控えなさい! 私はマリーよ!

小松広和

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第七十三話 戦闘準備

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 私達が黒の国の城内に到着したときには右往左往の大騒ぎになっていた。
「白の国との国境付近に精鋭部隊を集めるんだ。城内の防衛より国境を守り切って白の国の部隊を侵入させないことを優先しろ!」
「お姉さん凄いわね。マリーとは大違いだわ」
お姉ちゃんが凄いのは確かだけど小百合ったら一言多いのよね。

「お姉ちゃん。今帰ったわ。もちろん交渉は成功よ」
「おお、帰ったか『うんち』。よくやった! さすが我が妹だ」
「その呼び方はやめて。しかも伏字にすらしてないし」
「そうであったな。はははは」
お姉ちゃんは大声で豪快に笑った。

「でも、どうして突然白の国が攻めてくるんですか?」
小百合が偉そうに聞く。これは本来私のセリフよね。
「それがさっぱりわからないのだ」
「そうなんですか」

「今回は全力戦になる。悪いが君たちにも協力してもらいたい。いいかな?」
「私たちにできる事なら何でもおっしゃってください」
「頼もしい言葉だ。では君たちには青の国との国境部隊の後方支援をお願いしたい。戦場は白の国との国境が主になると思うが、青の国から迂回して黒の国内に侵入しようと試みる可能性がないとも言えない。後方部隊だから危険性は少ないと思うが、一応戦争だ油断なきよう、よろしく頼む」
「わかりました。今までお世話になったせめてものお礼です。全力で戦わせていただきます」
「くれぐれも無理はせぬように」
するとお姉さんの目は菫に向いた。

「さて、見なれぬ人物が増えているようだが」
「この子は菫という四郎の幼馴染よ。何の戦力にもならないからメイドの下働きでもさせてあげて」
「いや、今は非常事態だ。この子も後方支援に回ってもらう」
「よほど苦しい状況なのね」

「早速だが戦闘準備をしてくれ。戦闘に必要なものは全て城内にある。ホワイティーに言って好きな武器や防具を持ってこさせてくれ」
「で? 私も青の国の後方部隊なの?」
「いや、お前には別の仕事をしてもらう」
「それはそうよね。一国のプリンセスが後方部隊なわけないわよね」

「お前にはこの部屋の窓拭きをしてもらいたい」
「え??? どういうこと?」
「この部屋の窓を拭くのだ?」
「それって何の意味があるのよ」
「私が戦闘から帰ったとき窓がきれいだと嬉しいではないか」
「何でお供の物が戦闘に駆り出されるのに、プリンセスの私が窓拭きなのよ! てか、そんなのメイドにさせればいいでしょ!」

「だったら廊下の水拭きでもいいぞ」
「だからそれって何の意味があるのよ!」
「わかった正直に言おう。それはお前の魔力に全く期待していないからだ」
「もろ直球に言うわね」
 こうして私はメイドのホワイティーに掃除の仕方をレクチャーされるのであった。
 菫より私の方が評価が低いってどういうことよ!!!
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