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第5章 名前のない気持ち
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そんな今日は3年の学年トップと田中の対決が組まれており、長引きそうだと何となく思っていたので時間をずらせて会場へと向かった。
今回ばかりは大きな対決ということもあって近くで見ていいという智の許しが出たので、野次馬が作っている円に近寄る。
するとその中の一人が俺に気づき、すぐに周りに伝えて道を開けてくれた。
だから遠慮なく最前列へと出れば、そこは丁度田中側のフィールドだったらしく、亀城と多田が並んで田中の行く末を見守っていた。
「珍しいですね。今回は特別なんですか?」
道を明けて現れた俺たちに亀城はやはり物怖じせずに純粋に自分の疑問をぶつけてくる。
この場所で普通に接することなど許されないので、俺は他の奴らに取る態度と同じように身長の低い亀城を見下すように睨めば、それは怖かったのか少しだけ背筋を伸ばした。
一応恐怖心というものは持っているらしい。
智が俺と亀城の間に入って話をし始めるので、俺は目の前で繰り広げられている対決へと意識を向けた。
3年学年トップ、大石剛。
俺が楽しめるほどの強さではなかったが、俺がもし来なければこいつはトップを直々に引き継いでいたはずだはずの実力者だ。
大石は体力も鷹山で積んできた実績も申し分ない。
今の田中とは互角にやり合えるのではないだろうか。
体格差は成長期真っ只中である田中の方がかなり小さいが、純粋な強さが対等な試合にしている。
きちんと間合いを計りながら、田中は確実に相手に拳を決めていく。
大石はそれをガードしながらも少し圧されていた。
田中は強い相手に、楽しそうに笑みをこぼしている。
俺はそれをどこか羨ましく見ていた。
俺もあんな風に楽しい対決がしたい。自然と笑みが零れるような、そんな対決が。
今回ばかりは大きな対決ということもあって近くで見ていいという智の許しが出たので、野次馬が作っている円に近寄る。
するとその中の一人が俺に気づき、すぐに周りに伝えて道を開けてくれた。
だから遠慮なく最前列へと出れば、そこは丁度田中側のフィールドだったらしく、亀城と多田が並んで田中の行く末を見守っていた。
「珍しいですね。今回は特別なんですか?」
道を明けて現れた俺たちに亀城はやはり物怖じせずに純粋に自分の疑問をぶつけてくる。
この場所で普通に接することなど許されないので、俺は他の奴らに取る態度と同じように身長の低い亀城を見下すように睨めば、それは怖かったのか少しだけ背筋を伸ばした。
一応恐怖心というものは持っているらしい。
智が俺と亀城の間に入って話をし始めるので、俺は目の前で繰り広げられている対決へと意識を向けた。
3年学年トップ、大石剛。
俺が楽しめるほどの強さではなかったが、俺がもし来なければこいつはトップを直々に引き継いでいたはずだはずの実力者だ。
大石は体力も鷹山で積んできた実績も申し分ない。
今の田中とは互角にやり合えるのではないだろうか。
体格差は成長期真っ只中である田中の方がかなり小さいが、純粋な強さが対等な試合にしている。
きちんと間合いを計りながら、田中は確実に相手に拳を決めていく。
大石はそれをガードしながらも少し圧されていた。
田中は強い相手に、楽しそうに笑みをこぼしている。
俺はそれをどこか羨ましく見ていた。
俺もあんな風に楽しい対決がしたい。自然と笑みが零れるような、そんな対決が。
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