坊主女子:大衆小説短編集【短編集】

転落母娘

かつての麻衣の生活は、高級住宅街の豪邸での贅沢なものだった。彼女の日々はブランド物の服、高級レストランでの食事、社交界でのパーティーに彩られていた。彩は私立の名門校に通い、何不自由ない生活を送っていた。夫は成功したビジネスマンで、家族に贅沢を与えることができたが、家庭にはほとんどいなかった。

しかし、その裕福な生活は、ある日突然に終わりを告げた。夫の事業が失敗し、莫大な借金を背負うことになったのだ。ストレスと責任の重圧に耐えかねた夫は、家庭を顧みる余裕を失い、ついには麻衣との離婚を選んだ。

「私たちの生活はもう戻らない」と夫は冷たく言い放った。

離婚後、麻衣は裕福な生活とは無縁の状態に追い込まれた。贅沢品を手放し、娘と二人で狭いアパートに引っ越すことになった。彼女は社交界での地位も失い、友人たちとの関係も断たれた。

「ママ、私たち、どうなるの？」彩は不安に満ちた声で尋ねた。

麻衣は深い絶望感を抱えつつも、彩に強い姿を見せようとした。「大丈夫、彩。私たちは一緒に新しい生活を始めるのよ。どこかでね。」

彼女たちは新たな生活を求めて、知人の勧めでその小さな離島にたどり着いた。かつての豪華な生活から一転、すべてを失った麻衣と彩にとって、この島は新しい希望の場所となった。しかし、その新しい生活は想像を絶するものであり、母娘には未知の挑戦が待ち受けていた。

海の風が未来を告げるように、遠く離れた小さな離島の岸辺に吹き付けていた。離婚の傷を背負ったまま、都会の喧騒から逃れてきた麻衣と16歳の娘・彩は、この島を新たな希望の場所として選んだ。

「ママ、これからここが私たちの家なの？」彩が不安げに尋ねた。

麻衣は海を見つめながら、優しく彩の手を握った。「ええ、彩。ここで新しい人生を始めるのよ。」⁡

この島は女性が主導する文化を持ち、女性たちが力仕事も担っていた。島の決まりでは、50歳までの女性は体力に応じて仕事を割り振られるとされ、麻衣と彩には土木工事が割り当てられていた。⁡

「土木工事なんて、本当に私たちにできるの？」彩は心配そうに尋ねた。⁡

麻衣は深く息を吸い込み、「大丈夫、私たちならできるわ。一緒に頑張りましょう」と励ました。⁡

母娘は手を取り合い、新しい生活への一歩を踏み出した。未知の挑戦が彼女たちを待ち受けていたが、麻衣は彩の手をしっかりと握りながら、前を向く決意を固めた。⁡

「ここで、私たちはもっと強くなれるわ」と心の中でつぶやきながら、麻衣は彩と共に島の集落へと歩き始めた。新しい生活、新しい自己を探す旅が、ここに始まる。⁡

朝陽が海面を照らし、麻衣と彩は島の日常に目を覚ました。集落は活気に満ちており、女性たちがそれぞれの仕事に向かう姿が見えた。島には独自の掟があり、麻衣と彩にもその一部として土木工事が割り振られた。⁡

島は港の周りしか開けてなく、将来を見据えて、島民だけで、開拓していた。
島の産業は、素潜り漁が一番稼げる仕事（海女）か船の操縦資格が無い女性は、島の開発の為の土木関連の仕事しかなかった。

この島は、未婚の女性しか住めず、島民の階級制度という島独特の掟などがあった。

「本当に、私たちがこれをやるの？」彩は不安そうに重い道具を持ちながら尋ねた。⁡

麻衣は彩に向かって微笑んだ。「大丈夫、一緒にやりましょう。新しいことに挑戦するのはいつだって大変だけど、強くなれるわ。」⁡
⁡
仕事は思ったよりも過酷で、母娘は朝早くから日暮れまで泥と汗にまみれながら働いた。彼女たちを率いるのは、島の職長であるハルナ。彼女は島の掟に厳しく、新参者である麻衣と彩にも容赦なく仕事を割り振った。⁡
⁡

