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第9章 神谷謙との出会い
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「まぁ自業自得なんだけどさ。悪い先輩と一緒になって悪さして、中学も高校もろくに学校に行ってなかったし、家にも帰らなかった。」
謙兄の家庭は、俺のようにまるで愛のない家族ではなかった。
ただ、両親は兄弟間で競わせ、優秀な方に愛情を向ける、少し歪な家庭だった。
弟は優秀で、両親の言うことをよく聞く出来た弟だったらしい。
それに比べて勉強があまり得意ではなかった謙兄は、中学で出会った悪い先輩たちと遊ぶことで、その比較される窮屈さから逃げ出した。
素行の悪い先輩に倣って悪さをし、何度も補導されては親が迎えに来た。
しかし、両親は迎えには来ても、家に入れてくれなかったらしい。
弟に悪影響を及ぼすから家には帰ってくるなと、高校に入ったぐらいには完全に見限られていた。
友達や先輩の家を転々としながら、そのうち先輩の誘いでストリートに足を踏み入れ、自分の生活費を稼ぐようになった。
そして学生という縛りがなくなるのと同時に、謙兄は勘当され、そのままストリートで生きてきたのだ。
「ここで生活しながら、俺思ったんだよな。俺みたいに行き場を失った奴って意外と多いんだなって。大体親に見向きもされないような奴らばっかりでさ、皆フラフラして、止まって休む場所もないからまともな判断力もなくて、最終的に捕まったり姿消したり、最悪自殺したりとかさ。本当はこんな悪いことせずに、まともに働いてまともに生きていたかったって思ってる奴、多いと思うんだよ。実際俺もそうだからさ。だから、皆の止まり木になってやりたいんだ。そんで、体力が戻ったらまともな場所へ引き返して欲しい。ここは若い奴らが多い。だからまだやり直せるんだよ。間に合ううちに、気づいて欲しいんだ。」
謙兄はいつでも周りのことを考え、仲間のことを第一に考えていた。
智たちは謙兄を信用しきるなとよく言っていたが、謙兄ほど仲間のことを考えている人はいないと思う。
ただ、謙兄はその夢の本当の意味を、俺以外には誰にも言わなかった。
だから俺も智たちにすら言わなかったし、今も尚誰にも喋るつもりは無い。
結崎が謙兄の夢をどれだけ理解し、本当の意味に気づいていたのかは知らないが、謙兄の夢は簡単に口にしていいものでは無いと、本当の意味を知っているからこそ思うのだ。
本来なら、謙兄の夢は俺が替わって叶えるべきだし、俺にしか務まらないものであることも分かっている。
それでも、謙兄は俺と一緒に叶えることを望んだだけで、俺に継いで欲しいとは思っていなかった。
謙兄の家庭は、俺のようにまるで愛のない家族ではなかった。
ただ、両親は兄弟間で競わせ、優秀な方に愛情を向ける、少し歪な家庭だった。
弟は優秀で、両親の言うことをよく聞く出来た弟だったらしい。
それに比べて勉強があまり得意ではなかった謙兄は、中学で出会った悪い先輩たちと遊ぶことで、その比較される窮屈さから逃げ出した。
素行の悪い先輩に倣って悪さをし、何度も補導されては親が迎えに来た。
しかし、両親は迎えには来ても、家に入れてくれなかったらしい。
弟に悪影響を及ぼすから家には帰ってくるなと、高校に入ったぐらいには完全に見限られていた。
友達や先輩の家を転々としながら、そのうち先輩の誘いでストリートに足を踏み入れ、自分の生活費を稼ぐようになった。
そして学生という縛りがなくなるのと同時に、謙兄は勘当され、そのままストリートで生きてきたのだ。
「ここで生活しながら、俺思ったんだよな。俺みたいに行き場を失った奴って意外と多いんだなって。大体親に見向きもされないような奴らばっかりでさ、皆フラフラして、止まって休む場所もないからまともな判断力もなくて、最終的に捕まったり姿消したり、最悪自殺したりとかさ。本当はこんな悪いことせずに、まともに働いてまともに生きていたかったって思ってる奴、多いと思うんだよ。実際俺もそうだからさ。だから、皆の止まり木になってやりたいんだ。そんで、体力が戻ったらまともな場所へ引き返して欲しい。ここは若い奴らが多い。だからまだやり直せるんだよ。間に合ううちに、気づいて欲しいんだ。」
謙兄はいつでも周りのことを考え、仲間のことを第一に考えていた。
智たちは謙兄を信用しきるなとよく言っていたが、謙兄ほど仲間のことを考えている人はいないと思う。
ただ、謙兄はその夢の本当の意味を、俺以外には誰にも言わなかった。
だから俺も智たちにすら言わなかったし、今も尚誰にも喋るつもりは無い。
結崎が謙兄の夢をどれだけ理解し、本当の意味に気づいていたのかは知らないが、謙兄の夢は簡単に口にしていいものでは無いと、本当の意味を知っているからこそ思うのだ。
本来なら、謙兄の夢は俺が替わって叶えるべきだし、俺にしか務まらないものであることも分かっている。
それでも、謙兄は俺と一緒に叶えることを望んだだけで、俺に継いで欲しいとは思っていなかった。
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