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第十六話 惚れ魔術
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黒の国で一番大きな図書館があるという町にやってきた。図書館と言っても紙媒体の本は一冊も存在しない。全てデータによる書物となっているため、図書館の中は大きな広間に机と椅子並んでいるだけである。そこに座りボタンを押し、読みたい本を念ずると立体映像が目の前に現れるようになっている。
「マリー、もう行きましょう」
「もうちょとだけ」
「あなたはいいだろうけど、私達は異世界文字が読めないからここにいても退屈なの」
「あと少し」
「マリーがこんなに読書好きだとは知らなかったわ」
「それにしても夢中で読んでるな。何を読んでるんだ?」
四郎が話しかけても聞こえない。
「なんか嫌な予感がするわね」
「芽依も良くないことが起きる気がするよ」
私がようやく本を読み終えると外は真っ暗になっていた。私達は図書館から一番近い宿を見つけ、とりあえずそこに泊まることにした。
そして就寝前の一時。私は四郎に話しかけた。
「ねえ四郎。私を見て」
「どうしたんだ?」
「いいから。私から目を離さないでよ」
私は両手を胸の前に当て、指でハートの形を作り呪文を唱えると、突然、四郎はその場で倒れた。
「ちょっと何したのよ!」
「何でもないわ」
「だって四郎君が倒れたのよ!」
「そうだよ。お兄ちゃんに何かしたでしょ!」
私達が怒鳴り合っていると四郎がそっと起き上がってきた。
「大丈夫なの?」
小百合が心配そうに聞く。
「ああ、大丈夫だ」
「四郎。気分はどう?」
「ああ、最高だ」
四郎は私を熱い眼差しで見つめている。やったぁ! 成功だわ。
「さあて、今日の部屋割りだけど、今までは三人と一人にしてたけど、今日からは二人と二人にしようと思うの」
「どういう意味?」
「あなたと芽依、そして私と四郎よ」
「何言ってるのよ! 仮に二人ずつにするとしても四郎君と一緒の部屋になるのは将来を誓い合った恋人の私じゃなくて?」
「それはダメだよ。私達まだ未成年なんだよ。お兄ちゃんは兄妹である芽依と一緒の部屋になるべきだよ」
「四郎。誰と一緒の部屋になりたいか決めなさい」
「俺はマリーがいい」
私は思わず笑みを浮かべた。惚れ魔術、完璧だわ!
「ちょっと四郎君。何言ってるの?」
「そうだよ。そんなこと言ったらお兄ちゃんの将来真っ暗だよ」
「四郎、この二人が粘って鬱陶しいわ。きっぱりと引導を渡してあげて」
「わかった。俺はマリーと結婚することにした。だから式は挙げなくていなくても、今日から夫婦になる」
「四郎君に何をしたの?」
小百合がドスのきいた声で聞いてきたけどもう手遅れよ。四郎は私に夢中なんだから。
「さあ、もう自分の部屋に行きなさい」
「絶対に嫌よ!」
「四郎、この二人を追い出してちょうだい」
「わかった」
四郎は小百合と芽依を力尽くで部屋のの外に出すとドアに鍵をかけた。
「ちょっと開けなさい!」
部屋の外で誰か叫んでるわね。まあ私には関係のないことだわ。私は四郎を見つめ甘えた声で言った。
「四郎」
「マリー」
「私幸せだわ」
「俺もだ」
私が四郎の首に手を回そうとした時、四郎は突然飛び退いた。
「え? え? 何でマリーがここにいるんだ?」
「あれ? おかしいわね?」
もしかして、この魔術って効果が短いの?