ある日、ハルナが麻衣と彩を呼び止めた。⁡
*「ここでは皆、新島民は、ツルツル坊主頭にすることになっている。島の掟だ。」⁡
⁡
彩は驚きと不満を露わにした。⁡
「ツルツル坊主頭になんて、私、嫌です！」⁡
⁡
麻衣は彩の手を握りながらハルナに尋ねた。「それは本当に必要なことなのですか？」⁡
⁡
ハルナは真剣な表情で応えた。「これは、私たちの力と団結を示すためのもの。島の掟に従わなければ、ここでの生活は難しい。」⁡
⁡
朝が明け、麻衣と彩は再び土木工事の現場へ向かった。島の掟に従うことは日々の挑戦であり、特に坊主頭にするという決まりは彩にとって受け入れ難いものだった。⁡
⁡
「ママ、どうして私たちが坊主にしないといけないの？」彩の声には怒りと不溝が混ざっていた。⁡
⁡
麻衣は深いため息をつきながら答えた。「ここの掟は厳しいけれど、ここで生きるためには従うしかないのよ…」⁡
⁡
その夜、麻衣は重い決断を下した。彩を守るため、そして島の掟に従うために、自分だけが坊主頭になることを決めた。翌朝、彼女は集落の理髪店に向かい、静かに髪を切ることを依頼した。⁡
⁡
「新島民になります。規則通りの髪型にして下さい」⁡
⁡
「この島で、生きて行く覚悟出来たんですね？」⁡
⁡
「短くしたら、この島では、こんな綺麗な髪型は、二度と出来ないわよ。これからは強い女としての髪型しか出来なくなるわよ」⁡
⁡
理容師から、念押しされた。⁡
⁡
麻依は、⁡「これからは、一人の女として、母として、この島で人生を、やり直す為に来ました。覚悟出来てます。お願いします」⁡と⁡理容師に言った。⁡
⁡
この島に来る女性の事情を知っている⁡理容師は、⁡
「最後のヘアーケアしましょう」と言い⁡麻依の胸下まである茶色の髪の⁡シャンプーの準備をした。⁡
⁡
シャンプー用のケープを巻かれ⁡、床屋のシャンプーを麻依は初めて体験した。⁡
⁡
前屈みでシャンプー台に頭を入れ⁡、シャワーで髪全体を濡らされ⁡、入念に髪の毛は洗われた。⁡
⁡
床屋のシャンプーで⁡、しっかりした化粧も落とされてしまった⁡。
⁡
シャンプー用のケープは外され、⁡カット用の紫色のケープが着けられて⁡、首には真っ黒のネックシャッターを着けられた。⁡
⁡
「貴女、髪の毛長いから、まずは、ハサミで粗切りします」⁡と⁡言われ、肩位の長さに切られた。⁡
⁡

「粗切り出来たから、これから、何種類かバリカンの刃の長さ変えながら、切りますね」と⁡
言われ⁡、長いコームが着いたコードレスのバリカンを持ってきた⁡。
⁡
理容師は⁡「バリカンは、どこから入れる？」⁡
と聞き⁡、⁡麻依は「どこからがいいですか?」⁡と⁡
聞き返した⁡。
⁡
「覚悟決めたいなら、前からバリカンすれば、後戻り出来なくなる」と⁡麻依に教え⁡、麻衣も「じゃあ、前からお願いします」⁡と⁡答えた。

２５ミリのコームが着いたバリカンで⁡刈られ、長さがあるバリカンで刈った髪は、⁡茶色ツンツンたったショートヘアーになった。⁡
⁡
「バリカン大丈夫だった？」⁡と
⁡
「初めてのバリカン、新鮮です」⁡

