店にきた剣を買い取ったら、事件に巻き込まれました

Salvia

文字の大きさ
4 / 29

第4話 商業ギルド

しおりを挟む
「美味!」


 フードの少女は顔を輝かせながらポッポ焼きを頬張る。無論フードで顔は見えないが、一心不乱に食べるその姿は少女のその顔は想像できた。


「このポッポ焼きというものは一体どういった食べ物なんじゃ?こんな美味しい食べ物始めて食べたのじゃ!」


「これはポッポというモンスターです。小鳥型のモンスターですね。通常の小鳥に比べて骨や筋が少ないので、こういった鳥料理に使われる事が多いです。このポッポ焼きはまず下処理をした後、串で刺し、塩を振って、醤油ベースのソースで塗り焦げないように回しながら焙るとできます。骨が少なく丸ごとそのまま食べれるので見た目はあれですか、値段以上の満足感が得られますね。こういった屋台では定番の料理です」


「ふむふむ。覚えたのじゃ!さっそく帰ったらシェフに作らせるとしよう!」


 アレスはシェフは相当困るだろうな。と、思ったがあえてそこにはふれなかった。


「所でどこか見たい場所などありますか?」


「うーむ、正直この街の事はあまり知らないのじゃ。つい最近ここについたばかりでのう」


「そうですか。では、まずはこの街、ヴェツィは6区に分けられています。ここは商業区になります。今日一日で全ては見るのは無理なのでいくつか絞りましょう」


「うむ、頼む」


「はい、ではまず周りを歩きながらこの商業地区を案内します。商業ギルドはご存知ですか?」


「商業ギルドとな」


「はい、この街の商業組合みたいなものです。各都市ごとに支部はありますが、この街にある商業ギルドもその支部の一つですね」


「その商業ギルドは何をしている場所なのじゃ?」


「基本的な商業同士の組合ですね。いろんな商売のルールや情報共有してる場所です」


「アレスもその商業ギルドやらの一員なのか?」


「そうですね、まだ若輩者ですが、普段は雑貨屋をしています。小売もしてますが、質屋に近いですかね」


「ふーん、そうなのか」


 そんな事を話していると、商業ギルドについた。


「ここが商業ギルドなんじゃな。古風な感じじゃのう」


「入ってみますか?」


「いいのか?」


「ええ、私も商業ギルドの一員ですから。客人という事で入れば大丈夫と思います」


 商業ギルドの扉を開けた。


「あ、アレスさんいらっしゃい」


「ミアさん。こんにちは」


「今日はどのようなご用件で、あらそちらは?」


 アレスの隣にたつフードを被った少女を見て顕現そうな顔をする。


「ちょっとこの街を紹介していてね。今は商業ギルドを紹介しているんだ」


「そうなんですか」


 ミアはフードの少女向き直った。


「こんにちは。えっと」


「シャルじゃ」


「こんにちは、シャルさん。こちらは商業ギルドになります。商業ギルドはご存知で?」


「アレスから少し聞いたのじゃ。商人同士の組合みたいなものじゃろ?商売のルールや情報共有をしている」


「そうですね。主に商業ギルドは市場の安定化を目的に活動してます。商人同士の原価引き下げ、価格制限などのルール作りや組合同士の指導と教育、情報の収集や提供などもおこなっています」


「ほう、いろいろやっておるのじゃな。ふむ、少し気になったのじゃがなんで値段が下がるのを防止するんじゃ?価格が下がる事はいい事だと思うのじゃが」


「いい所に気がつきましたね」


 それを聞いたアレスは生徒に指導するかのように手振りを使いながら説明する。


「もちろん消費者にとっては安いのが1番です。シャロンも先程ポッポ焼きを食べましたよね?」


「うむ、あれは美味であった」


「この消費者というのはポッポ焼きを食べたシャルになります。ポッポ焼きでもし価格競争が起き1本30ダットまで落ちたとしましょう。」


「1本60ダットだから30ダットなら半額じゃのう」


「このポッポの原価は20ダット。そこから人件費を引いたら利益はほとんど残りません。低い生産と悪い労働条件という悪循環がおこり、最終的にポッポ焼きの価格競争を行った商店は共倒れになります。こういった状態を防ぐために商業ギルドでは商人同士でルールを作ったり知識の共有、技術発展などをおこなっているということです」


「なるほど、だからルール作り、規則が必要なわけじゃな」


「そういうことです」


「アレスさんありがとうございます。では次に商業ギルドの内部を紹介します。このギルドは二階建てで私たちが各種手続きなど窓口を担当しております。一階にはロビーといくつかの商談用の談話室があります。二階は事務室になっていて商業ギルドのギルド長の部屋はここにあります」


「なるほどなるほど」


「ああ、そうそう今日はこの子を街の案内しようと思ってね。ミアさん何かいい場所あるかな?」


「中央区にある政治の中心である宮殿は1度見たほうが良いでしょう。港にはこの国最大の造船所があります。この街の中心部である広場では露天や商店が立ち並び一度行ってみるのはいいかもしれません」


「シャル何か気になる場所ありましたか?」


「全部きになる。特に宮殿というのは気になるのう」


「ではまず一つずつ見に行って最後に宮殿に行ってみましょうか。ミアさんありがとうございました」


「どういたしまして。シャルさんもぜひ満喫してくださいね」


「無論じゃ!」





「ここが最後の中央区にある宮殿です。この建造物にはこの街の議長が住んでいます。アーチ型の柱が特徴ですね」


「立派な建物じゃのう。これだけの建物に住むほどの人物だから、この街では相当な力を持ってそうじゃ」


「そうですね。議長は評議会の採決で選びます。今の人物は4期目ですね」


「1期は何年なのじゃ?」


「1期は5年ですね」


「なんと!では20年もこの街の議長をしておるのか!」


「今の議長はかなり長期になっていますね。黒い噂もたえない人物ですが、その手腕は確かです。さて、だいぶ日が暮れてきましたね。最後のフィナーレを見せましょう」


 フードの少女を手をさしのべ誘導する。


「ここです」


「おお!!」


 海に沈む夕日と、潮の満ち引きで濡れた街道がその光と反射して、荘厳な雰囲気をかもしだしていた。


「これは、素晴らしいのう」


「いい街でしょう?」


「ああ、いい街じゃ」


 静かに夕日を見つめるフードの少女をアレクは後ろから見つめていた。


「見つけた!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...