88 / 189
第6章 暴走
88
しおりを挟む
「そうだな。認めるよ。お前らがいないと俺じゃ力不足だ。だから手伝ってくれよ。田中が3年を鎮めるまで、柚希のことも一緒に隠して欲しい。」
俺が素直にお願いすれば、きっと二人は引き受けてくれる。
だから俺がストリートに誘った時、危ない場所だと分かっていてもついてきてくれた。
俺が無茶をすることをよく知っているから、危ないことにどっぷりと浸かってしまわないために、俺を守るために一緒に来てくれた。
いつだってそう。
二人は、いつも俺のために一緒にいてくれている。
そんな俺がお願いをすれば引き受けてくれることは分かっていたが、それでも右腕を降りろとまで言ったのは、恩を仇で返した俺にいつものようについて来いとは言えなかったから。
今までの苦労を個人的な好意で無駄にして、尚も智たちの負担を増やすことが申し訳なかったから。
だから自分一人でどうにかしようと思った。
自分一人では力不足だと分かっていても。
「俺らの仲じゃん。遠慮するなんてらしくない。ストリートに引き込んだくせに、この程度で申し訳ないとか思うの辞めてくれない?」
「あんなガキ、隠すことなんか容易やろ。お前を隠すほうがよっぽど骨が折れるわ。」
思っていた通りだ。
二人は、俺の願いなら叶えてくれる。
どんなに無茶な願いだろうと。
「お前らならそう言ってくれると思ってた。」
「なら素直に言えよ。右腕降りろって言われた俺の気持ちが分かる?」
「ごめんって。智以外に俺の右腕は務まらねぇよ。本当に感謝してる。」
「ったく。それで、どうして好きだって思ったの?決定打でもあった?」
「決定打、って程でもねぇけど、柚希を助けに行って傷ついた姿を見たとき、あいつら全員殺しとけば良かったって思ったときかな。あぁ俺こいつのことこんなに大事だったんだって気づいた。」
「そっか。派手に暴れてそうな気がしたから、後始末は秀平たちに任せたけどヘマやらかしてないよね?」
秀平とは、ストリート時代からお世話になっている掃除屋である。
その掃除も特殊清掃であり、俺が派手に暴れて状況的に不利な流血沙汰にしてしまった時、証拠隠滅としてお願いをする人だ。
必要に応じてあいつ等は病院に連れて行かれているだろう。
「流石に、殺してはねぇよ。現場にいた一人は顔面潰したから、整形が必要だろうけど。」
「まぁ、亀ちゃんが絡んでてそれならまだマシな方か。もうあんまり無茶はしないでよ。絶対捕まらないとは言い切れないよ。」
「分かってるよ。俺が柚希を守ったらもうこんなことは二度とないから。ありがとな。」
「いいよ。颯斗の後始末は慣れてる。ただ、こんなワガママはこれっきりにしてね。全部が全部、うまい方向に転ぶとは限らないよ。」
「分かってるよ。もうこんなことはしねぇよ。」
智の制限に嫌になることはよくある。
それでも、この二人は俺にとって家族同然だから。
親とも呼べないような母親の元で育った俺に、初めて手を差し伸べてくれた奴らだから、それが窮屈だと感じてもなるべく受け入れるようにしている。
自分のためじゃなく、俺のためにしてくれていると分かっているから。
俺が素直にお願いすれば、きっと二人は引き受けてくれる。
だから俺がストリートに誘った時、危ない場所だと分かっていてもついてきてくれた。
俺が無茶をすることをよく知っているから、危ないことにどっぷりと浸かってしまわないために、俺を守るために一緒に来てくれた。
いつだってそう。
二人は、いつも俺のために一緒にいてくれている。
そんな俺がお願いをすれば引き受けてくれることは分かっていたが、それでも右腕を降りろとまで言ったのは、恩を仇で返した俺にいつものようについて来いとは言えなかったから。
今までの苦労を個人的な好意で無駄にして、尚も智たちの負担を増やすことが申し訳なかったから。
だから自分一人でどうにかしようと思った。
自分一人では力不足だと分かっていても。
「俺らの仲じゃん。遠慮するなんてらしくない。ストリートに引き込んだくせに、この程度で申し訳ないとか思うの辞めてくれない?」
「あんなガキ、隠すことなんか容易やろ。お前を隠すほうがよっぽど骨が折れるわ。」
思っていた通りだ。
二人は、俺の願いなら叶えてくれる。
どんなに無茶な願いだろうと。
「お前らならそう言ってくれると思ってた。」
「なら素直に言えよ。右腕降りろって言われた俺の気持ちが分かる?」
「ごめんって。智以外に俺の右腕は務まらねぇよ。本当に感謝してる。」
「ったく。それで、どうして好きだって思ったの?決定打でもあった?」
「決定打、って程でもねぇけど、柚希を助けに行って傷ついた姿を見たとき、あいつら全員殺しとけば良かったって思ったときかな。あぁ俺こいつのことこんなに大事だったんだって気づいた。」
「そっか。派手に暴れてそうな気がしたから、後始末は秀平たちに任せたけどヘマやらかしてないよね?」
秀平とは、ストリート時代からお世話になっている掃除屋である。
その掃除も特殊清掃であり、俺が派手に暴れて状況的に不利な流血沙汰にしてしまった時、証拠隠滅としてお願いをする人だ。
必要に応じてあいつ等は病院に連れて行かれているだろう。
「流石に、殺してはねぇよ。現場にいた一人は顔面潰したから、整形が必要だろうけど。」
「まぁ、亀ちゃんが絡んでてそれならまだマシな方か。もうあんまり無茶はしないでよ。絶対捕まらないとは言い切れないよ。」
「分かってるよ。俺が柚希を守ったらもうこんなことは二度とないから。ありがとな。」
「いいよ。颯斗の後始末は慣れてる。ただ、こんなワガママはこれっきりにしてね。全部が全部、うまい方向に転ぶとは限らないよ。」
「分かってるよ。もうこんなことはしねぇよ。」
智の制限に嫌になることはよくある。
それでも、この二人は俺にとって家族同然だから。
親とも呼べないような母親の元で育った俺に、初めて手を差し伸べてくれた奴らだから、それが窮屈だと感じてもなるべく受け入れるようにしている。
自分のためじゃなく、俺のためにしてくれていると分かっているから。
0
あなたにおすすめの小説
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き
toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった!
※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。
pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/100148872
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
イケメンに惚れられた俺の話
モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。
こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。
そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。
どんなやつかと思い、会ってみると……
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
【幼馴染DK】至って、普通。
りつ
BL
天才型×平凡くん。「別れよっか、僕達」――才能溢れる幼馴染みに、平凡な自分では釣り合わない。そう思って別れを切り出したのだけれど……?ハッピーバカップルラブコメ短編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる