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02 栗栖 慧の場合。
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僕には好きな人がいる。
だけど、それは叶わないと思ってた。
男の僕が、男の城田くんに好かれるはずがないと、ましてや付き合えるなんて思ってもいなかった。
同性愛が認められて、法律的にも同性婚が許されてる時代だけど、それでも全ての人がそれに理解があるわけじゃないし、僕がそうだとしても相手の人が受け入れてくれるかはまた別の問題だって自分でもわかってる。
叶わない恋だけど、気付いたときには彼を目で追っていた。僕が見ていることに気がついてほしいような気づいて欲しくないような複雑な心境のなかで
いつも目で追っていたからこそ気が付いた。
もともといろんな女の子を侍らせて手をつけていたけど、いつも城田くんの傍にいた澤村くんが一人の女の子と仲良くなるにつれて、どんどん女性関係が激しくなっている城田くんに……
僕は高校受験のとき同じ教室に格好よくて背の高い人がいた。その人が城田くんだった。多分この時に僕は城田くんに一目惚れしていた。それほど見た目から僕のストライクゾーンど真ん中だったから、入学式のときに同じ学校に通える事が分かり嬉しかった。同じクラスにはなれなかったのは残念だったけど。
廊下ですれ違ったり、外で体育の授業をしている姿を見ると胸が高鳴った。
僕が城田くんのとこが好きだと気が付いたときには、もう澤村くんが城田くんの傍にいた。
澤村くんは幼馴染だから一緒にいることは普通のことなんだけど……。
その場所が羨ましくて、澤村くんに嫉妬していた。
僕が城田くんを見てるように、城田くんはいつも澤村くんを見てた。
僕を見てほしくて、僕の存在に気が付いてほしくて、勇気を出して城田くんに告白することを決意した。
もし、これで断られたら諦める覚悟で……
もう苦しそうな城田くんを見るのも辛くて……
その日城田くんはずっと一人でいて、すれ違ったりして見かけるたびに覇気がなさそうな雰囲気を出していた。
一人で裏庭の方に向かっているのを見て、今日が告白するチャンスだと思って、僕もその後を着いて行った。
僕はズルいと思う、朝から澤村くんと秋山さんが付き合ってるっていう噂が流れてて、それで城田くんは元気がないんだと思った。今日が最初で最後のチャンスだって……
そこまで、気落ちするならもしかして城田くんは僕が告白しても受け入れてくれるかも知れないと思ったから……
ここまで考えて告白すると決意して、裏庭まで来たものなかなか声をかけることが出来なかった。
もしかしたら城田くんはホモでもなくて、ただいつも側にいた澤村くんが居なくなったことにただ寂しい思いをしていただけかも知れない……
だけど、今日を逃すともうチャンスはない……
そんな思いだけが頭の中で渦巻いていて、結局正面から言う勇気がなくて、後ろから声をかけていた。
「ねぇ、城田くん。僕、城田くんの事が好きなんだ…。だからその…」
覚悟を決めたはずなのに、振られるのが怖くてその場を去ろうとしていたのに、城田くんに腕を掴まえられて、僕の想像を上回る行動力だった。
ただ城田くんがしてくれたキスの虜になっただけかもしれない
だけど、僕は城田くんが僕を見てくれるなら、なんでもよかった。それが僕を通して他の誰かを見ていたとしても
家に連れていかれた後の事は童貞の僕でも理解していて、男の僕でも相手をしてくれることが分かって嬉しかった。僕も澤村くんのように呼び捨てにしてほしかった。だから慧と呼んでもらえることになって、嬉しかった。
だけど、僕に城田くんを縛ることは出来なくて、嫌われたくもなくて
「急に誰にも手を出さなかったら、変に誤解されちゃうよ?僕は城田くんを束縛しないし、女の人を相手にするんだったら何も言わないよ?」
それでも、僕以外の男の人には触れてほしくなくて、釘を刺していた。
その日から城田くんは月1くらいで女性を相手にして、それ以外は僕の相手をしてくれた。
そらから、城田くんの隣には僕がいるようになった。
たまに、澤村くんが僕らのことを見ていると気が付いているけど、それを僕が城田くんに言うことはしない。僕はそんなに優しくないし、やっと手に入ったのに簡単に手放すことはできない。
城田くん、僕嫉妬深くてごめんね? それでも、君が好きなんだ。だから、簡単に返すこともできないし、城田くんの隣を譲りたくないんだ。
けどね? 最初は僕を見てなかった城田くんも最近はちゃんと僕を見てくれてるんだよ? 僕はそれだけでも幸せなんだ。傍にいることさえ叶わないと思ってた頃に比べて、僕には嬉しい限りなんだ。
澤村くんが城田くんを失ってどんなに後悔してても、先に手放したのは彼なんだから。僕がどんなにほしくてほしくてしょうがなかった城田くんの隣を簡単にも手放した澤村くんが悪いんだよ?
「慧。行くぞ」
「うん。……あ、ちょっと待ってよ!早いよー」
「わりぃ」
「にひひ」
「何か嬉しいことあったのか?」
「城田くんの傍にいること~」
「そか、俺のそばを離れんなよ?」
「うん!」
城田くんの隣は僕のものだよ?
