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第一章 私は絶滅危惧種
第十九話 パーティー
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ポチは突然予期せぬことを言い出す。
「麗華もそろそろパーティーを組んで戦った方がいいかな?」
「パーティーって何?」
「数名で一緒に戦うことだよ」
今までにない展開に私はきょとんとした。
「パーティーを組むといいことがあるの?」
「例えば4人のパーティを組んだとして、もし麗華だけが弱くても後の3人が強かったら何もしてなくても勝つことができるんだ」
「え? それって物凄く楽できるんじゃない?」
「そうだよ。しかもレベルがぐんぐんと上がる」
「どうしてそんなこと早く言わないのよ!」
これで楽してレベルが上がるかも。やったね。
「じゃあ、早速パーテイーになってくれる人達を捜そう」
「どうやって捜すの?」
「酒場に行けばパーティー募集の掲示板があるんだ」
「ええー。私まだ未成年だよ」
「未成年だからって入店拒否はしないから大丈夫だよ」
「でも、何か怖そう。筋肉マッチョな男の人達ばかりがいるんでしょ?」
「そんなことはないさ。女性だって結構いるよ」
「でも、そんなお店は行ったことないし」
「パーティーは組まなくていいのかい?」
「行く!」
こうして酒場デビューを果たした私なのだが、店の中は意外と明るかった。筋肉マッチョさんは意外と少なく綺麗な女性も多かった。
「いらっしゃいませ。何になさいますか?」
「ええっと、お水を一つ」
「水はメニューにないよ」
机の下からポチの声がする。
「オ、オレンジジュースをください」
「はい、かしこまりました」
店員がメニューを持って帰って行くと、私は頭を抱えて落ち込んだ。
「どうしたんだい? オレンジジュースは好きじゃなかったのかい?」
「大好きだよ」
「じゃあ、どうして頭を抱えているんだい?」
「別にいいじゃない」
ああ、酒屋に一人で来てオレンジジュースを頼んでしまったよー。ポチは人数に入らないよね? 店員さんは私一人だと思ったよね。何か恥ずかしい。
私は落ち込んでいると店員がオレンジジュースを持ってやって来た。
「オレンジジュースです」
「あ、ありがとうございます」
私はオレンジジュースを一口飲んでみた。ん? これ美味しい! 私が今まで飲んだ飲み物の中で一番美味しいかも? 恐らく従兄弟の結婚式で飲んだ果汁百パーセントのメロンジュースより美味しい! 私は思わずオレンジジュースを一気に飲み干してしまった。そしてまた何気に落ち込む。酒場で出された飲み物を一気に飲み干す人なんていないよね? 何か飢えてるみたいで恥ずかしいよ。
「さっきから喜怒哀楽が激しいね」
「ほっといてよ」
「さあ、早速掲示板を見に行こう」
そうだ。私はここにオレンジジュースを飲みに来たんじゃなかったんだ。パーティーを探しに来たんだった。
ポチに案内されてパーティー募集の掲示板を見に行くことにした。掲示板には結構な数の紙が貼られている。書かれているのは現在のメンバーの紹介とどんな人を捜しているか。私のようなレベル3のバニーガールを捜しているパーティーはなさそうだ。それはそうだよね。
「これなんか君にぴったりだ」
「え? そんなのがあったの?」
『若くて可愛い女の子を募集。おじさん達と仲良くモンスター狩りをしよう。ムフフ』
「嫌よ!」
「どうしてだい?」
「最後の『ムフフ』って何なのよ!」
「でも、これくらいしか麗華に合いそうなのはないね」
やっぱり・・・・。世の中そう甘くはないよね。また一人で地道にレベル上げをする日々が来るのね。
その時、見覚えのあるイケメンが掲示板に紙を貼りに来た。もしかして何度かお会いしたイケメンさん?