「次は、もっと短いバリカンで大丈夫？」⁡

「大丈夫です」⁡
⁡
理容師は、２ミリの刃が着いた⁡コード付のバリカンを取り出した。
⁡⁡
バリカンのモーターの回転を調節して、⁡理容椅子についている⁡コンセントにコードを繋ぎ⁡、スイッチを入れ、⁡麻依の頭に⁡バリカンを当てた。⁡
⁡
２ミリのバリカンで刈られた後⁡、丸刈りとなった麻依には茶色い髪の面影はなかった。⁡
⁡⁡
「次、仕上げのバリカンになるからね」
⁡
バリカンの刃を０．５ミリのアタッチメントにして⁡、バリカンのモーターの回転を遅くした。⁡
⁡
０．５ミリのバリカンは、⁡ゆっくり動かされながら⁡短い毛を刈り取って行った。⁡
⁡
鏡の前で、理容師が髪を刈り取るたびに、彼女の過去が断ち切られていくようだった。髪の束が床に落ち、麻衣の新しい姿が現れた。⁡
⁡
五厘刈りになった頭⁡を暖かいタオルで入念に温められた後⁡、シェービングフォームを塗られ、⁡
少しづつ、剃刀で⁡髪を綺麗に剃り落とされた。⁡
⁡

顔剃りも⁡初めて体験し⁡理容師さんのアドバイスで⁡眉の長さ、形も変えて貰った。⁡

麻衣は鏡に映る自分の姿を見つめ、「これで私も、島の一員…」とつぶやいた。⁡
⁡
夕暮れ時、坊主頭の麻衣を見た彩はショックを隠せなかった。「ママ、どうしてそんなことしたの？ 私、こんなの嫌だよ！」⁡
⁡
麻衣は彩を抱きしめようとしたが、彩は拒絶した。「私は絶対に坊主になんかしない！」⁡
⁡
麻衣は彩の反発に心を痛めながらも、「私は島の掟に従っただけよ。でも、彩には無理をさせない。あなたの選択を尊重するわ」と静かに答えた。⁡
⁡
その夜、母娘の間には新たな距離が生まれた。麻衣は島の掟を受け入れ、彩はそれに反発し続けた。二人はこの選択を通じて、互いの立場と感情の複雑さに直面し、新たな試練に立ち向かうことになった。⁡
⁡
日が昇り、麻衣と彩は再び土木工事の現場へ向かった。泥だらけの作業着に身を包みながらも、彼女たちは徐々に島の生活に慣れ始めていた。仕事は依然として厳しく、体は疲労で重かったが、母娘は互いを支え合いながら毎日を乗り切っていった。⁡
⁡
「ママ、今日も一日頑張ろうね」と彩が力強く言った。⁡
⁡
麻衣は彩の成長に心を温かく感じながら、「そうね、一緒に頑張ろう」と応えた。⁡
⁡
工事現場では、他の女性たちとの交流も増えていった。彼女たちは初めは警戒心を持っていたが、麻衣と彩の一生懸命な働きぶりに心を開き始めていた。特に彩の若さと活力は、他の女性たちにも新鮮な風を吹き込んでいた。⁡
⁡
ある日の休憩時間、一人の女性が彩に声をかけた。「ねえ、君はここに慣れたみたいね。若いっていいわね。」⁡
⁡
彩は笑顔で応えた。「まだまだ大変ですけど、少しずつ慣れてきました。」⁡
⁡
麻衣もまた、女性たちとの共有する時間を大切にし始めていた。彼女たちの中には、それぞれの人生と強さがあり、麻衣はその中で自分自身の居場所を見つけつつあった。⁡
⁡
「ここの生活は大変だけど、皆さんのおかげで少しずつ慣れてきました」と麻衣が女性たちに感謝の気持ちを伝えると、彼女たちは暖かい笑顔で応えた。⁡
⁡
母娘の間にも変化が訪れていた。彼女たちは困難を共に乗り越える中で、以前よりも深い絆を築いていた。夜になり、二人が小さな部屋で寄り添いながら、彩は麻衣に言った。⁡
⁡
「ママ、ここでの生活、大変だけど、ママと一緒なら乗り越えられる気がする。」⁡
⁡
麻衣は彩を抱きしめながら、「私もよ、彩。あなたと一緒なら、どんな困難も乗り越えられるわ」と答えた。⁡
⁡
この島での生活は、母娘にとってただの試練ではなく、新しい絆を育む場所になっていた。彼女たちは島の女性たちとの関係を深め、自分たちの居場所を少しずつ築いていくのだった。⁡
⁡

