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第三十五話 命が危ない!
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私たちは森の中をさまよい歩いていた。もう二日間も飲まず食わずの生活が続いている。「どうして出口が見つからないのよ」
「マリー! あなたの言う方向に進んでいたらこうなったのよ!」
「ちゃんと魔術を使って方角を見たわ」
「じゃあ、あなたの魔術がお粗末すぎるのね」
人間空腹になると苛立ちが増すらしい。
「ああ、喉が乾いたわ。どうして雨も降らないの?」
「黒魔術で雨を降らすことはできないの?」
「できるにはできるけど‥‥」
「だったらやりなさいよ。このままだと私たちは全滅よ」
「その黒魔術は高度過ぎて私の魔力じゃ‥‥」
「やっぱり、あなたの魔術がお粗末すぎるのよ!」
「だったら食べ物を出してよ」
「それも高度過ぎて私の魔力じゃ‥‥」
「この役たたず!」
「あれ? 何か水が流れる音がしない?」
「本当だ。聞こえるよ」
「こっちよ! 小川があるわ。助かったわね」
小百合は素足になると小川に入っていった。
「こんな時女の子って便利よね。ズボンをまくり上げなくてもいいんだから。取り敢えず喉の渇きは癒せたわね。人間食べなくても一か月は持つらしいけど、水を飲まないと三日で死ぬと聞いたわ」
小百合は水を手ですくってがぶがぶ飲むとあるものを見つけた。
「魚だわ! これを獲って食べましょう!」
「ああ、その魚」
「食べられないの?」
「食べられるわ。でもそれってあなたたちの世界で言うピラニアの一種よ。一瞬で足を骨だけにするから気を付けて」
小百合は大慌てで小川から飛び出るとマリーに向かって怒鳴った。
「どうして『危険だから早く水から出なさい!』って言えないのよ! 本当性格悪いわね!」
その時だ、空気が一変したのは。
「そんなことを言ったらマリーが可愛そうじゃないか」
「え?」
「え?」
「ええ!」
「四郎君、今なんて言ったの?」
「そんなことを言ったらマリーが可愛そうじゃないかって言った」
「お兄ちゃんがマリーさんをかばうなんて、どうしちゃったの?」
「四郎君、私たちが絶命の危機に瀕しているのはマリーのせいなのよ! 何でかばうわけ!?」
「好きだから」
「え?」
「え?」
「ええ!」
「四郎君,大丈夫? 自分で何言ってるかわかってるの?」
「お兄ちゃん。こんな女を好きになったら一生尻に敷かれるよ」
「尻に敷かれたっていい。好きなものは好きなんだ」
「遂に遂にこの時が来たのね。私の思いが通じたんだわ」
「今からでも遅くないわ。考え直して!」
「そうだよお兄ちゃん。冷静になって」
「俺はいつだって冷静さ」
「きっとマリーが時期女王だから、金と権力に目が眩んだのね?」
「別に王族になりたいなんて思ってないさ。純粋にマリーが好きなだけだ」
「本当! 四郎ありがとう」
「なぜなら俺は表の世界の王だからだ!」
「え?」
「え?」
「え?」
「全ては俺の思うがままに動く。俺は世界の支配者だ!」
「四郎君、何を持ってるの?」
四郎の手にはかじられたキノコが握られている。
「アリシネイ茸かしら?」
「これを食べるとどうなるの?」
「酷い幻覚に襲われて、心にもないことを言ってしまう‥‥」
私の幸せは一瞬にして終焉を迎えたのであった。
「マリー! あなたの言う方向に進んでいたらこうなったのよ!」
「ちゃんと魔術を使って方角を見たわ」
「じゃあ、あなたの魔術がお粗末すぎるのね」
人間空腹になると苛立ちが増すらしい。
「ああ、喉が乾いたわ。どうして雨も降らないの?」
「黒魔術で雨を降らすことはできないの?」
「できるにはできるけど‥‥」
「だったらやりなさいよ。このままだと私たちは全滅よ」
「その黒魔術は高度過ぎて私の魔力じゃ‥‥」
「やっぱり、あなたの魔術がお粗末すぎるのよ!」
「だったら食べ物を出してよ」
「それも高度過ぎて私の魔力じゃ‥‥」
「この役たたず!」
「あれ? 何か水が流れる音がしない?」
「本当だ。聞こえるよ」
「こっちよ! 小川があるわ。助かったわね」
小百合は素足になると小川に入っていった。
「こんな時女の子って便利よね。ズボンをまくり上げなくてもいいんだから。取り敢えず喉の渇きは癒せたわね。人間食べなくても一か月は持つらしいけど、水を飲まないと三日で死ぬと聞いたわ」
小百合は水を手ですくってがぶがぶ飲むとあるものを見つけた。
「魚だわ! これを獲って食べましょう!」
「ああ、その魚」
「食べられないの?」
「食べられるわ。でもそれってあなたたちの世界で言うピラニアの一種よ。一瞬で足を骨だけにするから気を付けて」
小百合は大慌てで小川から飛び出るとマリーに向かって怒鳴った。
「どうして『危険だから早く水から出なさい!』って言えないのよ! 本当性格悪いわね!」
その時だ、空気が一変したのは。
「そんなことを言ったらマリーが可愛そうじゃないか」
「え?」
「え?」
「ええ!」
「四郎君、今なんて言ったの?」
「そんなことを言ったらマリーが可愛そうじゃないかって言った」
「お兄ちゃんがマリーさんをかばうなんて、どうしちゃったの?」
「四郎君、私たちが絶命の危機に瀕しているのはマリーのせいなのよ! 何でかばうわけ!?」
「好きだから」
「え?」
「え?」
「ええ!」
「四郎君,大丈夫? 自分で何言ってるかわかってるの?」
「お兄ちゃん。こんな女を好きになったら一生尻に敷かれるよ」
「尻に敷かれたっていい。好きなものは好きなんだ」
「遂に遂にこの時が来たのね。私の思いが通じたんだわ」
「今からでも遅くないわ。考え直して!」
「そうだよお兄ちゃん。冷静になって」
「俺はいつだって冷静さ」
「きっとマリーが時期女王だから、金と権力に目が眩んだのね?」
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「え?」
「え?」
「え?」
「全ては俺の思うがままに動く。俺は世界の支配者だ!」
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四郎の手にはかじられたキノコが握られている。
「アリシネイ茸かしら?」
「これを食べるとどうなるの?」
「酷い幻覚に襲われて、心にもないことを言ってしまう‥‥」
私の幸せは一瞬にして終焉を迎えたのであった。
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