転生した王妃は親バカでした

ぶるもあきら

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これをフラグと言うんだぜ!

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「バッサー!まだ終わらないのかい?」

我が国の国王ともなる人がチョロチョロ厨房にまで顔を出して私に声をかけた。

無事に王宮に到着したアリス王女は、現在帰国パーティーの真っ最中である。

料理を仕切っている私は厨房から離れられずにまだ会場へ行けないせいでこうやってレオが様子を見にくるのだった。


「後、デザートを並べて終わりだからもう少しよ」


視線はケーキに向けたままレオに返事をすれば


「ん、わかった!」


と、椅子に座り込む


「え?先に行ってて平気よ?」


予想外の行動に思わず手を止めてレオに言えば


「やだ、一緒に戻る」


って、子供かっ!

オスカーはどうしたのかと聞けば、レパール様が抱っこして離さないらしい…

まあうちの天使オスカーが可愛いのはわかるけど…

多分レパール様、アリス王女と2人で間が持たないんだろうなー
だからついオスカーを構っちゃうんだ

などとレパール様の心情を予想していたりもした。


全ての料理の段取りを終えて、後はロニー達料理人に任せた私は、マリーヌに身だしなみを簡単に整えて貰ってからレオにエスコートされて会場に向かう

今日のパーティーはさほど大きな物では無いが、一応王妃ですからさすがにエプロンに三角巾では行けないよね。


もうパーティーは始まっているのだし、入場するのに大袈裟な名前のコールはやめてもらってコソッと会場に入る事にした。

高台の席にレパール様と膝の上にはオスカー、隣にはアリス王女らしき女性が見えた。

正直、原作に見た目の記述も無かったくらいのキャラなので私からすればはじめまして状態なのだが、しっかりと王族の証である美しい金髪にスラリとスタイルの良い王女様だった。


「待たせたな…」

高台の席につくとレオが声を掛ける。
その声にパッと顔を上げたアリス王女とバッチリと目が合った。


「マァー!」


オスカーも私に気がついて手を伸ばすが
その手をレオが掴みオスカーを抱っこした。


「バネッサちゃんお疲れ様、大変だったでしょー?」


レパール様は微笑みながら、私の手を取り席に誘導してくれるのだが、


「え?誰?」


ボソッと呟くアリス王女…

しっかり聞こえてますよー
まあ気持ちはわかるけどねー


「アリス王女、お久しぶりでございます。お元気そうで何よりですわ」


すっかりキョトン顔のアリス王女に一応礼儀ですからね、挨拶のカーテシーをした。



「嘘でしょ?バネッサなの!?」


はい、呼び捨て頂きましたー
嫌われてるの確定でございますー


「アリス!」


レオが嗜めるように声を掛けるが全く耳に入ってない様子でガン見していますよー

仕方ないわね…


「出産をしましたら少し痩せたみたいですの」


伝家の宝刀(出産)を発動!


何かと周りから言われる事の多い私は全て出産を理由に乗り切ってきた

痩せましたね→出産しましたから
優しくなりましたね→出産しましたから
大人しくなりましたね→出産しましたから

これさえあればほとんどカバーできるのだ


「いや、いくらなんでも…」


おっと、そして突っ込まれる前に話題をかえるのだ


「今日のお料理は私が作りましたの?お口にあいまして?」


そう言って首をコテン
あざと可愛い女子の必殺技だ


「はぁ?バネッサが料理ー!!」


2度目の呼び捨ての後、なぜかオロオロしだすアリス王女
あ、毒でも入ってると思われたとか?


「本当、バネッサちゃんの料理はいつも美味しいわー」


すかさずレパール様のフォローが入ったところでレオと私も席に座った。


すると、後ろにいたゲンが素早く近づいて私に耳打ちしようとする


「あの後ろの…」


バターン!


その時、アリス王女の後ろに控えていた侍女が突然倒れたのだ。


「ハンナ!」


なぜか私の後ろに控えていたモーリスが瞬時に反応して名前を呼ぶ

アリス王女も慌てて立ち上がり倒れた侍女に駆け寄った。


「医療士を、いや医務室に運べ!」


レオの命令に、1番近くにいる力をの強い男性って事でゲンが抱き上げて医務室へと運んで行く


「バネッサ!あなた何をしたのっ!」


そしてなぜか次の瞬間にはアリス王女に射抜かれんばかりに睨まれながら言われるのだった…


へ?
私ですか?

まさかここで悪役で大ボスのフラグが立ちました?






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