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真夜中のスピカ
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真夜中の散歩を楽しんでいる黒猫が一匹。
その猫の名前はスピカといった。
スピカは、昼間と全然ちがう姿を見せる夜の街が好きだった。
だから、散歩は日が暮れてからと決めている。
そして、散歩コースは毎日変えることにしていた。
今晩は、商店街をぬけてすぐの小学校をぐるりと回るコースを選んだ。
スピカが上機嫌で歩いていると、ふと妙なものが目にはいってきた。
はじめは、小学校の裏門のすぐ脇の壁に穴が開いているのだと思った。
だが、近づいてよくよく見てみると、壁ではなく空中に穴が開いている。
なんと『夜』そのものに穴が開いているではないか。
驚いたスピカが理由をたずねてみても、『夜』からは
「いつの間にか欠けてしまったんだ」という弱々しい答えと、ため息が一つ返ってきただけだった。
黒々とした夜に一つ空いた穴は、人間の大人の拳より一回り大きい位だ。夜全体から見れば、ちっぽけに思える。
しかし、スピカには夜がたまらなく苦しそうに見えた。
だから自然に言葉がわきでてきた。
「僕が探してきてあげるよ、キミのカケラを。僕がその穴を埋めてあげる!」
そう言ってスピカは走り出す。
「だから待ってて!」
さて、夜のカケラはどこにあるだろう。
スピカは鼻をぴくぴくさせながら辺りを見回した。
「案外すぐそばにあるかもね」
まずは手近な小学校へこっそりお邪魔することにした。うわばき……消しゴム……二十点のテスト……だめだめ。どれも合いそうにない。校庭をうろうろしていると、スピカはひらめいた。
「これはいいかもしれない」
緑のはっぱに、赤白黄色のチューリップ、それに名前の分からない花々で夜の穴はみっしりだ。
小学校の校庭の花壇からもらってきたのだ。
「どうかな? 素敵じゃない?」
『夜』は嬉しそうにしたけれど、すぐに困ったような声で「僕には似合わなくない?」と言った。
「そうかな? まあこれだと、綺麗だけどぎゅうぎゅうなのにあちこち隙間があるし、その内に枯れちゃうものね。別のを探してくるよ」
スピカは、また夜のカケラを探しに走った。
「うーん、いいのがないなあ」
カケラを探してどれくらいたっただろう。
あちこちを走り回ったせいで、スピカはお腹が空いてきた。するとどこからか香ばしい匂いが漂ってくる。思わず誘われて、パン屋さんの裏口に辿りついた。
「こんなに朝早くから働いているの?!」
こっそり裏口から店をのぞくと、パン屋さんは休憩中なのか、椅子に座ってうとうとしている。
「おじゃましまーす」
スピカはパン屋さんを起こさないように、小声であいさつをした。
すでに焼きあがったいくつかのパンを物色していく。
「よさそうなんだけど……アンパン……小さすぎ。食パン四角すぎ。フランスパン……問題外。そうだ!」
スピカはひらめいた。
「丁度いいのがないなら作ればいいんだ!」
仕込み中のパン種をこっそりこねてこねて……内緒でオーブンに入れる。わくわくして焼き上がりを待ったのに、出来上がったパンは思っていた形と全然ちがった。大きくなりすぎだ。
目の覚めたパン屋さんに見つかって怒られたけれど、スピカはパンを抱えて逃げ出した。
「やっぱり大きすぎたかぁ。残念」
スピカの作ったパンは大きすぎて、そのままでは夜の穴には入らなかった。
しかし問題ない。ちょうどよい大きさにすればいいのだ。
ちぎってちぎって、てきとうな大きさになったパンを夜の穴にすぽっとはめ込んで、スピカは自信満々だ。
「どう? ぴったりでしょ? ほかほかしているし!」
「うん……でも何かが違うんだよ。それに……どんどん冷たくなっていくのがわかる」
スピカは夜の言葉を全部聞き取ることができなかった。
「いらないなら、それちょうだい!」
二つ重なった声に邪魔されたからだ。声はこの辺で暮らしている野良犬の兄弟のものだった。見るからに空腹そうな犬の兄弟は、焼き立てほかほかのパンをきらきらした目で見ていた。
「どうする?」
