56 / 105
第二章 魔王と戦争
第56話 対ロックワームクイーン
しおりを挟む
冒険者達の悲鳴を聞き後ろを振り向くと、さっきまで戦っていた二十体のロックワームより更に一回りもでかいロックワームがその大きな口で二人の冒険者を丸呑みする所だった。
「な、何!? あのロックワーム。今までのより全然大きいよ」
ミコトの驚愕の声にバランの口から出たのは、諦めの声だった。
「ロックワームクイーン……。群れが来たから気になっていたが、やはり残った一体は奴だったか」
残った一体?
バランはどうやらロックワームが全部で二十一体居た事を知っていたみたいだ。
「ロックワームクイーンって?」
「その名の通り、あいつらの女王だ。全てのロックワームはクイーンが産み出す。あいつがいる限り、ロックワームは潰えない……」
実際、冒険者を喰ったロックワームクイーンの体がもぞもぞと蠢いたかと思うと、尻の方から何か岩の塊のようなものが産み落とされた。
「卵だ!」
「卵を壊せ!」
冒険者達も相手がロックワームクイーンという事を知っていた。そして産み出された物が卵である事も。ロックワームクイーンの動きに注意しながら、六人がかりで卵の破壊に取り掛かる。
クイーンも卵を破壊されまいと冒険者達を横に薙ぎ、振り払う。卵の表面に罅が入ったかと思うと、中から十体のロックワームの幼生が生まれて来た。
「げぇ、気持ち悪い」
<紅蓮>を拳に纏わせ、ロックワームの幼生へと投げつける。まだ生まれたばかりの幼生は大した防御も無いのか簡単に燃えて灰となり、光の粒子として消えた。
「良かった。簡単に倒せた」
だが、幼生を殺した俺に対しクイーンが怒りを露わにする。横薙ぎを喰らって倒れていた冒険者を一人丸呑みすると、こっちへ向かって来た。その間に生き残った冒険者達は必死に逃げ始めた。
「お前たち、俺を置いて逃げろ」
バランがもう無理だとばかりに俺たちに逃げ出すように促す。ミコトは俺の顔を見ている。それは逃げるの? と言っているのだろう。俺は首を横に振り、
「逃げるわけないじゃないか」
そう一言だけ言うと、向かって来るクイーンの方へと駆け出した。
「馬鹿野郎、置いていくんだ」
「行かないですよ。大人しく治療されていてください」
ミコトはバランの治療を続けていた。
俺は<紅蓮>を拳に纏い、クイーンへと投げつける。炎が当たるとクイーンは一瞬動きを止めるが直ぐに動き出す。
「思った通りロックワームより硬いみたいだな」
クイーンは<ロックアロー>を俺に向けて飛ばす。飛んできた土の矢を躱すと、クイーンが体を横にし飛び込んで来ていた。回避は間に合わない。両手でクイーンの体当たりをガード。クイーンのパワーに吹き飛ばされる。
「くっ。だけど、一撃で死ななくなった。俺も強くはなってきているんだな」
クイーンは俺を丸呑みしようと追い掛けて来ていた。すぐに体勢を立て直し、クイーンの突進を躱しつつ、殴りつけると、右拳に装備していたファイアナックルが砕けた。
「え!? さっきのガードで耐久値が限界まで来ていたのか!?」
左拳のファイアナックルを見れば罅が入っていた。この状態で思い切り殴りつければ砕けて当然か。だけど、俺は<錬装>で素材を武器に変える事は出来ても、耐久値を回復させる手段を持っていない。
だから、左手のファイアナックルももうどうにもならない。なら、攻撃して少しでもダメージを与えるんだ。
「<疾風>!」
左の高速突きに耐えられず、ファイアナックルは砕け散った。すぐに変わりの装備を取り出し拳に装着する。
「オーガファングとゴブリンハイクロー。いけるか?」
クイーンが再び体当りをしてきた。また装備を破壊されたら大変だ。何とか飛び上がり回避すると、飛び越した所で背後から殴る。
カン!
如何にも全く効いていない音が響く。やっぱり駄目か。だったら<衝波>の出番だ。
効率は悪くても確実にダメージを与えられる。<衝波>を放つ為に、右拳に力を込める。すると、何かを察したのかクイーンが地面へと潜ってしまった。
「くそっ! どこから出てくる!?」
いつでも反撃出来るように周囲を警戒する。だが、クイーンが現れる様子が無い。
「逃げたのか?」
ミコト達の方を見るとバランが首を横に振っている。クイーンはまだここにいると言っているのだ。ミコトはというと、<ヒール>の使い過ぎで魔力切れを起こしたようだ。怠そうに回復薬を飲んでいた。
「何処から出てくる?」
足下に意識を集中してみる。地響きなどは感じない。クイーンもこちらの様子を伺っているのかもしれない。警戒を解くことなく待つこと五分。
「まさか、俺たちが立ち去るまで潜ったままのつもりなのか?」
ミコト達の元へと走って戻る。
「バランさん、立てますか?」
「ああ。お陰で動けるようにはなったよ」
「クイーンの動きが無い。今の内に逃げたほうが良くないかな?」
「そうね。私もMPがまだ回復しきれていないし、逃げられるならその方がいいかも」
「俺のスキルだと、奴はまだこの辺りに潜んでいる。逃して貰えるか分からないぞ」
そうは言っても、出てこないのだからしょうがない。クイーン自身にダメージは殆ど入っていない。それでも姿を隠しているのは、何故か? 地中で卵を産んでいる? そう考えれば、俺たちは無視してじっとしているという可能性はある。
先に逃げ出した冒険者達とも合流する必要がある。五人はそれぞれ違う方向に逃げ出している。合流するのも大変な筈だ。
「とにかく、行こう」
俺がこの場から離れる事を促したその時、バランが俺達を押し離した。
バクッ!
