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第2章 新たな敵を倒せ
第37話 私って純粋なキャラですよね?
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私たち3人はミーニャさんの瞬間移動で宇宙空間から地上にやって来ました。勿論ここは魔王城です。それはそうですよね。他の場所に行くわけがありません。微かな希望が見事に消え去りました。
「ラスボス様が戻られたぞ!」
魔王城は大騒ぎです。そして私たちはミーニャさんを先頭に城の中へと入っていきます。
「ラスボス様、ご無事で何よりです」
「ほう、私の無事を祝ってくれるのか?」
「勿論でございます」
私たちが大魔王の間に入ると、いつもより豪華な椅子が用意されました。金ぴかです。
「レッドキングよ。少しだけ聞きたいことがある」
「は、何でございましょうか?」
「私に続いて敵のアジトにやって来いと言ったのだが・・・・」
「申し訳ありませんでした!!!」
ミーニャさんは両腕を組んで余裕の笑みでモンスターさんを睨んでいます。
「言い訳を聞いてやろう。簡潔に述べよ」
「我々モンスターは科学的なことに疎く、どうなるのか理解できず・・・・」
「私は簡潔にと言ったのだ」
「申し訳ありませんでした」
何とこの部屋にいる全モンスターが深々と土下座をし始めました。ミーニャさんて本当にラスボスだったのですね。
「ちょっと、これってどうなってるの?」
この雰囲気を見たナナカさんが私の耳元で囁きました。
「ミーニャさんは異世界を牛耳るラスボスですので」
こう答えた私は改めて自分の運命を嘆くのでした。どうして私はミーニャさんと出会ってしまったのでしょう。
「それでジーニアスドラゴンはどうした?」
「それが逃亡中でして所在がわかりません」
「今すぐ探せ! もし探せなかったらお前の存在が消えるだけだ」
「は!」
ミーニャさんと話していたモンスターさんが光速で部屋から出て行きました。『高速』でなく『光速』と表現されているところにモンスターさんの必死さが滲み出ています。
「お前たちもだ!」
「はい!」
一瞬でこの部屋にいたたくさんのモンスターがいなくなってしまいました。ミーニャさん、凄すぎます。
「おい、ナナカとやら。お前もここで暮らすのだ」
「どうしてこんな所で暮らさなきゃいけないのよ」
「こんな所だと?」
私は慌ててナナカさんの腕を引っ張って耳元で囁きます。
「今の光景を見てなかったのですか?」
「見てたわよ。それがどうしたの?」
「消されてもいいのですか? お願いですからミーニャさんを怒らせないでください。私はまだフォアグラを食べたことがないんです。キャビアもトリュフも食べたことがないんです。世界三大珍味を食べずして消されるわけにはいかないんです」
「よくわかんないけど、わかったわよ」
目に大量の涙を浮かべて説得した甲斐がありました。それにしてもナナカさんは度胸満点です。最初に出会った時の印象から随分変わってしまいましたが、まさかこちらが本当のナナカさんじゃないですよね?
「仕方ないから一緒に暮らしてあげるわ」
「おい!」
思わず柄にもないツッコミをいれてしまいました。ミーニャさんがきょとんとした顔で私を見ています。
「ミーニャさん。私たちって消されますか?」
「そうだな~」
ミーニャさんが意地悪そうな笑みを浮かべて私たちを見ています。
「だったらお願いがあります」
「何だ言って見ろ」
「フォアグラが食べたいです」
「は?」
私はミーニャさんの手を握って目に大量の涙を浮かべて見つめました。
「え? え?」
ミーニャさんの様子が変わりました。どうしたのでしょうか?
「お願いします。フォアグラがダメならキャビアでもいいんです」
私はミーニャさんの手を更に強い力で握りました。
「あ、あのう」
「世界三大珍味を食べないと死んでも死にきれません」
「わかった。わかったから・・・・」
ミーニャさんは私から視線をそらし、顔を赤らめながらぼそりと言いました。
「ありがとうございます。これで思い残すことはありません」
私は喜びのあまり思わずミーニャさんに抱きつきました。
「リーサ。そんなにも私のことが好きなのか?」
え? そんなつもりは・・・・。でも待ってくださいよ。これって大チャンスなのでは?
「勿論です。またこの城で大好きなミーニャさんと暮らせるなんて思ってもいませんでした。こんな幸福はありません。でも消されるんですよね・・・・」
ちらっと上目遣いでミーニャさんを見つめます。
「わかった。私を愛してくれているお前を消したりはしないぞ」
「本当ですか! 嬉しいです」
私ってこんな性格じゃなかったですよね?