スピカが聞くと、夜は分けてあげるように言った。みんなで分けるとパンはすぐになくなったけど、スピカは自分のこねたパンを褒められてうれしかったし、『夜』はそれまでに言われたことがないくらい沢山ありがとうを犬の兄弟からもらった。
「今度こそキミにぴったりのカケラをさがしてくるから待ってて!」
またまた夜のカケラを探しにスピカは走る。
「どこかにあるはずなんだ。夜の穴にぴったりの物が」
きょろきょろしていたのが悪かったのか、何かにぶつかったかと思ったら変わった雨がスピカに降り注いだ。目覚まし時計に文庫本、マグカップに歯ブラシ、象の小さなぬいぐるみ……それから、たくさんたくさん。
スピカは怒りの声を上げようとしたが、
「しっ! ごめん! 静かに!」
少女の慌てた声でさえぎられた。
へんてこりんな雨を降らせたのは、ひどく慌てた様子の少女だった。スピカよりは大きいけれど、本当に小さな人間の女の子だ。
家出したばかりだと言うので、スピカも事情を察して、静かにそっとその場から離れる。
うんと遠くまで離れてから、
「荷物が大すぎやしない?」
とスピカは不満をぶつけた。
「捨てきれなかったの」
と少女は答えた。
「そんなに抱えてはどこにもいかれやしないよ?」
「でも捨ててしまったら取り戻せやしないから」
そう言って少女は困ったように笑った。スピカにはよくわからないが、少女がそういうならそれでいいのだろう。
「あなたこそ、こんな夜に何をしているの?」
「えーっとね……」
夜に開いた穴のことを話したら、ぜひにも見たいと少女がいうのでスピカは案内することにした。
「あたしの荷物の中に会いそうなのがあるかも」
スピカと少女とで色々試してみたけれど、どれもこれもダメだった。
芸術的だけど大きすぎたり、あまりにとんちんかんになってしまったり、良いと思っても必ずどこかがおかしかった。
「いっそあたしが入ってみるのはどう?」
「キミはずいぶん変わったことを思いつくんだねえ。試してみようか?」
スピカと少女とでどうにか穴を引っ張って、なんとか少女が入れる大きさに夜の穴が広がった。
その間、ずっと夜はだまっていた。
夜の穴の中に入った少女はひざを抱えて言った。
「怖いわけじゃないのに、何だか……とても不安になる」
するりと穴を抜け出ると、少女は縮こまった手足をうんと伸ばして一息。
「あたし行かなくちゃ。立ち止まってちゃ、だめなんだわ」と言った。
なんだかすっきりした顔をしている
スピカはしっぽを振ってせいいっぱい応援した。
「がんばって!」
夜も少女の背中に言葉を贈った。
「君の中には可能性がつまっている。大丈夫、きっと!」
少女はその言葉にうれしそうに笑った。怖いものなんて何もなさそうな太陽みたいな笑顔だ。
背負った荷物に隠れてしまいそうだけれど、しっかりと迷いのない足取りで駅の方へ消えて行く。
「僕の穴になんか、とても治まりきらないたくさんの可能性があったよ……あの子には」
さびしそうに呟く夜の言葉に、スピカの胸はざわざわして、なんだかたまらなくなった。
少女とひっぱったせいで元より大きくなった穴を、じっと見て必死にスピカは考えた。
「キミのカケラはどこにあるんだろうねぇ……」
そんなスピカに夜はポツリと言った。
「もう探さなくていいから、そばに居てくれない?」
そう頼まれて、スピカはとってもいいことを思いついた。
「それじゃこんなのはどう?」
しっぽを身体に巻きつけて真ん丸になると、夜の穴はスピカにちょうどよい大きさだった。
「ほら、僕でよければ朝までこうしているよ」
夜の穴はスピカでうまった。
スピカの体温がじわじわと夜に伝わり、そこから夜が温かくなっていく。内側から少しずつ少しずつ。
夜は、声をふるわせてスピカに言った。
「……うれしい。とてもうれしい。穴が開く前より、満たされた気がする。うれしい気持ちがいっぱい、あふれてくるんだ」
それから、スピカの散歩の時間は昼間になった。
明るい内に、色んな所へ行って、なるべく良いことを見つけるようにした。
そして、日が暮れると現れる夜の穴に良いことを抱えて眠りに行った。
黒猫のスピカが夜の穴の中で眠っていても、夜とスピカの区別がつかなかった。三日月みたいな目を開いた時だけ、そこに居るのがスピカだと分かる。
