告白作戦っ!

小松広和

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第10話 作戦成功?

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 紗椰ちゃんが少女マンガチック作戦の詳細を話し始めた。
「作戦決行は明日の2限後。その時間、野乃葉は遥香ちゃんを捕まえて話をしてて」
「それじゃあ~、結果が見れないよ~」
「後で詳しく説明してあげるから」
「もう、仕方ないな~」
野乃葉ちゃんは仕方なくOKをした。

 こうして沙耶ちゃんの強引な作戦が決行されることとなったけど大丈夫だよね? でも~うまくいけば草壁君におんぶしてもらえるからいいっか。

 そして翌日。
 私は2限目が終わると急いで3階の廊下に向かった。草壁君が通る前にスタンバイしておかないといけないのだ。

 私が到着すると沙耶ちゃんはもう来ていた。
「私は教室の入り口付近に立って草壁君が出てきたら合図するから、柚衣は私の合図を見たら走ってきて」
「分かった! 全力でぶつかる!」
とにかく草壁君を倒さないと嘘を付かなくてはいけない。嘘がばれたらきっと嫌われる。倒さないと私の未来は真っ暗! 天国か地獄か。まさに死ぬか生きるかの世界ね。何が何でも草壁君を倒すわ! 何か決闘マンガっぽくなってきてない?
 
 ところで『草壁君に手を差し伸べたくらいで好きになってくれるの?』と核心をついた疑問が頭をよぎるが、今はそんなことを考えている場合じゃない。やるしかないのよ柚衣!!

 私は廊下の曲がり角に姿を隠して沙耶ちゃんを見つめた。待つこと数分。沙耶ちゃんの手が大きく振られる。それを確認した私は勢いよく走り出す。後は野となれ山となれ! 今は全力でぶつかるのみ!

「ストップ! ストップ!」
沙耶ちゃんが大きな声で言うが今の私には何も聞こえない。
 ドシン!!
 私は大きく飛ばされ地面にうつ伏せにこけた。ちょっとかっこ悪いかも?

「痛っ!」
男子の声がする。どうやらうまくぶつかったみたい!

「おい、大丈夫か?」
優しい声が私に向けられる。ああ、草壁君て何て優しい声なんだろう。
「起きられるか? 俺の手につかまれ」
草壁君の手が私に向けられている! 嬉しすぎて顔が見られないよ!  でもせっかく手を出してくれているのだからいつまでも下を向いてちゃ失礼だよね?

 私はそっと目を開け草壁君を見た。
「あれ? 琉生?」
「何だ、柚衣じゃねえか」
「何であんたが私に声をかけてくるの?」
「おまえがぶつかってきてこけたからじゃねえか」
え? じゃあ、ぶつかったのは草壁君じゃなかったの?  ああ、私の感動を返せ~!

 私はがっかりして俯く。
「ちょっと柚衣。早く戻って再挑戦だ!」
沙耶ちゃんがやってきて言った。
「お前ら何やってるんだ?」
「何でもいいじゃん。あなたは早く美術室に行って!」
そう言うと私は琉生の背中を押した。

「草壁君は?」
「教室で何か書いてる。さっき中園君と教室を出かかったんだけど戻っていったの」
「分かった。もう一度スタンバイするね」
私は再び廊下の曲がり角に戻った。

 そういや、琉生と草壁君て同じクラスだっけ。今度、琉生に草壁君のこと聞いてみようかな? 毎日どんな話をしてるんだろう。

「柚衣~!」
沙耶ちゃんの大きな声が聞こえる。ふと顔を上げると沙耶ちゃんが大きく手を振っていた。さっきは私の方がこけちゃったから今度はもっと強くぶつからないとね!

 私は慌てて草壁君に向かって走り出す。

 ドシン!! そして私は再びうつ伏せにこける。やっぱり女の体力では男子をこかすなんて無理なのかな?

 さっきより随分強く当たった気はしたけど。でも『大丈夫?』という優しい声は聞こえない。もしかして草壁君もこけたのかな? だったら早く起き上がって手を差し伸べなければ。私は急いで起き上がり草壁君を探した。あれいない?

「おい、誰か飛んできたぞ!!」
「大丈夫か?」
「ダメだ。完全に気を失っている!」
「早く保健室に」
「いや、救急車を呼んだ方がいいぞ!」
という男子たちの声が聞こえてくる。

『まさかね・・・・?』と思う私の横を草壁君が担架に乗って運ばれていった。完全に固まってしまった私は声をかけることすらできない。なんでこうなるのよ!

 気が動転している私は沙耶ちゃんになだめられ、ようやく落ち着きを戻すのだった。
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