転生した王妃は親バカでした

ぶるもあきら

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生後3ヶ月の天使と肉Power

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我が天使オスカーが産まれて3ヶ月。
さらに可愛さがグレードアップした。

まず首が座った事により抱っこが断然楽になった。
まあ、あの頭を支える様に横抱きするのも好きだったけどねー

あやすと笑う様になった。
もう悶絶モノである。
オスカーの瞳は予想通り紫色だったが、レオナルド陛下の瞳より深く濃い紫だった。
私の黒が混ざったからかしら?
その瞳で微笑まれたらもう虜よトリコ!
生後3ヶ月でなんて恐ろしい子!!

意味の無い言葉を発する様になった。
ダーとかウーとか短い音だけど、返事してあげるとまたキャッキャと笑う。
あかん…ごはん3杯イケるわ…

そんなこんなで反応があるのが可愛すぎて私も乳母sも一緒になってオスカーを構うのだ。

それから私の周りの人達の変化もあった。

「バネッサ様今日もダリルからお花預かりましたよ」

キチンと棘の処理がされた黄色いバラを一輪挿しに挿れてマリーヌが持って来た。

ダリルとは庭師の青年で、まだ外に出れないオスカーに見せたいから一輪だけ花をくれとお願いした時は、無愛想に切ってくれたのだが最近は毎日違う花が一輪届く。

「あら!オスカー今日は黄色いバラでちゅよ~」

私もそれを嬉々としてオスカーに見せる。

小さい頃から美しいモノを見せたり聴かせたりすると心が豊かになると日本の育児書で読んだ記憶があると言うのもあるが、この世界には赤ちゃんの玩具がない。
天井からぶら下がってクルクル回るヤツもオキアガリコブシも手に持って振るガラガラも何もないのだ。
だからせめて花くらいはと思ったのが始まりだった。

「あと御者がこれをバネッサ様にって言ってました。」

そう言って手渡された物を見ると、日本の夏にはお馴染みの…


「あら!ステキ風鈴じゃない。」


早速テラスに続くガラスドアの桟に付けてドアを全開に開けた。
緩やかな風が吹き込むと同時にチリチリンと風鈴から音がする。
マリーヌも乳母sもその音を聞いて驚いていた。

「綺麗な音ですねー」


これもオスカーの玩具代わりにと、よく街へ出る御者に音が出る物があったら買ってきて欲しいと今朝頼んだからだろう。
こんなに早く見つけて来てくれるなんて驚きだわ。

この中世ヨーロッパ的な部屋に風鈴とは、なんとも微妙な組み合わせだけどオスカーが音が鳴るとキャッキャ喜んでるからアリだと思います!

他にも乳母sをはじめ、侍女や使用人達が何かと優しくなった。

バネッサはめっちゃ嫌われキャラのはずなのになんで??
と思ったら、マリーヌが言うにはプラント侯爵家からの肉をロニー達料理人が調理して皆んなで食べたらしい。

確かに大量過ぎる肉に困って働いてる皆んなで食べてとロニーに丸投げしたけど、それで皆んな感謝してくれてるのかぁー


恐るべし肉Power!!


まあ、領地の人達も使用人達も皆んな幸せならいいかーと、オスカーを抱っこしながらほんわかhotな気持ちになった所だったのに…


「バネッサ王妃、明日レオナルド陛下が夕食を一緒にと前触れがありましたがいかがなさいますか?…」


と、モーリスのcoolなひと声

はぁ?
なんでバネッサが陛下とご飯なの?
そんなイベント、今までも原作でも無かったでしょ??


「それって断る訳には…」


チラリとモーリスを見ながら聞くと…


「可能でございますが、そろそろ陛下にもオスカー王子と対面していただいた方が良いかと思いますが?」


そうか…
忘れてたけど、オスカーからしたら一応父親なのよね。

てかアイツ3ヶ月も経ってるのに1度も息子に会いに来ないってなんなの!!
やっぱり元夫と同じ人種なのよ。
よくよく考えると聖女と恋に落ちるってそれ浮気やし不倫やん!
殺されるくらいなら聖女と2人分慰謝料取ってとっとと別れるわ!


と、勝手に1人プリプリ怒りを感じながら夕食の誘いを受ける事にしたのだった。




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