少しの時間は女性に渡せても、他の時間は僕のものだからね
絶対に他の人に城田くんは渡せないから
だけど、それは叶わないと思ってた。
男の僕が、男の城田くんに好かれるはずがないと、ましてや付き合えるなんて思ってもいなかった。
同性愛が認められて、法律的にも同性婚が許されてる時代だけど、それでも全ての人がそれに理解があるわけじゃないし、僕がそうだとしても相手の人が受け入れてくれるかはまた別の問題だって自分でもわかってる。
叶わない恋だけど、気付いたときには彼を目で追っていた。僕が見ていることに気がついてほしいような気づいて欲しくないような複雑な心境のなかで
いつも目で追っていたからこそ気が付いた。
もともといろんな女の子を侍らせて手をつけていたけど、いつも城田くんの傍にいた澤村くんが一人の女の子と仲良くなるにつれて、どんどん女性関係が激しくなっている城田くんに……
僕は高校受験のとき同じ教室に格好よくて背の高い人がいた。その人が城田くんだった。多分この時に僕は城田くんに一目惚れしていた。それほど見た目から僕のストライクゾーンど真ん中だったから、入学式のときに同じ学校に通える事が分かり嬉しかった。同じクラスにはなれなかったのは残念だったけど。
廊下ですれ違ったり、外で体育の授業をしている姿を見ると胸が高鳴った。
僕が城田くんのとこが好きだと気が付いたときには、もう澤村くんが城田くんの傍にいた。
澤村くんは幼馴染だから一緒にいることは普通のことなんだけど……。
その場所が羨ましくて、澤村くんに嫉妬していた。
僕が城田くんを見てるように、城田くんはいつも澤村くんを見てた。
僕を見てほしくて、僕の存在に気が付いてほしくて、勇気を出して城田くんに告白することを決意した。
もし、これで断られたら諦める覚悟で……
もう苦しそうな城田くんを見るのも辛くて……
その日城田くんはずっと一人でいて、すれ違ったりして見かけるたびに覇気がなさそうな雰囲気を出していた。
一人で裏庭の方に向かっているのを見て、今日が告白するチャンスだと思って、僕もその後を着いて行った。
僕はズルいと思う、朝から澤村くんと秋山さんが付き合ってるっていう噂が流れてて、それで城田くんは元気がないんだと思った。今日が最初で最後のチャンスだって……
そこまで、気落ちするならもしかして城田くんは僕が告白しても受け入れてくれるかも知れないと思ったから……
ここまで考えて告白すると決意して、裏庭まで来たものなかなか声をかけることが出来なかった。
もしかしたら城田くんはホモでもなくて、ただいつも側にいた澤村くんが居なくなったことにただ寂しい思いをしていただけかも知れない……
だけど、今日を逃すともうチャンスはない……
そんな思いだけが頭の中で渦巻いていて、結局正面から言う勇気がなくて、後ろから声をかけていた。
「ねぇ、城田くん。僕、城田くんの事が好きなんだ…。だからその…」
覚悟を決めたはずなのに、振られるのが怖くてその場を去ろうとしていたのに、城田くんに腕を掴まえられて、僕の想像を上回る行動力だった。
ただ城田くんがしてくれたキスの虜になっただけかもしれない
だけど、僕は城田くんが僕を見てくれるなら、なんでもよかった。それが僕を通して他の誰かを見ていたとしても
家に連れていかれた後の事は童貞の僕でも理解していて、男の僕でも相手をしてくれることが分かって嬉しかった。僕も澤村くんのように呼び捨てにしてほしかった。だから慧と呼んでもらえることになって、嬉しかった。
だけど、僕に城田くんを縛ることは出来なくて、嫌われたくもなくて
「急に誰にも手を出さなかったら、変に誤解されちゃうよ?僕は城田くんを束縛しないし、女の人を相手にするんだったら何も言わないよ?」
それでも、僕以外の男の人には触れてほしくなくて、釘を刺していた。
その日から城田くんは月1くらいで女性を相手にして、それ以外は僕の相手をしてくれた。
そらから、城田くんの隣には僕がいるようになった。
たまに、澤村くんが僕らのことを見ていると気が付いているけど、それを僕が城田くんに言うことはしない。僕はそんなに優しくないし、やっと手に入ったのに簡単に手放すことはできない。
城田くん、僕嫉妬深くてごめんね? それでも、君が好きなんだ。だから、簡単に返すこともできないし、城田くんの隣を譲りたくないんだ。
けどね? 最初は僕を見てなかった城田くんも最近はちゃんと僕を見てくれてるんだよ? 僕はそれだけでも幸せなんだ。傍にいることさえ叶わないと思ってた頃に比べて、僕には嬉しい限りなんだ。
澤村くんが城田くんを失ってどんなに後悔してても、先に手放したのは彼なんだから。僕がどんなにほしくてほしくてしょうがなかった城田くんの隣を簡単にも手放した澤村くんが悪いんだよ?
「慧。行くぞ」
「うん。……あ、ちょっと待ってよ!早いよー」
「わりぃ」
「にひひ」
「何か嬉しいことあったのか?」
「城田くんの傍にいること~」
「そか、俺のそばを離れんなよ?」
「うん!」
城田くんの隣は僕のものだよ?
少しの時間は女性に渡せても、他の時間は僕のものだからね
絶対に他の人に城田くんは渡せないから
応援ありがとうございます!
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