転生した王妃は親バカでした

ぶるもあきら

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暗躍いたします。(モーリスside)

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ワタクシは今、レオナルド陛下とレパール様に提出する報告書を書いておりますの。

最初は苦痛で仕方なかったこの作業も、最近は1番の楽しみに変わりましたの。

何故って?

扇子の後ろでクスクス笑われるレパール様と、目を丸くして驚かれるレオナルド陛下の姿が想像できるからですわ。

レオナルド陛下はバネッサ王妃の行動を完全に疑っておりました。

(自ら母乳を飲ませて、沐浴もして、オムツもかえて、常に同じ部屋で過ごす。)

の一文には明らかに驚愕の顔で、


「これは誠か?」


と聞いてきますの。


「誠でございます。」


と、いつもお答えしているのに陛下はバネッサ王妃のお兄様でいらっしゃるギース様に様子を見にいかせました。

結局ギース様からも同じ事を聞く事になるのですが…

そしてようやくレオナルド陛下ご本人でバネッサ王妃に会いに行かれました。

陛下の事ですから、少し顔を見て2言3言話して終わりそうでしたので夕食を一緒にとられる様に進言しましたわ。

これには陛下もバネッサ王妃も面白いほど動揺いたしまして、ワタクシもニヤリと…
あら、失礼しました。

それにしてもバネッサ王妃はすっかりオスカー王子に夢中で、あれほどお慕いしていた陛下を不思議と完全排除されてますの。

このままでは良くありませんわ。

結果、食事は成功したと言えますわね。
その後、オスカー王子に会いたいと言う陛下を多分斜め上の方から見ているバネッサ王妃にそろそろ授乳の時間だとお伝えすると、
ふふふっ…陛下の腕を掴んで飛んで行きましたわ。

ちょっとしたハプニングもございましたが無事に父子の対面を果たされたのです。

バネッサ王妃は(ラッキースケベ)とまたわけのわからない事を言っておりましたが、あれもまた奥手な陛下には良いスパイスでございましょう。

それから(お食い初め)と言う謎の儀式にはとうとうレパール様まで参加されて、さすがのワタクシも驚きました。

しかし、この(お食い初め)
オスカー王子にお膳を用意すると言われても、まだ王子には食べられない物ばかりでございます。


「食べるふりだからいいのよ。」


と、バネッサ王妃は言われますが全く意味がわかりません。

ですが、オスカー王子を囲んで皆様で笑い合う姿には少し感動いたしました。
こうやって家族の形になっていくのでしょう。

陛下も段々積極的になられて、最近はワタクシを通さなくとも王妃宮に来られてはバネッサ王妃やオスカー王子と過ごされております。

しかし、陛下は、まだまだでございました。

お披露目の時のドレスでございます。
バネッサ王妃は今までのドレスはどれも着れません。

それなのにバネッサ王妃も作る気配がございません。

お食事の時はワタクシが慌ててレパール様にお借りしましたが、今回はそう言うわけにはいきませんのよ。

ドレスは女性の戦闘服でございます。
周りに侮られ無い様に、王妃様に相応しい格式高い物を用意しなくてはなりません。


「陛下、ドレスを贈られてはいかがですか?」


と進言しましたら慌てて選んでおりましたが、結局陛下の色をまとわせて、ちゃっかりお揃いにしておりました。


レオナルド陛下もバネッサ王妃も御子がおられるとは思えないほど奥手なのでごさまいます。

このままでは現状維持、良くてお友達止まりでごさまいます。


これからもワタクシがお2人を上手く誘導してオスカー王子の御兄弟が出来る様に暗躍していかなければ…


と強く決意いたしました。


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