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成長編 西へ
還帰る
しおりを挟むルーンがバドゥ達の元で過ごして30日ほど経った
ルーンは2歳にして子供衆のリーダーの様になっている
と言うより、他の子供達がそんな扱いをしていた
子供達は誰かに言われたり強制された風でもない
ただただ自然に本人達は意味も分からず、ルーンを優先し 立てている
朝御飯を食べ終えたルーンが
隣で喉をゴロゴロ鳴らしているフーに
『ふーにー おうちかえる』
『ん?それは砂楼窟の事じゃないな?そうか、西には満足したのか?』
『うん もーいーよ?たのしかった♪』
『そうか』
フーがノッソリと立ち上がり
ルーンも立ってピョコンと頭を下げ
『ありがとーございました!』
「ちょ、ちょっと、今少しお待ちください!」
ハッサムが慌てる
「部族の皆もお別れを言いたいでしょうし、お土産もお持ち下さい。おい、誰か皆に知らせろ!」
「えー、ルーン、帰っちゃうのか?」
「ルーン、まだココに居ていいじゃない、ね?」
「ルーン君、ずっと居て良いんだよ?」
「ルーン様…帰っちゃイヤ…」
おや?
『んーん!るーんはかえるよ じーと にーと ねーがまってるの』
「……また来る?」
『んー わかんない』
「ルーン様、コレをお持ち下さい。」
と、全長120cmほどの湾曲剣と大人が4~5人は乗れそうな長方形の絨毯をだす
「我等に伝承わる魔剣と、魔法の絨毯でございます」
「この魔剣は柄の宝玉に魔力を籠めますと催眠や幻覚などの特殊な効果をだします」
「次に、この絨毯は遥か古代に神獣の毛を織り込んで作ってあり 空を飛びます」
『先代白虎の抜け毛だな(ボソッ)』
フーが苦笑いしている
「如何でございましょう?これぐらいしか我等には貢げる物がございませんが、我が部族が誇る宝物です」
ハッサムは鼻の穴を拡げ自慢気だ
『んーん!いらないよ?』
見る間にガッカリ顔になったハッサムが
「な、何故でございましょう?」
『だって』
と、フワリと浮き上がるルーン
『そしてね?』
と、いつの間にか右手の掌に小さい水晶を持つ
それをギュッと握り締めると、ユラユラと陽炎を立ち昇らせる水晶の剣が顕現した
『だから いらないよ?』
『おぉ!?なんだお前、いつの間にそんな事が出来る様になったんだ!?』
ハッサムや子供達は口をアングリと開けている
いち早く立ち直ったハッサムが
「これはこれは、余計な事でございました。しかし、手ブラで御帰り頂くのも…」
うーんと頭を抱える
『まぁルーンが要らないっつってんだから良いじゃねーか、あんま気にすんな!ハゲるぞ?はっはっは』
と、何気に失礼なフー
『あい おいしいごはん たくさんたべました ありがとー』
「勿体のぅございます」
皆が見守る中、フーの背に跨ったルーンが
『みんな じゃあねー ばいばい!』
と、手を振ると
ハッサム筆頭に部族の老若男女の大人達が頭を下げ
子供衆は目に涙を溜めて手をブンブン振っている
「ルーン、俺頑張るから!」
「私も魔法鍛える!」
「僕も剣を頑張る!」
「あたしも!」
『ばいばーい』
ルーンが言い終わった時にはフーが駆け出していた
「あーぁ、行っちゃった…」
「また来るかなぁ?」
「それは何にも言ってなかったね…」
「寂しくなるなぁ」
「……森を抜けて天樹まで行ける様に頑張る!」
ハッサムが子供達に声をかける
「お前達が森を抜けて天樹まで行ける様なったら止めぬが命懸けだぞ?」
「しかし、天樹まで行く事が出来たら その時は英雄か勇者と呼ばれる様になるだろう」
「そして、天樹まで辿り着けたら 天樹の恩恵を受ける事だろう。天樹は天授に通じるからな、何がしか授けてくれるだろう。遥か古代の英雄が授かったように…」
往きほどの速さはなく白虎が駆ける
どこか名残惜しいのだろう
ルーンは久しぶりの我が家へ思いを馳せ上機嫌だ
それでも、陽が中天に登る頃には帰り着いた
そして三獣が迎える
『つぁぶじー ろんにー ぽぇねー ただいまー♪』
黒『おぉおぉ、ようよう戻ってきたのぉ』
青『どうであった?水鏡で視ておったがルーンから聞きたいな』
赤『ちょっと慌てるでないよ、先ず昼餉からじゃなかろうかえ?』
青『おぉ、そうだな…我としたことが少々焦りおったわ…』
赤『まぁ気持ちは分かるわよ?妾も…だし…』
黒『そうじゃのお、皆同じじゃ』
三獣揃っての苦笑大会
『あのねー おはなしたくさんあるよ!(フンス!)』
鼻息が荒い
赤『まぁ待ちや?昼餉の用意をするでの、食べながらでもゆっくり聞かせておくれ?』
青『あぁそうだな、食べながらでも聞かせてもらおうか』
黒『楽しみじゃのお』
『あい』
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フラグなんて無かったんや
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