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ワタクシの長い1日(モーリスside )
しおりを挟むワタクシは無事に御子が誕生された事を、レオナルド陛下に報告に向かいました。
陛下は複雑そうな表情ではございましたが
「ご苦労であった…」
と労って頂きました。
そして今後は予定通りに頼むと、横に仕えていたギース宰相がおっしゃいます。
予定とは…
オスカー王子とバネッサ王妃を引き離す事にございました。
確かにバネッサ王妃は御子に関心があるとは思えません。
それは10の月ほど側に仕えたワタクシが良くわかっております。
その為にオスカー王子のお世話をする乳母グループが結成されております。
「承りました。」
ワタクシは、陛下に礼をして退室いたしました。
ふぅーー
流石にワタクシも疲れました。
現役の頃、10代20代とは体力が違います。
乳母グループに指示を出してバネッサ王妃の様子を見たら今日はもう一旦休ませてもらいましょう。
などと考えていたのですが、この後ワタクシは疲労感など忘れ驚きの連続を経験するのでございました。
眠っているだろうと控えめにドアをノックすると、意外にも返事がございました。
返事?
バネッサ王妃が返事をした事なんてあったでしょうか?
ワタクシは違和感を覚えながらも部屋に入ると、ベットに横になって何か思い詰めた様子のバネッサ王妃がおられました。
しかし…
一言二言声をお掛けしても反応がございません。
どうされたのでしょうか?
常に感情MAXで嵐の様な方ですのに…
ワタクシはバネッサ王妃の関心を引こうとレオナルド陛下の話しをしました。
陛下はバネッサ王妃に会いに来るつもりはないでしょうから…
バネッサ王妃も少しお可哀想な方ではございます。
レオナルド陛下をお慕いされているのは誰の目にもわかる事なのですが、陛下からは完全に避けられております。
先程も陛下はバネッサ王妃の事はひと言も触れませんでした。
国王の後継者で王子を産むと言う偉業をなした方ではあるのに…
ワタクシは思わず以前から決まっていた王子の名前とレオナルド陛下が気にかけていた様な事を申してしまいました。
それでも反応はございません。
いよいよ様子がおかしいかと思い
「バネッサ王妃?」
少し大きめな声で呼びかけました。
するとガバッとベットから起き上がり、ご自身の乳房を押さえながらオスカー王子は何処だとおっしゃいました。
意外な反応に思わずワタクシ顔を上げてしまいました。
本来なら王族の方の許可が無ければ頭を低くしていなくてはなりません。
まあ、バネッサ王妃が許可を出した事は一度も無いので、王族の仕様をご存知無いのだとは思いますが…
それからは
しょにゅう?
と何やらまた聞き慣れない単語をおっしゃってオスカー王子を連れてこいと声を荒げました。
ワタクシは不審に思いながらも命令に従うしかございませんでした。
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