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成長編 東へ
黄龍の力
しおりを挟む水晶宮と龍樹宮には、ほぼ同時に龍宮からの使者が到着し
「「龍王からの伝言を伝える!」」
「北海、水晶宮の主人スティーリアに伝える!」
「南海、龍樹宮の主人プロクスに伝える!」
「「戦仕度を整えたのならば、直ちに攻め込んで来い!」」
「「攻め込んで来ぬのならば、雛の如くピーピー鳴かずに宮に引き籠り眷族とママゴトでもやっておれ!」」
「「以上、伝える!」」
と、誇大に言い捨て龍宮へ帰っていった
その後は案の定、水晶宮と龍樹宮は蜂の巣を突いた様な騒ぎになった
「龍王様が龍宮に帰っておるなど聞いておらんぞ!」
「今更そんな事を言っても始まらん!」
「龍宮に攻め込もうとしていたのは事実だ!」
「今更言い訳をするぐらいなら戦仕度などせぬわ!」
「おのれ龍宮の者め!雛だと!」
「我等の力がママゴトか、目に物見せてくれるわ!」
「「「「「出陣!」」」」」
「「「出陣するぞ!」」」
龍宮の上にロンとルーンが立ち、その周りを幾重にも青龍族が取り巻く
『しっかりと挑発してきたか?』
「はっ!今頃は出立しているかと思います」
『それは重畳、尻の青いガキ共を引っ叩いて赤くしてくれよう』
不敵な笑みを浮かべる
暫くすると、北西から数百の黑龍が
南西からは数百の赤龍がうねりながら龍宮を十重二十重に取り囲んだ
「黑龍スティーリアと眷族、龍宮を頂戴しに参りましたわ」
「赤龍プロクスと眷族、龍宮を貰い受けに参った」
『ほう?龍宮が欲しいのか?己れらにその器があると?我を堕とす事が出来ると?』
「ホホホホホ、もう数百年前の我等では有りませぬよ龍王様」
と、スティーリア
「龍王様と言えど同じ龍の我等を滅する事は出来ませぬからな、数百の龍を相手に如何されまするかな?」
と、プロクス
『ふふん、引き篭もっておる内に思い上がってしまいおって』
と、龍尾を一振りすると100匹あまりの黑龍の頭と胴が離れた
そして赤龍に向かい火焔を口から吐くと50余りが焼け焦げ吹き飛ばされる
スティーリアは少しも慌てず
「流石は龍王様、龍鱗が全く役に立ちませんね。しかし、残念ながら龍の力では同族の龍は殺せません」
見る間に切断された龍の頭と胴がくっつく
プロクスも慌てず
「龍の吐息は芯まで焼く事は出来ませぬな」
吹き飛ばされた龍が再び戻ってくる
ロンが顔を顰めた
『チッ、面倒くさいが一気に堕として縛するか』
と、ルーンがロンの胴をポンポンと叩く
『ねえロンにぃ、ぼくもやっていい?』
『ふむ、龍鱗は硬いが大丈夫かな?』
『うん、だいじょうぶ。だけどロンにぃのかぞくは しんでもいい?』
『ん!?んん~、まぁ仕方が無いな。死なずに済むからと攻め来おったのならば龍の風上にも置けぬバカ共だからな?ルーンよ、遠慮なく殺ってしまっていいぞ』
ルーンが少し浮かび上がると
「ん?あの人型の子は何だ?」
「あの御子はどこの子かしら?」
「まぁいい、新しく生まれた龍の子だろう」
「先ずはあの子を堕としましょう」
赤、黑双方から10匹づつルーンへ向かう
ルーンがそれぞれに手を向けると海中に雷が走り
向かって来た龍達が消し飛んだ
そして、消し飛んだ龍達が何時迄も復活しない事に黑龍と赤龍が慌てだす
「なに!?滅したのか!?」
「龍が滅するだと?」
「そんなバカな事があるのか?」
「あの子は龍じゃないのか?」
「まだ小さな子に龍を滅する事など出来るはずはなかろう!?」
スティーリアが
「龍王様、その御子は?」
『この子はルーン、天帝だが?』
「「「「「はっ?」」」」」
「そ、それは唯一、我ら龍を滅する事が出来る存在と言う事ですか?」
「龍王様は同じ龍族を滅するおつもりか!?」
『逆に聞こうか?殺される事も考えずに戦争を仕掛けてきたのか?』
「「い、いや、それは…」」
「し、しかし!此の世で高貴な龍族なのですよ!」
『とんだ思い上がりだな。天帝ルーンからしてみれば龍とは我、龍王ロンのみ。他の龍は同族と言うだけの取るに足らぬ存在』
『うん』
『であれば、龍王に逆らう様な愚か者はルーンにしてみれば居ない方が良い』
『そうだね、いなくなっていいよ』
『と言う訳だ、今は己れらを生み出した事を少々後悔しておるよ。その点、白龍テュポーンは賢いな?』
と水面の方を見上げると数匹の白龍が漂っている
「御気付きでしたか龍王様」
『ふん、小賢しいなテュポーンよ。我が弱ったら真っ逆さまに襲う手筈ではなかったのか?』
「いえいえ、そんな…まぁ最初は隙あらばと思い、遥か龍渢宮より飛んで参りましたが…天帝様の途方も無い力に感じ入りました。完全に降参致します」
『ふん、強かな事よ。だが命永らえるかはルーン次第だがな?』
「それはそうで御座いましょう。我が見た所、天帝様は龍王様以外此処に居る龍の全てを一瞬で葬り去る力がありますので我はこれから必死で命乞いさせて頂きます」
と、テュポーンと白龍達はルーンの直ぐ側まで降りて来てピタッと伏せ頭を下げた
ルーンは見事な命乞いに呆気にとられ、困った様にロンを見て
『ロンにぃ、どうするの?』
『ルーンが好きにするといい、其方がしたい様にするのを止める者は此の世には居らんよ』
ロンが優しく言う
テュポーンも
「はい、左様で御座います。此処に居るは白龍の全てでありますが悉く滅され様とも異存は有りませぬ」
平伏したまま言ってのけた
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
龍王無双出来なかった…
朝から眼科行きなきゃなのに…
こんな時間まで書いちゃった…orz
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