控えなさい! 私はマリーよ!

小松広和

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第六話 未来型都市

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 私たちがやって来た街はとてつもなく文明が発達していた。
「すごいわねぇ。東京やニューヨークより発達してるんじゃない?」
「まさしく未来の世界だよー」
「ここはいち早く表の世界の文明を取り入れた街よ。私も初めて来たけど、これほど近代化が進んでいるとは思わなかったわ」

 街には高層ビルが立ち並び、ビルからビルは透明な筒状の道路で結ばれている。レストランに入るとロボットが注文を取りに来た。まさしく未来の一面を見ているようだ。
「わざわざ注文を聞きに来なくてもタッチパネルでいいんじゃないかな?」
「何よ、タッチパネルって?」
四郎は時々訳のわからないことを言う。もしかして私達って日本文化を熟知していないのかしら?
 
 出てきた料理はどれも絶品だった。
「美味しいわねえ」
これはレストランのシェフを褒めておくべきよね。今後のやる気にも繋がるはずよ。
 私は注文ロボットを呼んだ。
「どれも美味しかったわ。シェフを呼んでちょうだい。褒めてあげるわ」
「?????」
「ああ、シェフがわからないのね。この料理を作った人のことよ」

 それを聞いた注文ロボットは厨房へと入って行くと電子レンジを持って帰ってきた。
「冷凍食品だったんかーい!」

 食事を終えた私たちが外に出ると街はすっかり暗闇に包まれていた。全ての高層ビルはイルミネーションが輝いて幻想的な光景を演出している。
「うわー、素敵だわ」
「気に入らないわね」
「どうしてよ。とても綺麗じゃない?」
「ダメよ。これじゃ異世界感ゼロよ。明日、市長に文句を言ってやるわ」
「ここは領主じゃなくて市長なんだ?」
「この国の支配形態は基本自由よ。要するに税さえ取れればいいのよ」
 「何かあなたが鬼に見えるわ」

 翌朝、私たちは市庁舎へと乗り込んでいった。当然ガードマンを振り切りながらであるから、大騒ぎになっているのは言うまでもない。
「お前達は何者だ」
当然の質問が私たちに浴びせられる。
「私は次期国王のピピプル・クレタ・ビチャ・ウ○チよ。頭が高いわ。四郎、証拠を見せてあげなさい」
四郎は鞄の底をゴソゴソと捜して王家の紋章を見つけて市長達に見せる。

 何かダサいわね。
「た、大変なご無礼いたしまして申し訳ありませんでした」
と、当然のように土下座する市長達。
「まさかピピプル・クレタ・ビチャ・シッコ様がこのような地にお越しになっているとはご存じあげませんでして」
「それはお姉ちゃんよ!」
と、当然の展開になる。

「この街は文明が大変発達して素晴らしいわ」
「ありがとうございます」
「でも、不満があるの」
「と申しますと?」
「これだけ発達すると異世界間がゼロよ。改善しなさい」
「改善ですか?」
「そう、改善よ」
「具体的にはどのようにすればよろしいでしょうか」
「あの高層ビルの壁を木の皮にして大木に見えるようにしなさい。レストランのロボットもからくり人形にするといいわ」
「ええー!」
こうして一つの都市が間違った方向に発展していくのであった。
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