「なんていい気分だろう」
元々、夜は恐ろしいものではないと知っていたし、自分が夜と一つになることでますますスピカは夜が好きになった。
その猫の名前はスピカといった。
スピカは、昼間と全然ちがう姿を見せる夜の街が好きだった。
だから、散歩は日が暮れてからと決めている。
そして、散歩コースは毎日変えることにしていた。
今晩は、商店街をぬけてすぐの小学校をぐるりと回るコースを選んだ。
スピカが上機嫌で歩いていると、ふと妙なものが目にはいってきた。
はじめは、小学校の裏門のすぐ脇の壁に穴が開いているのだと思った。
だが、近づいてよくよく見てみると、壁ではなく空中に穴が開いている。
なんと『夜』そのものに穴が開いているではないか。
驚いたスピカが理由をたずねてみても、『夜』からは
「いつの間にか欠けてしまったんだ」という弱々しい答えと、ため息が一つ返ってきただけだった。
黒々とした夜に一つ空いた穴は、人間の大人の拳より一回り大きい位だ。夜全体から見れば、ちっぽけに思える。
しかし、スピカには夜がたまらなく苦しそうに見えた。
だから自然に言葉がわきでてきた。
「僕が探してきてあげるよ、キミのカケラを。僕がその穴を埋めてあげる!」
そう言ってスピカは走り出す。
「だから待ってて!」
さて、夜のカケラはどこにあるだろう。
スピカは鼻をぴくぴくさせながら辺りを見回した。
「案外すぐそばにあるかもね」
まずは手近な小学校へこっそりお邪魔することにした。うわばき……消しゴム……二十点のテスト……だめだめ。どれも合いそうにない。校庭をうろうろしていると、スピカはひらめいた。
「これはいいかもしれない」
緑のはっぱに、赤白黄色のチューリップ、それに名前の分からない花々で夜の穴はみっしりだ。
小学校の校庭の花壇からもらってきたのだ。
「どうかな? 素敵じゃない?」
『夜』は嬉しそうにしたけれど、すぐに困ったような声で「僕には似合わなくない?」と言った。
「そうかな? まあこれだと、綺麗だけどぎゅうぎゅうなのにあちこち隙間があるし、その内に枯れちゃうものね。別のを探してくるよ」
スピカは、また夜のカケラを探しに走った。
「うーん、いいのがないなあ」
カケラを探してどれくらいたっただろう。
あちこちを走り回ったせいで、スピカはお腹が空いてきた。するとどこからか香ばしい匂いが漂ってくる。思わず誘われて、パン屋さんの裏口に辿りついた。
「こんなに朝早くから働いているの?!」
こっそり裏口から店をのぞくと、パン屋さんは休憩中なのか、椅子に座ってうとうとしている。
「おじゃましまーす」
スピカはパン屋さんを起こさないように、小声であいさつをした。
すでに焼きあがったいくつかのパンを物色していく。
「よさそうなんだけど……アンパン……小さすぎ。食パン四角すぎ。フランスパン……問題外。そうだ!」
スピカはひらめいた。
「丁度いいのがないなら作ればいいんだ!」
仕込み中のパン種をこっそりこねてこねて……内緒でオーブンに入れる。わくわくして焼き上がりを待ったのに、出来上がったパンは思っていた形と全然ちがった。大きくなりすぎだ。
目の覚めたパン屋さんに見つかって怒られたけれど、スピカはパンを抱えて逃げ出した。
「やっぱり大きすぎたかぁ。残念」
スピカの作ったパンは大きすぎて、そのままでは夜の穴には入らなかった。
しかし問題ない。ちょうどよい大きさにすればいいのだ。
ちぎってちぎって、てきとうな大きさになったパンを夜の穴にすぽっとはめ込んで、スピカは自信満々だ。
「どう? ぴったりでしょ? ほかほかしているし!」
「うん……でも何かが違うんだよ。それに……どんどん冷たくなっていくのがわかる」
スピカは夜の言葉を全部聞き取ることができなかった。
「いらないなら、それちょうだい!」
二つ重なった声に邪魔されたからだ。声はこの辺で暮らしている野良犬の兄弟のものだった。見るからに空腹そうな犬の兄弟は、焼き立てほかほかのパンをきらきらした目で見ていた。
「どうする?」
スピカが聞くと、夜は分けてあげるように言った。みんなで分けるとパンはすぐになくなったけど、スピカは自分のこねたパンを褒められてうれしかったし、『夜』はそれまでに言われたことがないくらい沢山ありがとうを犬の兄弟からもらった。
