivzo yvtrmmrt. Ovnvnyvo. Wl mlg ulitvg gszg szh yvvm
ivkzrmgvw.Gsv gifv srhglib yvtzm rm gsv dliow lu drhwln. Rg'h mlg gsrh dliow. Gsrh dliow szh yvgizbvw gsv
dliow lu drhwln. Hi gsv ivzo yvtrmmrt lu fh rh rm gsv dliow lu drhwln. Vevidgsrmt szh z pvd rm gsv dliow drhwln . R'n hfiv yvzizbvw kvlkov ziv xibrmt rm gsv dliow lu drhwln. Blf aiv prmw gl gsv kvlkov lu gsv dliow lu drhwln.
Wl pszg R xlfowm'g wl.
Kovzhv.』
と書いてあった。




よくわからない文字列に頭がパンクしそうになる!…
「フウカさん。これは何ですか?」
「ん?暗号だよ。解読してみたら?」
「無理ですよ。無理!」
とミミが即答してしまった。



「まあ。この紙は後であげるとして話を戻そうね。
魔法の発動方法は魔力を各属性の魔法に変質させて発動する方法と、魔法陣を書いて魔力を流し魔術を発動させる方法。そして魔法陣を瞬時に組み立てて超級魔術を発動させる方法がある。
今回行うのは魔力を変質させて各属性の魔法を発動する方法だよ。
説明すると、この方法だと便利で発動も簡単なんだけれども威力・効果はあまり望めない。
そしてこの方法だと光魔法と闇魔法というものは存在しないからこの2つの属性は使えないんだ。
つまりこの方法で使える属性は3つだけなんだよね。
でもこの方法で魔法が使えれば大体の生活が何とかなるからここでストップしている人も多いよ。
まあでも、戦闘に使うとなると魔術を発動させられないと大体の場合戦えないからね。
ま。大体の場合超級魔術なんて使う人少ないから、魔法陣を書いて魔力を流して発動するっていう方法で戦うのが人間達の戦法だったりするよ。」


へえ。そうなんだ。
「まっ。まずは実践実践!
まずは火の魔法から発動してみようか。手を前に掲げて。」
そう言われ手を前に掲げる。
「そうしたら目を閉じて。そしてイメージするんだ。身体中に巡っている魔力をイメージしてね。
その魔力を手に集めるんだよ。」
身体中に巡っている魔力をイメージする……。
手に集めるのか。
「集められたらその魔力が火に変わるイメージをするんだ。考えて。この時は魔力は油。イメージが火の粉だよ。この2つを合わせたら火が起きる。さあ。イメージして。」
火が起きる………。
そんな事を考えていたら手が熱くなっていった。
目を開けると掲げた手の中に小さな火が灯っていた。
「綺麗……。」
すると火に足が生えて動き出した。その火は七色に光ってまるで




絵に描かれた火の子供のようだった。





するとフウカさんがランタンのような物を取り出した。
そして私が出した火をランタンの中に閉じ込めた。
ああ。引き込まれる。ダメ。その中に入れちゃダメ。閉じ込めないであげて。
苦しそう。ダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダ



チリーン。チリーン。チリーン。
ハッとした。何を思っていた私は。火に足なんか生えていなかった。
ただの火だった。
「ああ。アリサちゃん。一回引き込まれかけたね。」
「引き込まれたって?」
といつの間にかフウカさんとおんなじランタンを持つミミが聞いてきた。
「引き込まれるっていうのは魔法を使う上で1番注意しなきゃいけない状態なの。
魔法が人に見えてきて感情を肩入れしてしまったらそれだけで引き込まれてしまう。
完全に引き込まれると暴走状態に陥ってそれでも正気に戻せなかったら闇の怪物に成り果てるんだ。
だから気をつけてね。」
「はい。気をつけます。」
「うん。それなら良い。はい。このランタンを持って王城に入って貰うよ。常時魔力の注入を必要とするから気をつけてね。まあでもこのランタンは魔力を均一化して火に流してくれるっていう優れものだからとにかく注入し続ければ良いよ。」
『はいっ!』



王城に入るまで後2時間ぐらいかなあ。と思った。
しおりを挟む

処理中です...