5 / 109
第五話 闇取引
しおりを挟む
やばい人と出会ってしまった。
その男は人がいないのを確認すると、そっと私に近付き、
「この路地の突き当たりに『ダークネス』という喫茶店がある。そこのマスターにこの合言葉を言うんだ」
と言い、一枚の紙切れを渡して去って行った。
「何なのよ、いきなり」
「きっと闇取引だよ」
「闇取引?」
「この合言葉を言ったら白い粉が出てくるんだよ」
「白い粉? 芽依、何言ってるの?」
「芽依ちゃんダメよ。純粋な異世界人に変なこと教えちゃ」
「何なの? はっきり言いなさいよ!」
訳がわからないわ。何でたかが粉を闇取引しなきゃならないのよ。
「でも、どうして私のところへ言いに来るわけ?」
「裏の人に見えたんじゃない?」
「どうして私が裏の存在なのよ!」
「きっと腹黒いのが滲み出てたのね」
この旅が終わったら小百合は死刑決定ね。誰に止められても絶対に執行してやるんだから。
「まあ、闇取引は社会を汚す存在には違いなさそうね」
「そ、そうよね!! 早速乗り込むわよ」
私は颯爽と歩き始めたが、後ろを見ると誰も付いてこない。
「何で付いてこないのよ!」
「どう考えても危険じゃない」
小百合はあっさりと答えた。
「危険と分かっていてお姫様一人で行かせるわけ!?」
「あなたなら大丈夫よ」
「え?」
小百合にしては珍しいわね。私の強さを認めるなんて。
「もしものことがあったら、お姉さんが王位を継承すればいいだけなんだから」
「そういう意味かーい!」
私は小百合の腕を掴むと、
「死なば諸共よ」
と言って、喫茶店へと引きずっていった。
「いらっしゃい」
マスターらしき人がこちらを見て笑顔で挨拶する。とても爽やかな人だ。
「あなたがマスター?」
「そうですが。何になさいますか?」
私はメモを見て、そこに書かれている文字を読む。
「『私の肌はサメより硬い』って何なのよこれ!」
私は思わずメモを叩きつけた。
「こちらへ」
表情が一変したマスターは私たちを奥の部屋へと案内した。
「どれがいいんだ?」
マスターは箱を私の前に置いて言った。箱には生写真がびっしりと詰まっている。
「何よこれ?」
「城の人々の生写真だ。裏に値段が書いてある。好きなのを選びな」
女王様750000、ベチャシッコ様598000、ホワイティー98000、ソフィーナ85000、アンジェリカ56800、ベチャ〇ンチ172。
「何で私だけ桁が違うのよ! あなた達、こんな写真売ってただですむと思ってるの!?」
「しまった! 罠か!」
マスターが合図するとマッチョな男達が数名出てきた。
「私を誰だと思ってるの?」
私が身分を明かそうとすると四郎がそれを止める。
「政治に全く関係ないならず者に身分を明かしても効果ないんじゃないか?」
「どうしてよ?」
「それに次期国王が無防備な状態でいるのよ。かえって危なくない?」
小百合まで何言ってるの? 私の権力は絶対なんだから。
「無礼者。私を誰だと思っているの? 次期国王ピピプル・クレタ・ビチャ・ウン○よ。頭が高い! 控えおろう」
「ははー。ご無礼をお許しください」
「効果あるんかい!」
悪の巣窟を絶滅させた私は世の中の常識を改善すべく新たな世直しの旅へと出かけるのであった。
何で私が一番安いのよ・・・・
その男は人がいないのを確認すると、そっと私に近付き、
「この路地の突き当たりに『ダークネス』という喫茶店がある。そこのマスターにこの合言葉を言うんだ」
と言い、一枚の紙切れを渡して去って行った。
「何なのよ、いきなり」
「きっと闇取引だよ」
「闇取引?」
「この合言葉を言ったら白い粉が出てくるんだよ」
「白い粉? 芽依、何言ってるの?」
「芽依ちゃんダメよ。純粋な異世界人に変なこと教えちゃ」
「何なの? はっきり言いなさいよ!」
訳がわからないわ。何でたかが粉を闇取引しなきゃならないのよ。
「でも、どうして私のところへ言いに来るわけ?」
「裏の人に見えたんじゃない?」
「どうして私が裏の存在なのよ!」
「きっと腹黒いのが滲み出てたのね」
この旅が終わったら小百合は死刑決定ね。誰に止められても絶対に執行してやるんだから。
「まあ、闇取引は社会を汚す存在には違いなさそうね」
「そ、そうよね!! 早速乗り込むわよ」
私は颯爽と歩き始めたが、後ろを見ると誰も付いてこない。
「何で付いてこないのよ!」
「どう考えても危険じゃない」
小百合はあっさりと答えた。
「危険と分かっていてお姫様一人で行かせるわけ!?」
「あなたなら大丈夫よ」
「え?」
小百合にしては珍しいわね。私の強さを認めるなんて。
「もしものことがあったら、お姉さんが王位を継承すればいいだけなんだから」
「そういう意味かーい!」
私は小百合の腕を掴むと、
「死なば諸共よ」
と言って、喫茶店へと引きずっていった。
「いらっしゃい」
マスターらしき人がこちらを見て笑顔で挨拶する。とても爽やかな人だ。
「あなたがマスター?」
「そうですが。何になさいますか?」
私はメモを見て、そこに書かれている文字を読む。
「『私の肌はサメより硬い』って何なのよこれ!」
私は思わずメモを叩きつけた。
「こちらへ」
表情が一変したマスターは私たちを奥の部屋へと案内した。
「どれがいいんだ?」
マスターは箱を私の前に置いて言った。箱には生写真がびっしりと詰まっている。
「何よこれ?」
「城の人々の生写真だ。裏に値段が書いてある。好きなのを選びな」
女王様750000、ベチャシッコ様598000、ホワイティー98000、ソフィーナ85000、アンジェリカ56800、ベチャ〇ンチ172。
「何で私だけ桁が違うのよ! あなた達、こんな写真売ってただですむと思ってるの!?」
「しまった! 罠か!」
マスターが合図するとマッチョな男達が数名出てきた。
「私を誰だと思ってるの?」
私が身分を明かそうとすると四郎がそれを止める。
「政治に全く関係ないならず者に身分を明かしても効果ないんじゃないか?」
「どうしてよ?」
「それに次期国王が無防備な状態でいるのよ。かえって危なくない?」
小百合まで何言ってるの? 私の権力は絶対なんだから。
「無礼者。私を誰だと思っているの? 次期国王ピピプル・クレタ・ビチャ・ウン○よ。頭が高い! 控えおろう」
「ははー。ご無礼をお許しください」
「効果あるんかい!」
悪の巣窟を絶滅させた私は世の中の常識を改善すべく新たな世直しの旅へと出かけるのであった。
何で私が一番安いのよ・・・・
2
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる