どうして、ただの女子高生が魔王と戦うことになるわけ!?

小松広和

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第二章 旅立ち

第二十四話 年齢

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 翌日、元気いっぱいのみんなと違って私は暗い一日をスタートさせていた。
「今日はいい天気ね」 
「そうだな」
いつも可愛いアイラといつもエネルギッシュなサラが普通の会話をしている。

「麗華もそう思うだろ?」
「はあ、まあ」
「どうしたんだ? 気のない返事をして?」
「ごめんなさいサラさん。そんなつもりは」
私は慌てて取り繕う。妙な寝不足がいけないのかな?

「麗華は失恋したのさ。あああああを男だと思ってたんだ」
「もう、ポチったら何を言ってるのかしらっと」
私はポチを持ち上げると全力全身で空へ向かって放り投げた。恐らく980mは飛んだと思う。これは新記録である。

「へえ、失恋したの?」
こういう話題にはアイラさんがいち早く食いついてくる。
「おや? 顔が赤くなったわね。もしかして初恋なの?」
「ち、違います!」
「へえ、違うんだ? 今までどんな恋をしたの? 教えてよ」
「初恋です」

「初恋の相手が女性だったのですか? お気の毒に」
クレアがクスクス笑いながら言った。もう、なんか恥ずかしすぎだよー。
「麗華っていくつなんだ?」
「16歳です」
「16で初恋か。なかなか奥手だよね」
「じゃあ、アイラさんは恋をしたことがあるんですか?」
少しむっとした私は思わず反抗してしまった。

「あるよ。10人ほどと付き合ったかな?」
「ええー! 10人も!」
「何でそんなに驚くの!」
「ははは、アイラはモテるからな」
勇者様が大笑いをしている。どう見たって男だよ。

 でも、10人は多いよ。毎年一人ずつ付き合っても10年はかかるじゃない。
「アイラさん、初恋はいつですか?」
「10歳の時だったかな」
早い! もしかして世間一般的にはそうでもないのかもしれないけど私的には早いよ。でも、10歳の時から10人だと20歳になるよ。アイラさんはどう見ても年下だから一年に何人も付き合ってるってこと?
 
「アイラさん何歳なんですか?」
「女性に年を聞くなんていい度胸してるわね」
「さっき私の年を聞いたじゃないですか?」
「冗談だよ冗談。私は今年で20歳だよ」
「ええー!」
「何驚いてるの?」
「もっと若いと思ってました」

 まさか4歳も年上なの? 何か信じられない。どちらかと言えば童顔だし、背も高くないし、ロリコン男性にもてそうなキャラだし。
「因みに私は18歳です」
「ええー! クレアさんてアイラさんより年下なんですかー!?」
「どういう意味よ?」
アイラさんが不服そうな顔をしているけど仕方ないよね。どう見たってクレアさんの方がしっかりしてるんだもの。

「私は17歳だ」
「サラさんが一番若いんですね?」
「ああ、君に抜かれちゃったけどね」
「そうだ。あああああさんはおいくつなんですか?」
「24歳だ。そろそろ結婚適齢期だな。いい嫁でも探すよ」
私以外の全員が大笑いした。もう誰だって間違えることはあるわよ。それは男性と女性を間違えるのはレアなケースだけど。

「じゃあ、あああああさんが一番年上なんですね?」
「いや僕が一番年上だね」
「ポチ、もう帰ってきたの?」
「これくらいの距離なら楽勝さ」
もっと腕力を鍛えなきゃ。

「ところでポチが一番年上ってどういうこと?」
「僕は今年で1235歳になるんだ」
「どういうこと? 猫の寿命ってよく生きても20年くらいじゃないの?」
「僕は猫じゃなくてガイダーだからね。物理的に命を落とさない限り何年だって生きられるよ」
ポチがこんな奇々怪々な存在だったなんて知らなかったわ。

「ところでみんなに相談があるんだ」
「どうしたの?」
「さっき麗華に投げられた時、昼寝中のギガモンスターに当たったんだ。どうやら怒らせてしまったようでこちらに突進してきている。なんとしてくれないかい?」
物凄い勢いでドラゴンがこっちに向かってくるのが見えた。

「ダメだ。ギガモンスターは強すぎる。逃げよう!」
私達は一斉に走り出した。この強いパーティーのみんなが必死で逃げるのを見て、私はもうポチを投げるのは止めようと深く反省するのだった。
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