「あれ? 君もパーティーの募集に来たんだ?』
「は、は、はい。あっいいえ。募集の紙を見に」
思わず緊張してしまった。今日は緊張だらけだよー。
「いいパーティーは見つかった?」
「いいえ、全く。私はレベルが低すぎて無理みたいで」
「そうか。だったら自分たちのパーティーに入るといい。みんな大歓迎してくれるよ」
「ほ、ほ、ほ、ほ、本当ですか!」
「君さえ良かったらだけどね」
「もちろん即オーケーです!」
「じゃあ、決まりだ。これからよろしく頼むよ」
「よっしゃー!!!!!」
店中に響く大声を出した私は今日一番の恥ずかしさを痛感するのであった。
「麗華もそろそろパーティーを組んで戦った方がいいかな?」
「パーティーって何?」
「数名で一緒に戦うことだよ」
今までにない展開に私はきょとんとした。
「パーティーを組むといいことがあるの?」
「例えば4人のパーティを組んだとして、もし麗華だけが弱くても後の3人が強かったら何もしてなくても勝つことができるんだ」
「え? それって物凄く楽できるんじゃない?」
「そうだよ。しかもレベルがぐんぐんと上がる」
「どうしてそんなこと早く言わないのよ!」
これで楽してレベルが上がるかも。やったね。
「じゃあ、早速パーテイーになってくれる人達を捜そう」
「どうやって捜すの?」
「酒場に行けばパーティー募集の掲示板があるんだ」
「ええー。私まだ未成年だよ」
「未成年だからって入店拒否はしないから大丈夫だよ」
「でも、何か怖そう。筋肉マッチョな男の人達ばかりがいるんでしょ?」
「そんなことはないさ。女性だって結構いるよ」
「でも、そんなお店は行ったことないし」
「パーティーは組まなくていいのかい?」
「行く!」
こうして酒場デビューを果たした私なのだが、店の中は意外と明るかった。筋肉マッチョさんは意外と少なく綺麗な女性も多かった。
「いらっしゃいませ。何になさいますか?」
「ええっと、お水を一つ」
「水はメニューにないよ」
机の下からポチの声がする。
「オ、オレンジジュースをください」
「はい、かしこまりました」
店員がメニューを持って帰って行くと、私は頭を抱えて落ち込んだ。
「どうしたんだい? オレンジジュースは好きじゃなかったのかい?」
「大好きだよ」
「じゃあ、どうして頭を抱えているんだい?」
「別にいいじゃない」
ああ、酒屋に一人で来てオレンジジュースを頼んでしまったよー。ポチは人数に入らないよね? 店員さんは私一人だと思ったよね。何か恥ずかしい。
私は落ち込んでいると店員がオレンジジュースを持ってやって来た。
「オレンジジュースです」
「あ、ありがとうございます」
私はオレンジジュースを一口飲んでみた。ん? これ美味しい! 私が今まで飲んだ飲み物の中で一番美味しいかも? 恐らく従兄弟の結婚式で飲んだ果汁百パーセントのメロンジュースより美味しい! 私は思わずオレンジジュースを一気に飲み干してしまった。そしてまた何気に落ち込む。酒場で出された飲み物を一気に飲み干す人なんていないよね? 何か飢えてるみたいで恥ずかしいよ。
「さっきから喜怒哀楽が激しいね」
「ほっといてよ」
「さあ、早速掲示板を見に行こう」
そうだ。私はここにオレンジジュースを飲みに来たんじゃなかったんだ。パーティーを探しに来たんだった。
ポチに案内されてパーティー募集の掲示板を見に行くことにした。掲示板には結構な数の紙が貼られている。書かれているのは現在のメンバーの紹介とどんな人を捜しているか。私のようなレベル3のバニーガールを捜しているパーティーはなさそうだ。それはそうだよね。
「これなんか君にぴったりだ」
「え? そんなのがあったの?」
『若くて可愛い女の子を募集。おじさん達と仲良くモンスター狩りをしよう。ムフフ』
「嫌よ!」
「どうしてだい?」
「最後の『ムフフ』って何なのよ!」
「でも、これくらいしか麗華に合いそうなのはないね」
やっぱり・・・・。世の中そう甘くはないよね。また一人で地道にレベル上げをする日々が来るのね。
その時、見覚えのあるイケメンが掲示板に紙を貼りに来た。もしかして何度かお会いしたイケメンさん?
「あれ? 君もパーティーの募集に来たんだ?』
「は、は、はい。あっいいえ。募集の紙を見に」
思わず緊張してしまった。今日は緊張だらけだよー。
「いいパーティーは見つかった?」
「いいえ、全く。私はレベルが低すぎて無理みたいで」
「そうか。だったら自分たちのパーティーに入るといい。みんな大歓迎してくれるよ」
「ほ、ほ、ほ、ほ、本当ですか!」
「君さえ良かったらだけどね」
「もちろん即オーケーです!」
「じゃあ、決まりだ。これからよろしく頼むよ」
「よっしゃー!!!!!」
店中に響く大声を出した私は今日一番の恥ずかしさを痛感するのであった。
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