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成長編 南へ
鳳凰という存在
しおりを挟むポェニクスは結界に向け翔び上がる
その背にはルーンを載せているが、あまりの巨体にその姿は見えない
ものの数十秒ほどで結界上空に来たポェニクスは岩肌を登り来る仙人達を見付ける
そして、羽ばたきながら仙人達が岩場が平らになる場所に来るまで待つ
仙人達は鳳凰が上に来たのを見ていて急いで平らな場所まで這い上がってきた
それを見やってポェニクスが
『お前た…』
「鳳凰!」
「鳳凰だ!」
「やはり鳳凰が我等が為に降りてきた!」
と、ポェニクスの言葉を遮り口々に叫びだした
ポェニクスはコメカミに青筋を浮かべ目を鋭くすると再び
『お前達は何故登り来るのじゃ?』
「知れておる、鳳凰が現れるという瑞兆は我等が登仙出来る印であろう!」
「そうじゃ!であるから黙って我等を通して仙人になるを見守っておれ!」
「そうじゃそうじゃ!鳳凰は我等の為す事を見守っておれば良い!」
仙人達は中々になかなかの様だ
ポェニクスは余りの事に呆れかえり、かつ腹を立てると心底冷たい声をだす
『それは、本気で言っておるのかえ』
「本気だと?当たり前だ!」
「おお、そうだ!鳳凰とは我々の様な高尚な人間には従わねばならん!」
「それは良い!我々を乗せて崑崙山頂まで運ぶがいいぞ!」
「おお、それこそ神獣の務めだろう!」
「ああ、そうじゃ、先ずは結界を解け!」
ポェニクスの背でルーンが(うわぁ…)と呟いた
それが聴こえたポェニクスが
『ルーン、判ったかえ?これが仙人と言う愚か者じゃ』
と小声で教える
しかし普段は楽観的なポェニクスは怒っている
それこそ、ここ数百年無かったほどに怒り
文字通り、怒髪天を突く
そして、一息吸い込むと…
『この愚か者どもめ!!!!』
その声は大気を震わせ、鳳凰の羽が燐光を放つ
『矮小な人の分際で妾を従わせるじゃと?身分を弁えよ!!!!』
「ヒ、ヒィッ!?」
「し、しかし、神獣は優れた者に従う存在じゃないか」
『その通りじゃ、妾達神獣は優れた者に従う…』
『が、それは己ら如き愚か者ではないわ!!!!』
『妾が従うべき存在は此処に座すわ!!』
と、背に乗るルーンを見せる
「我等がゴミだと!?」
「な、なんだそのガキは!」
「数十年もの間、修行してきた我等がゴミだと!」
「タダではおかんぞ鳳凰!」
「そんな子供に神獣が従うというのか!」
「我等仙人という高みにある者を差し置いて!」
『ふぅ…分からぬか…ならば愚か者には死すら生温いな』
『ラン!小朱雀達!』
「「「「「はい!鳳凰様!」」」」」
『この愚か者どもの四肢を焼きなさい』
「「「「「はい!」」」」」
仙人達の手足が燃え上がり灰になると
「ひぎゃあぁぁぁぁぁ…」
「痛い熱いイタイアツイ…」
「うあぁぁぁ…な、なぜこんな真似を…」
『お望み通り、結界を通してあげます』
『喜びなさい!この結界を人が通るのは初めての事です!』
『皆!ゴミを崑崙火口の岩場まで運び置きなさい』
ザアッと小朱雀達が仙人達を取り囲み頭や身体に爪を突き立て掴み運ぶ
「ああぁぁぁぁぁ…痛い…」
「やめろ…やめてくれ…」
そして、火口傍の熱した岩場に置くと
『そのまま飢えて死ぬまで焼かれ己の浅はかさを嘆きなさい』
と言い捨て華焔宮の中へ入っていこうとすると
「うあぁぁぁ…」
「アツイ…イタイ…」
「なにゆえ、こんな仕打ちを…」
「神獣が人に対しこのようなぁ…」
辺りには怨嗟と嘆きの声が響いた
とポェニクスが振り返り
『何故、妾達が取るに足らぬ人如きの都合で動かねばならぬ?』
『その中でも其の方等の様な愚か者の為に?』
『妾達は妾達の都合で動く、人が妾達に真摯に向かい合えば恩恵も齎らす事もあろうがのう』
『神使をも従わせようとする驕り高ぶった其の方等を苦しめ殺す事に何ら逡巡はせぬわ』
フフフと笑いながら、今度こそ振り向きもせず華焔宮へ入って行った
小朱雀達は仙人達の上を舞いながら歌う
「「「「華焔宮を見れて良かったわね♪」」」」
「「「「出来るだけ長く生きて華焔宮を見て逝ってね♪」」」」
「「「「心配しないで♪」」」」
「「「「死んだら私達が輪廻出来ないように滅してあげる♪」」」」
華焔宮の奥の間まで来たポェニクスは
『さてルーンや、呆れたであろう?』
人型になったポェニクスが苦笑すると
『あれも ひと?』
『そうじゃ、あれも人だしルーンが砂漠で会ったのも人じゃの』
『ふ~ん 』
と興味無さそうにポェニクスに付いて行く
『ね~ ぽぇねー ここおうちじゃなくなった?』
『ん~、そういう訳でもないかの?鳳凰に成ったとはいえこの子達の親には変わりはないからの?』
と小朱雀を撫でながら言うと、ランが
「そうでございますよルーン様。私達はポェニクス様の炎から生まれた存在ですから、今までと何も変わりませんよ」
『うん そうだね そうだよね!』
ルーンはニッコリと笑うと
ポェニクスがプルプル震えだし
『あ~~愛いのぉ~』
と、ルーンを抱き竦めた
『むぐぅ~』
「キャー!ポェニクス様!ルーン様が苦しそうですー!」
『おお、妾とした事が…またやってしもうたえ…』
「御気持ちは判りますがお控えくださいませ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
神獣に慈悲はありません
次回は再び森へ帰ります
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