「だがこの女は消すことにしよう」
ミーニャさんはナナカさんを指さしました。
「私は約束を破る人は嫌いです」
床を見つめながら小さな声で言ってみました。
「がーん! 嫌い・・・・嫌い・・・・嫌い・・・・」
ショックを受けたように口を開けるミーニャさん。もう一押しです。
「ミーニャさんを信じていましたのに・・・・」
「わかった。もう暫くだけこいつの様子を覗うことにしよう」
やりましたー! でも人の心を利用するこの性格はやばすぎです。私って絶対に純粋なキャラですよね。いくら生きるためとは言えどうしてこうなってしまったのでしょうか? 私は人知れずひっそりと落ち込むのでした。
「ラスボス様が戻られたぞ!」
魔王城は大騒ぎです。そして私たちはミーニャさんを先頭に城の中へと入っていきます。
「ラスボス様、ご無事で何よりです」
「ほう、私の無事を祝ってくれるのか?」
「勿論でございます」
私たちが大魔王の間に入ると、いつもより豪華な椅子が用意されました。金ぴかです。
「レッドキングよ。少しだけ聞きたいことがある」
「は、何でございましょうか?」
「私に続いて敵のアジトにやって来いと言ったのだが・・・・」
「申し訳ありませんでした!!!」
ミーニャさんは両腕を組んで余裕の笑みでモンスターさんを睨んでいます。
「言い訳を聞いてやろう。簡潔に述べよ」
「我々モンスターは科学的なことに疎く、どうなるのか理解できず・・・・」
「私は簡潔にと言ったのだ」
「申し訳ありませんでした」
何とこの部屋にいる全モンスターが深々と土下座をし始めました。ミーニャさんて本当にラスボスだったのですね。
「ちょっと、これってどうなってるの?」
この雰囲気を見たナナカさんが私の耳元で囁きました。
「ミーニャさんは異世界を牛耳るラスボスですので」
こう答えた私は改めて自分の運命を嘆くのでした。どうして私はミーニャさんと出会ってしまったのでしょう。
「それでジーニアスドラゴンはどうした?」
「それが逃亡中でして所在がわかりません」
「今すぐ探せ! もし探せなかったらお前の存在が消えるだけだ」
「は!」
ミーニャさんと話していたモンスターさんが光速で部屋から出て行きました。『高速』でなく『光速』と表現されているところにモンスターさんの必死さが滲み出ています。
「お前たちもだ!」
「はい!」
一瞬でこの部屋にいたたくさんのモンスターがいなくなってしまいました。ミーニャさん、凄すぎます。
「おい、ナナカとやら。お前もここで暮らすのだ」
「どうしてこんな所で暮らさなきゃいけないのよ」
「こんな所だと?」
私は慌ててナナカさんの腕を引っ張って耳元で囁きます。
「今の光景を見てなかったのですか?」
「見てたわよ。それがどうしたの?」
「消されてもいいのですか? お願いですからミーニャさんを怒らせないでください。私はまだフォアグラを食べたことがないんです。キャビアもトリュフも食べたことがないんです。世界三大珍味を食べずして消されるわけにはいかないんです」
「よくわかんないけど、わかったわよ」
目に大量の涙を浮かべて説得した甲斐がありました。それにしてもナナカさんは度胸満点です。最初に出会った時の印象から随分変わってしまいましたが、まさかこちらが本当のナナカさんじゃないですよね?
「仕方ないから一緒に暮らしてあげるわ」
「おい!」
思わず柄にもないツッコミをいれてしまいました。ミーニャさんがきょとんとした顔で私を見ています。
「ミーニャさん。私たちって消されますか?」
「そうだな~」
ミーニャさんが意地悪そうな笑みを浮かべて私たちを見ています。
「だったらお願いがあります」
「何だ言って見ろ」
「フォアグラが食べたいです」
「は?」
私はミーニャさんの手を握って目に大量の涙を浮かべて見つめました。
「え? え?」
ミーニャさんの様子が変わりました。どうしたのでしょうか?
「お願いします。フォアグラがダメならキャビアでもいいんです」
私はミーニャさんの手を更に強い力で握りました。
「あ、あのう」
「世界三大珍味を食べないと死んでも死にきれません」
「わかった。わかったから・・・・」
ミーニャさんは私から視線をそらし、顔を赤らめながらぼそりと言いました。
「ありがとうございます。これで思い残すことはありません」
私は喜びのあまり思わずミーニャさんに抱きつきました。
「リーサ。そんなにも私のことが好きなのか?」
え? そんなつもりは・・・・。でも待ってくださいよ。これって大チャンスなのでは?
「勿論です。またこの城で大好きなミーニャさんと暮らせるなんて思ってもいませんでした。こんな幸福はありません。でも消されるんですよね・・・・」
ちらっと上目遣いでミーニャさんを見つめます。
「わかった。私を愛してくれているお前を消したりはしないぞ」
「本当ですか! 嬉しいです」
私ってこんな性格じゃなかったですよね?
「だがこの女は消すことにしよう」
ミーニャさんはナナカさんを指さしました。
「私は約束を破る人は嫌いです」
床を見つめながら小さな声で言ってみました。
「がーん! 嫌い・・・・嫌い・・・・嫌い・・・・」
ショックを受けたように口を開けるミーニャさん。もう一押しです。
「ミーニャさんを信じていましたのに・・・・」
「わかった。もう暫くだけこいつの様子を覗うことにしよう」
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