日々は過ぎ、麻衣と彩は島の厳しい生活に徐々に慣れていったが、彩の心には依然として不安と反発が渦巻いていた。母の坊主頭が彩には重たい現実として圧し掛かっていた。⁡
⁡
日々の労働の中で、麻衣は島の女性たちとの絆を深めていた。しかし、坊主頭にするという島の掟は彩にとって依然として重い試練であった。⁡
⁡
ある夜、ハルナが麻衣を呼び止めた。「麻衣さん、島の掟について話したいことがあります。」⁡
⁡
二人は静かに海辺を歩きながら話し始めた。ハルナの声は穏やかだが、その瞳には深い哀しみがあった。⁡
⁡
「ここの掟は、外見以上のものを象徴しているんです。私たちは皆、この島で生き抜くために多くのものを犠牲にしています。坊主頭は、その犠牲と強さの証なんです。」⁡
⁡
ハルナが「島民の髪型、微妙に違うの、わかりますか？」⁡と問いかけた。、
⁡⁡
「土木作業員しかしてないのですが、坊主頭で、長さが違います。リーダさん以上、トラックを運転出来たり、役職がある方は、男性のようにパーマされてますね」⁡
⁡
「この島に来る前に、役所で、この島の事、仕組み、聞いてきたよね？

麻依さん、貴女は二度と結婚できないことを誓約して、娘さんと一緒にこの島で人生再建保護の申請をして、離婚前のような生活を二度と出来ないことを覚悟して、この島に来たのよね?
⁡
この島は、女だけしか住めない島。自分の力で、這い上がるしかない環境なの
⁡
この島にいる女性は、国や村に支援されている部分が大きいです

季節毎に行われる、島の試験を受けて頂きます。合格して行けば、島指定の髪型が変わっていきます」
⁡
春の島民試験は、終わったので、次回は夏、秋になります
⁡
ツルツル頭は、新島民になった方、遅刻等をした懲罰される方の髪型です⁡
⁡
ツルツル頭、卒業したければ、毎日の仕事を、誰よりも頑張り、試験に合格して下さい」⁡
⁡
麻衣は静かに聞いていた。「私たちもこの掟に従います。しかし、それが本当に私たちにとって意味があることなのか、彩が理解できるかどうか心配です。」⁡
⁡
追い打ちを掛けるように、⁡島長のハルナは、麻依に厳しい言葉を掛けた⁡。
⁡
「今度のゴールデンウィーク前までに、娘の彩さんが、島民規則に従えなかったら、別れた夫の所に強制送還し、島に来た費用等を負担して貰う事になり、母親の麻依さん、貴女にも責任を負って貰う」
⁡
ハルナは海を見つめながら言った。⁡
「理解するのは簡単ではありません。でも、ここで生きるということは、そういうことです。互いに支え合い、時には厳しい決断を下すことも含まれます。」⁡
⁡
「彩さんが、島民規則に従い、新島民ヘアーにしたら、貴女達母娘は、島民としての儀式を行い、島民登録します」⁡
⁡
ハルナから、母、麻依に対しての課題を与えられた⁡。

