控えなさい! 私はマリーよ!

小松広和

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第三十四話 カジノ

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 そこそこ大きな街にやって来たわ。一度ここに来てみたかったのよねぇ。
「ふふふ」
「何か嬉しそうね」
「この街にはあれがあるのよ」
「あれって何よ?」
「カジノよ。カジノ」

「まさか行くつもりじゃないわよね」
「当然行くわ。一度でいいからやってみたかったのよ、カジノ」
「あんた、未成年という自覚はあるの?」
「この国は三歳からカジノOKよ」
「どんな教育方針してるのよ!」

 私はつべこべとうるさい小百合達を連れて大きな建物へと入っていった。
「これがカジノね。広いわー」
「見たこともない機械がいっぱいあるわね」
小百合も興味があるのね。さっきからキョロキョロと辺りを見回しているわ。

「これよこれ! これがやってみたかったのよね」
「何よこれ?」
「モンスターアタック」
「ネーミング的にろくな物じゃないことだけはわかるわ」
「スリル満点よ。一番から七番の椅子に座って待っていると、一つの数字からドワーフが出てきてその数字の席に座っている人の頭を強打するの。それが六回繰り返されるわ。最後まで残ったら優勝よ」
「それって大丈夫なの?」
「そうね。ドワーフが持って出てくる武器にも寄るけど、下手をすれば死ぬわね。どう? スリル満点でしょう?」

「さあ、やるわよ・・・・って、どこに行くのよ!」
「命が惜しい」
「四郎まで何なのよ! この臆病者!」

「じゃあ、これにしましょ」
「嫌だ!」
「まだ何も言ってないわよ!」
「どうせ危険な奴に決まっている」
「大丈夫よ。ここにいろんな種類のピストルが置いてあるでしょ。その中からピストルを一つ選んでお互いの額めがけて撃つの。五回撃って、より攻撃性の強いピストルを多く選んだ方の勝ちよ」
「ピストルって。十分危険だろうが!」
「ピストルって言っても音がするだけの物が一番多くて、それ以外でもBB弾や空気銃が主流よ。ほんの時たま本物も入ってるみたいだけどめったに当たらないわ・・・・って、どこに行くのよ!」

 もう仕方ないわね。無難なものからすることにするわ。
「これなら大丈夫よ。数字を当てるだけだから」
「本当でしょうね?」
疑いの眼差しで三人が見てくる。

「賭け方によって倍率は変わるけど、ぴったりな数字を当てると掛け金の八千倍にもなるわ」
「本当か? それは凄いな」
四郎が乗ってきたわね。
「そうでしょ? さあ、ゼロから九万九千九百九十九の好きな数字を賭けなさい」
「絶対に当たらんわ!!」

 そして数時間後。
「おかしいわね。全く当たらないわ」
「おかしくない!」
「ああ、また外れた。ダメだわ。このままじゃお金がなくなってしまうわ」
「どうするつもりよ」
「仕方ないわね」

「ははー」
土下座するカジノの店員達。
「ふう、何とか勝つことができたわね。見事な逆転勝利だわ」
「マリー、これっていかさまで勝ったのよね」
「それがどうしたのよ。勝てば何だっていいのよ」
ギャンブルの醍醐味を完全に勘違いしている私であった。
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