「ねえ、四郎。私のこと好きでしょう?」
私が四郎に近づくと、
「マリー、どうしたんだ? 何か変だぞ!」
と、床を這いながら逃げていく。
ドカン! 小百合と芽依がドアをぶち壊して部屋に飛び込んできた。
「マリー、絶対に許さないわよ!」
四郎は急いで小百合と芽依の背中に隠れた。
「もう、これじゃ逆効果じゃない! 何が絶対に効く惚れ魔術よ!」
この魔術の効果が短いのではなく、自分の魔力が未熟なことが原因だったことには決して気付かないマリーであった。
「マリー、もう行きましょう」
「もうちょとだけ」
「あなたはいいだろうけど、私達は異世界文字が読めないからここにいても退屈なの」
「あと少し」
「マリーがこんなに読書好きだとは知らなかったわ」
「それにしても夢中で読んでるな。何を読んでるんだ?」
四郎が話しかけても聞こえない。
「なんか嫌な予感がするわね」
「芽依も良くないことが起きる気がするよ」
私がようやく本を読み終えると外は真っ暗になっていた。私達は図書館から一番近い宿を見つけ、とりあえずそこに泊まることにした。
そして就寝前の一時。私は四郎に話しかけた。
「ねえ四郎。私を見て」
「どうしたんだ?」
「いいから。私から目を離さないでよ」
私は両手を胸の前に当て、指でハートの形を作り呪文を唱えると、突然、四郎はその場で倒れた。
「ちょっと何したのよ!」
「何でもないわ」
「だって四郎君が倒れたのよ!」
「そうだよ。お兄ちゃんに何かしたでしょ!」
私達が怒鳴り合っていると四郎がそっと起き上がってきた。
「大丈夫なの?」
小百合が心配そうに聞く。
「ああ、大丈夫だ」
「四郎。気分はどう?」
「ああ、最高だ」
四郎は私を熱い眼差しで見つめている。やったぁ! 成功だわ。
「さあて、今日の部屋割りだけど、今までは三人と一人にしてたけど、今日からは二人と二人にしようと思うの」
「どういう意味?」
「あなたと芽依、そして私と四郎よ」
「何言ってるのよ! 仮に二人ずつにするとしても四郎君と一緒の部屋になるのは将来を誓い合った恋人の私じゃなくて?」
「それはダメだよ。私達まだ未成年なんだよ。お兄ちゃんは兄妹である芽依と一緒の部屋になるべきだよ」
「四郎。誰と一緒の部屋になりたいか決めなさい」
「俺はマリーがいい」
私は思わず笑みを浮かべた。惚れ魔術、完璧だわ!
「ちょっと四郎君。何言ってるの?」
「そうだよ。そんなこと言ったらお兄ちゃんの将来真っ暗だよ」
「四郎、この二人が粘って鬱陶しいわ。きっぱりと引導を渡してあげて」
「わかった。俺はマリーと結婚することにした。だから式は挙げなくていなくても、今日から夫婦になる」
「四郎君に何をしたの?」
小百合がドスのきいた声で聞いてきたけどもう手遅れよ。四郎は私に夢中なんだから。
「さあ、もう自分の部屋に行きなさい」
「絶対に嫌よ!」
「四郎、この二人を追い出してちょうだい」
「わかった」
四郎は小百合と芽依を力尽くで部屋のの外に出すとドアに鍵をかけた。
「ちょっと開けなさい!」
部屋の外で誰か叫んでるわね。まあ私には関係のないことだわ。私は四郎を見つめ甘えた声で言った。
「四郎」
「マリー」
「私幸せだわ」
「俺もだ」
私が四郎の首に手を回そうとした時、四郎は突然飛び退いた。
「え? え? 何でマリーがここにいるんだ?」
「あれ? おかしいわね?」
もしかして、この魔術って効果が短いの?
「ねえ、四郎。私のこと好きでしょう?」
私が四郎に近づくと、
「マリー、どうしたんだ? 何か変だぞ!」
と、床を這いながら逃げていく。
ドカン! 小百合と芽依がドアをぶち壊して部屋に飛び込んできた。
「マリー、絶対に許さないわよ!」
四郎は急いで小百合と芽依の背中に隠れた。
「もう、これじゃ逆効果じゃない! 何が絶対に効く惚れ魔術よ!」
この魔術の効果が短いのではなく、自分の魔力が未熟なことが原因だったことには決して気付かないマリーであった。
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