その夜、麻衣は彩にハルナとの話を伝えた。彩は静かに頷いた。⁡
⁡
「ママ、私…坊主にすることにしたわ」とある夜、彩が静かに言った。⁡
⁡
麻衣は心配そうに彩を見つめ、「彩、それは本当にあなたの意志？ 無理はしないで」と優しく言った。⁡
⁡
彩は目を伏せながら答えた。「ここで受け入れられるためには、仕方がないわ…」⁡
⁡
翌朝、彩は麻衣と共に理髪店へ向かった。店内の鏡に座る彩の表情は険しく、緊張が伝わってきた。⁡
⁡
彩は肩下のセミロングの長さの彩の髪⁡を手櫛でとかしながら、理容師に促されて⁡床屋の椅子に座った。⁡
⁡
理容師は、彩に⁡「お母さんの時も聞いたけど、この島の島民として、これから生きて行く覚悟出来てる?」⁡と聞き、⁡彩は、⁡「はい」⁡と⁡静かに答えた。⁡
⁡
「お母さんと同じように切って行くからね」⁡
⁡
理容師さんは6ミリのアタッチメントをつけたバリカンを用意して、⁡理容椅子のコンセントに、バリカンのコードを繋げた。
⁡
理髪師が彩の長い髪にバリカンをあて始めると、彼女の瞳からは涙がこぼれ落ちた。⁡
⁡
彩の髪が一束ずつ床に落ちる度に、彼女の内なる葛藤が露わになった。髪が完全に刈られ、坊主頭の彩の新しい姿が現れたとき、彩は深くため息をついた。⁡
⁡
「これで、私も島の一員…」彩の声は小さく、抑えきれない感情が込み上げていた。⁡
⁡
麻衣は彩を抱きしめようとしたが、彩はそっと抵抗した。「ママ、ごめんなさい。これが私たちの現実なのね…」⁡
⁡
その日以降、彩は坊主頭の新しい自分として、島の生活に適応しようと努めたが、彼女の心には深い痕跡が残っていた。母娘は共に新しい生活を歩み始めたが、彼女たちの心には複雑な感情が交錯していた。島の厳しい掟に従いながらも、彼女たちはそれぞれの心の中で、新たな葛藤と向き合うことになったのだった。⁡
⁡
彩がツルツル頭になった翌日⁡、麻依と彩は、ハルナに呼ばれて⁡島の役場に行き、正式に島民として、登録される事、⁡ゴールデンウィーク初日に島民登録の儀式をする事も告げられた。
⁡
月日が流れ、麻衣と彩は島での生活に深く根を下ろしていった。彼女たちの姿は、島の厳しい掟にも負けない強さの象徴となっていた。島の女性たちとの絆は日に日に強くなり、母娘は新しい居場所をこの地で見つけていた。⁡
⁡

「彩、ここでの生活、どう？」ある日、麻衣が彩に尋ねた。⁡
⁡
彩は微笑みながら答えた。「最初は怖かったけど、今はここが私の家みたい。ママがいるし、皆さんも優しいから。」⁡
⁡
麻衣は彩を抱きしめ、「私も同じよ、彩。ここで私たちは新しい自分を見つけたわ」と言った。⁡
⁡
母娘は島の日常に溶け込み、共に働き、共に学び、共に成長していった。麻衣はハルナとの友情を深め、彩は地元の若者たちとの交流を楽しんだ。⁡
⁡
ある夜、母娘は海を見ながら話し合った。星空の下で、彩は思いを馳せた。⁡
⁡
「ママ、ここに来て良かった。私たち、もっと強くなれたよね。」⁡
⁡
麻衣は星空を見上げながら言った。「ええ、そうね。私たちはここでたくさんのことを学んだ。困難を乗り越える力、そして何よりも、人との絆の大切さをね。」⁡
⁡
彩は母の手を握り、「ママ、これからも一緒に頑張ろうね」と言った。⁡
⁡
麻衣は彩の手を強く握り返し、「もちろんよ。私たちの旅はまだ続いているわ」と答えた。⁡
⁡
母娘はその夜、新たな決意と共に、島の未来への一歩を踏み出した。彼女たちの前には無限の可能性が広がっており、島での経験は彼女たちをより強く、より賢くしていた。麻衣と彩は、新しい人生を歩み始める準備ができていたのだった。