「今度こそキミにぴったりのカケラをさがしてくるから待ってて!」
またまた夜のカケラを探しにスピカは走る。
「どこかにあるはずなんだ。夜の穴にぴったりの物が」
きょろきょろしていたのが悪かったのか、何かにぶつかったかと思ったら変わった雨がスピカに降り注いだ。目覚まし時計に文庫本、マグカップに歯ブラシ、象の小さなぬいぐるみ……それから、たくさんたくさん。
スピカは怒りの声を上げようとしたが、
「しっ! ごめん! 静かに!」
少女の慌てた声でさえぎられた。
へんてこりんな雨を降らせたのは、ひどく慌てた様子の少女だった。スピカよりは大きいけれど、本当に小さな人間の女の子だ。
家出したばかりだと言うので、スピカも事情を察して、静かにそっとその場から離れる。
うんと遠くまで離れてから、
「荷物が大すぎやしない?」
とスピカは不満をぶつけた。
「捨てきれなかったの」
と少女は答えた。
「そんなに抱えてはどこにもいかれやしないよ?」
「でも捨ててしまったら取り戻せやしないから」
そう言って少女は困ったように笑った。スピカにはよくわからないが、少女がそういうならそれでいいのだろう。
「あなたこそ、こんな夜に何をしているの?」
「えーっとね……」
夜に開いた穴のことを話したら、ぜひにも見たいと少女がいうのでスピカは案内することにした。
「あたしの荷物の中に会いそうなのがあるかも」
スピカと少女とで色々試してみたけれど、どれもこれもダメだった。
芸術的だけど大きすぎたり、あまりにとんちんかんになってしまったり、良いと思っても必ずどこかがおかしかった。
「いっそあたしが入ってみるのはどう?」
「キミはずいぶん変わったことを思いつくんだねえ。試してみようか?」
スピカと少女とでどうにか穴を引っ張って、なんとか少女が入れる大きさに夜の穴が広がった。
その間、ずっと夜はだまっていた。
夜の穴の中に入った少女はひざを抱えて言った。
「怖いわけじゃないのに、何だか……とても不安になる」
するりと穴を抜け出ると、少女は縮こまった手足をうんと伸ばして一息。
「あたし行かなくちゃ。立ち止まってちゃ、だめなんだわ」と言った。
なんだかすっきりした顔をしている
スピカはしっぽを振ってせいいっぱい応援した。
「がんばって!」
夜も少女の背中に言葉を贈った。
「君の中には可能性がつまっている。大丈夫、きっと!」
少女はその言葉にうれしそうに笑った。怖いものなんて何もなさそうな太陽みたいな笑顔だ。
背負った荷物に隠れてしまいそうだけれど、しっかりと迷いのない足取りで駅の方へ消えて行く。
「僕の穴になんか、とても治まりきらないたくさんの可能性があったよ……あの子には」
さびしそうに呟く夜の言葉に、スピカの胸はざわざわして、なんだかたまらなくなった。
少女とひっぱったせいで元より大きくなった穴を、じっと見て必死にスピカは考えた。
「キミのカケラはどこにあるんだろうねぇ……」
そんなスピカに夜はポツリと言った。
「もう探さなくていいから、そばに居てくれない?」
そう頼まれて、スピカはとってもいいことを思いついた。
「それじゃこんなのはどう?」
しっぽを身体に巻きつけて真ん丸になると、夜の穴はスピカにちょうどよい大きさだった。
「ほら、僕でよければ朝までこうしているよ」
夜の穴はスピカでうまった。
スピカの体温がじわじわと夜に伝わり、そこから夜が温かくなっていく。内側から少しずつ少しずつ。
夜は、声をふるわせてスピカに言った。
「……うれしい。とてもうれしい。穴が開く前より、満たされた気がする。うれしい気持ちがいっぱい、あふれてくるんだ」
それから、スピカの散歩の時間は昼間になった。
明るい内に、色んな所へ行って、なるべく良いことを見つけるようにした。
そして、日が暮れると現れる夜の穴に良いことを抱えて眠りに行った。
黒猫のスピカが夜の穴の中で眠っていても、夜とスピカの区別がつかなかった。三日月みたいな目を開いた時だけ、そこに居るのがスピカだと分かる。
「なんていい気分だろう」
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