95 / 109
第九十五話 万事休す
しおりを挟む
「菫が捕まったからもう私達二人よ。これはピンチよね」
「誰かさんのせいだよね」
「悩んでいても仕方ないわ。次の作戦を考えましょ」
小百合は腕組みしながら部屋をゆっくりと歩き出した。
「そうだわ。芽依ちゃんが目出し帽を被ってお供の人を引きつけてる隙に私が四郎君を助け出すってのはどう?」
「絶対やらないからね!」
「冗談よ。でも本当に困ったわね」
小百合の歩く速度が少し速くなった。
「ここは芽依にお任せだよ」
「何かいい考えがあるの?」
「もちろんだよ。要するに牢屋の鍵を手に入れたらいいんだよね」
「それはそうだけど」
「だったら簡単だよ」
「どういうこと? それができたら苦労しないと思うけど」
「では今日のゲストを紹介します」
そう言うと芽依は扉に歩いて行った。
「ホワイティーさんです」
「えー!」
「お話は聞かせていただきました」
「秘密会議に城の使用人を連れてきてどうするのよ!」
「大丈夫だよ。ホワイティーさんは味方だから」
「どういうこと?」
小百合は疑いの眼差しでホワイティーを見た。
「本当です」
「どうして? あなたはマリーの忠実なメイドじゃなかったの?」
「はい、私はマリー様を慕っております」
「じゃあ、どうして結婚の邪魔をする私達の味方をするわけ?」
「マリー様を心からお慕い申し上げる故に、このまま強引に結婚なされては決して幸せにはなれないと思っております」
「なるほどそういうことね」
ホワイティーは鍵の束を差し出して言った。
「これは牢屋の合鍵でございます。この鍵がなくなっていることが発覚すると大騒ぎになります。なるべく早く四郎様を救出された方がいいかと存じます」
「それもそうね。じゃあ、早速作戦開始よ」
小百合は意気揚々と部屋を出ようとして止まった。
「でも、牢屋って見張りがいるのよね?」
「はいいます。でも深夜一時からは見張りがいなくなりますので、その時間帯に行くのがいいかと思います」
「牢屋なのに見張りがいない時間があるの?」
「なにしろ平和な国ですので牢屋を使ったのも十年ぶりですから」
「芽依ちゃん、今夜の一時に実行するわよ!」
「オーケーだよ」
深夜一時過ぎ小百合と芽依は地下の牢屋に向かった。
「信じられないけど本当に見張りがないわ」
「小百合さん、芽依まだ眠いよ」
「お兄さんを助けたいでしょ? 我慢して。四郎君を助けたらそのままこの城から脱出よ」
「うん、わかった」
ほぼ真っ暗な中を歩き四郎の入っている牢へと向かう。
「確かここだったわよね」
鍵の束からこの牢屋にあった鍵を見つけるのは困難な作業である。仕方なくすべての鍵を挿してみることにした。
ガチャ!
「これだわ!」
「やったー!」
「四郎君、速く牢屋から出て!」」
「助けに来てくれたの!」
「え? 菫? 牢屋を間違えたわ」
ガチャ。
「どうしてまた鍵を閉めるのよ!!」
「暗くて誰が入ってる牢屋なのかわからないわね」
「明かりをどうぞ」
「ありがとう・・・・・・・・ってマリー!」
「こんな夜中に何をしているのから?」
ウィーンウィーン!
「え? 何?」
「センサーよ」
「なんで異世界にこんなハイテク機器があるのよ!」
「ここまで来たら仕方ないわね。この者達を捕らて牢に入れなさい」
「はっ!」
集まってきた家来達が小百合と芽依を捕まえた。
「捕まっちゃったね」
「これで万事休すかしら」
小百合は大きくため息をついた。
「誰かさんのせいだよね」
「悩んでいても仕方ないわ。次の作戦を考えましょ」
小百合は腕組みしながら部屋をゆっくりと歩き出した。
「そうだわ。芽依ちゃんが目出し帽を被ってお供の人を引きつけてる隙に私が四郎君を助け出すってのはどう?」
「絶対やらないからね!」
「冗談よ。でも本当に困ったわね」
小百合の歩く速度が少し速くなった。
「ここは芽依にお任せだよ」
「何かいい考えがあるの?」
「もちろんだよ。要するに牢屋の鍵を手に入れたらいいんだよね」
「それはそうだけど」
「だったら簡単だよ」
「どういうこと? それができたら苦労しないと思うけど」
「では今日のゲストを紹介します」
そう言うと芽依は扉に歩いて行った。
「ホワイティーさんです」
「えー!」
「お話は聞かせていただきました」
「秘密会議に城の使用人を連れてきてどうするのよ!」
「大丈夫だよ。ホワイティーさんは味方だから」
「どういうこと?」
小百合は疑いの眼差しでホワイティーを見た。
「本当です」
「どうして? あなたはマリーの忠実なメイドじゃなかったの?」
「はい、私はマリー様を慕っております」
「じゃあ、どうして結婚の邪魔をする私達の味方をするわけ?」
「マリー様を心からお慕い申し上げる故に、このまま強引に結婚なされては決して幸せにはなれないと思っております」
「なるほどそういうことね」
ホワイティーは鍵の束を差し出して言った。
「これは牢屋の合鍵でございます。この鍵がなくなっていることが発覚すると大騒ぎになります。なるべく早く四郎様を救出された方がいいかと存じます」
「それもそうね。じゃあ、早速作戦開始よ」
小百合は意気揚々と部屋を出ようとして止まった。
「でも、牢屋って見張りがいるのよね?」
「はいいます。でも深夜一時からは見張りがいなくなりますので、その時間帯に行くのがいいかと思います」
「牢屋なのに見張りがいない時間があるの?」
「なにしろ平和な国ですので牢屋を使ったのも十年ぶりですから」
「芽依ちゃん、今夜の一時に実行するわよ!」
「オーケーだよ」
深夜一時過ぎ小百合と芽依は地下の牢屋に向かった。
「信じられないけど本当に見張りがないわ」
「小百合さん、芽依まだ眠いよ」
「お兄さんを助けたいでしょ? 我慢して。四郎君を助けたらそのままこの城から脱出よ」
「うん、わかった」
ほぼ真っ暗な中を歩き四郎の入っている牢へと向かう。
「確かここだったわよね」
鍵の束からこの牢屋にあった鍵を見つけるのは困難な作業である。仕方なくすべての鍵を挿してみることにした。
ガチャ!
「これだわ!」
「やったー!」
「四郎君、速く牢屋から出て!」」
「助けに来てくれたの!」
「え? 菫? 牢屋を間違えたわ」
ガチャ。
「どうしてまた鍵を閉めるのよ!!」
「暗くて誰が入ってる牢屋なのかわからないわね」
「明かりをどうぞ」
「ありがとう・・・・・・・・ってマリー!」
「こんな夜中に何をしているのから?」
ウィーンウィーン!
「え? 何?」
「センサーよ」
「なんで異世界にこんなハイテク機器があるのよ!」
「ここまで来たら仕方ないわね。この者達を捕らて牢に入れなさい」
「はっ!」
集まってきた家来達が小百合と芽依を捕まえた。
「捕まっちゃったね」
「これで万事休すかしら」
小百合は大きくため息をついた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる