落ちこぼれ魔女のリーサとラスボスのミーニャ

小松広和

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第3章 仲良し3人組

第90話 フォアグラを調理したい

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 私は大変悩んでいます。せっかくフォアグラを出す魔法を覚えたのに調理の仕方が分からないのです。どこかでレシピを手に入れればいいんでしょうけど、異世界に料理本なんてあるのでしょうか? そう言えば異世界転生してから本屋という物を見たことがありません。本はありますよね? 仕方ありません。教えて貰うことにします。

「ナナカさんは料理が得意ですよね? フォアグラの調理法を教えてください」
「そんな高級料理の調理法なんて知らないわよ」
なるほど。フォアグラですもんね。

「ミーニャさんは料理できないと思いますが」
「いっぺん死んでみるか?」
「お城の調理人さんにフォアグラの調理方法を聞いてくれませんか?」
「ダメだ。城の使用人が来ると旅感が薄れる」
これは困りました。自力で調理法を見つけなくてはいけないようです。本屋か図書館でもあればいいのですが。

「今日はこの町に泊まろう」
割と大きな町ですね。この町なら本屋か図書館があるかも知れません。私は宿に荷物を置くと町中を探してまわりました。ないですね。
「キュピキュピ」
クロシッポが何かを伝えています。あまり顔を出すと町の人に見つかってしまいますよ。

 あ! ありました。本屋さんです。早速行ってみましょう。
「へい、いらっしゃい」
本当にここは本屋でしょうか?
「今日は活きのいい本が入ってますよ」
本て生きてましたっけ?

「あのう、料理のレシピ本が欲しいのですが」
「ああ、料理本ね。右奥にいますよ」
「ありがとうございます」
ん? いますよ? 気になるワードを言われてしまいました。

 ええ~っと。右隅ですよね? ありました。料理本です。『誰にでもできる家庭料理』これは絶対に違いますよね? 『おいしいフォアグラの調理法』これです。でもこんなピンポイントの本てあるんですね。

 早速見てみましょう。できれば写真入りで見やすい方が嬉しいです。あれ? 開きませんね。ガブッ!
「キャー!」
今、本に噛みつかれましたよ。そんなバカな。
「お前にはこの調理は無理だ。諦めな」
本が喋りました! どういうことでしょうか?

「店員さん。今、本に噛みつかれて本が喋ったんですけど!」
「それがどうかしましたか?」
「え? それがどうかって・・・・」
そうですね。ここは異世界ですもんね。魔法が使える世界ですもんね。本に噛みつかれても不思議じゃないですよね。

 私は本を購入するのを諦めて宿に戻ることにしました。フォアグラ食べたかったです。
「ははは、それは魔法本の店に行ったな」
「魔法本ですか?」
「そうだ。この世界には普通の本と魔法本がある。魔法本は話すし動くのだ」
何と言うことでしょう。『お前にはこの調理は無理だ。諦めな』と言われたことは話さないでおきましょう。私のプライドが許しませんから。

「普通の本屋はないのでしょうか?」
「さあな? 最近は魔法本の方が主流になってるからな」
普通の本は希少価値があるのですね。諦めましょう。そうだ。
「ミーニャさんってスマホを持ってましたよね?」
「これか?」
スマホでググればいいんですよね。

「ちょっと貸してください」
「まあいいが一応個人情報もあるし」
「どうせ男の電話番号なんて入ってないじゃないですか」
「いっぺん死んでみるか? 死にたいんだよな?」

「あれ? このスマホってネットに繋がらないのですか?」
「ネット? そんな物が異世界にあると思うか?」
ガーン! 何て使えないスマホでしょう。これでは初期のガラケーじゃないですか!

 諦めましょう。城に戻ったら調理人さんに調理して貰うことにします。どれだけ先になることか。
「料理ができました。食堂にお越しください」
食堂に行くと料理はなく皿だけが並べられています。

「まずは前菜でございます」
まさかのコース料理ですか? しかも美味しい。旅先の宿でこのような料理が食べられるとは。もしかして! ここのコックさんならフォアグラの調理法を知っているのでは?

「すみません。この宿のコックさんに聞きたいことがあるんですけど」
「では呼んできます」
やりましたー! これで全てOKです。

「何でございましょうか?」
おー! 高いコック帽を被っています。この人なら絶対フォアグラを調理できると私は確信しました。
「フォアグラの調理方法を教えてください」
私は目を輝かせコックさんを見つめます。
「・・・・フォアグラって何ですか?」
そうですよね。ここは異世界。フォアグラを知っている人の方が少ないんですよね。こうしてまたまたお預けを食らう私なのでした。
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