俺達を押したその両手がクイーンの大きな口に持っていかれた。
「ぐわぁぁぁっ」
バランの腕から血飛沫が上がる。ミコトが慌てて<ヒール>をかける。クイーンは勢いよく地中から飛び出ると、尾を振り回す。俺はその直撃を受け、吹き飛ばされる。
「うぁっ」
吹き飛ばされた勢いのまま地面に叩きつけられる。クイーンは俺たちを逃がすつもりは全くなかったのだろう。寧ろ、動かないことでこちらの油断を狙っていたのか。
吹き飛ばされた体が痛い。
動けない事は無いが、俺の攻撃は効かない。ミコトもバランの治療で攻撃に参加する余裕は無い……。
「参ったな。どうするか」
クイーンは追い打ちをかけようと俺の方へと向かって来ている。その時、アルが念話で語り掛けて来た。
『アスカ、何で加護の力を使わないのぉ?』
「な、何!? あのロックワーム。今までのより全然大きいよ」
ミコトの驚愕の声にバランの口から出たのは、諦めの声だった。
「ロックワームクイーン……。群れが来たから気になっていたが、やはり残った一体は奴だったか」
残った一体?
バランはどうやらロックワームが全部で二十一体居た事を知っていたみたいだ。
「ロックワームクイーンって?」
「その名の通り、あいつらの女王だ。全てのロックワームはクイーンが産み出す。あいつがいる限り、ロックワームは潰えない……」
実際、冒険者を喰ったロックワームクイーンの体がもぞもぞと蠢いたかと思うと、尻の方から何か岩の塊のようなものが産み落とされた。
「卵だ!」
「卵を壊せ!」
冒険者達も相手がロックワームクイーンという事を知っていた。そして産み出された物が卵である事も。ロックワームクイーンの動きに注意しながら、六人がかりで卵の破壊に取り掛かる。
クイーンも卵を破壊されまいと冒険者達を横に薙ぎ、振り払う。卵の表面に罅が入ったかと思うと、中から十体のロックワームの幼生が生まれて来た。
「げぇ、気持ち悪い」
<紅蓮>を拳に纏わせ、ロックワームの幼生へと投げつける。まだ生まれたばかりの幼生は大した防御も無いのか簡単に燃えて灰となり、光の粒子として消えた。
「良かった。簡単に倒せた」
だが、幼生を殺した俺に対しクイーンが怒りを露わにする。横薙ぎを喰らって倒れていた冒険者を一人丸呑みすると、こっちへ向かって来た。その間に生き残った冒険者達は必死に逃げ始めた。
「お前たち、俺を置いて逃げろ」
バランがもう無理だとばかりに俺たちに逃げ出すように促す。ミコトは俺の顔を見ている。それは逃げるの? と言っているのだろう。俺は首を横に振り、
「逃げるわけないじゃないか」
そう一言だけ言うと、向かって来るクイーンの方へと駆け出した。
「馬鹿野郎、置いていくんだ」
「行かないですよ。大人しく治療されていてください」
ミコトはバランの治療を続けていた。
俺は<紅蓮>を拳に纏い、クイーンへと投げつける。炎が当たるとクイーンは一瞬動きを止めるが直ぐに動き出す。
「思った通りロックワームより硬いみたいだな」
クイーンは<ロックアロー>を俺に向けて飛ばす。飛んできた土の矢を躱すと、クイーンが体を横にし飛び込んで来ていた。回避は間に合わない。両手でクイーンの体当たりをガード。クイーンのパワーに吹き飛ばされる。
「くっ。だけど、一撃で死ななくなった。俺も強くはなってきているんだな」
クイーンは俺を丸呑みしようと追い掛けて来ていた。すぐに体勢を立て直し、クイーンの突進を躱しつつ、殴りつけると、右拳に装備していたファイアナックルが砕けた。
「え!? さっきのガードで耐久値が限界まで来ていたのか!?」
左拳のファイアナックルを見れば罅が入っていた。この状態で思い切り殴りつければ砕けて当然か。だけど、俺は<錬装>で素材を武器に変える事は出来ても、耐久値を回復させる手段を持っていない。
だから、左手のファイアナックルももうどうにもならない。なら、攻撃して少しでもダメージを与えるんだ。
「<疾風>!」
左の高速突きに耐えられず、ファイアナックルは砕け散った。すぐに変わりの装備を取り出し拳に装着する。
「オーガファングとゴブリンハイクロー。いけるか?」
クイーンが再び体当りをしてきた。また装備を破壊されたら大変だ。何とか飛び上がり回避すると、飛び越した所で背後から殴る。
カン!
如何にも全く効いていない音が響く。やっぱり駄目か。だったら<衝波>の出番だ。
効率は悪くても確実にダメージを与えられる。<衝波>を放つ為に、右拳に力を込める。すると、何かを察したのかクイーンが地面へと潜ってしまった。
「くそっ! どこから出てくる!?」
いつでも反撃出来るように周囲を警戒する。だが、クイーンが現れる様子が無い。
「逃げたのか?」
ミコト達の方を見るとバランが首を横に振っている。クイーンはまだここにいると言っているのだ。ミコトはというと、<ヒール>の使い過ぎで魔力切れを起こしたようだ。怠そうに回復薬を飲んでいた。
「何処から出てくる?」
足下に意識を集中してみる。地響きなどは感じない。クイーンもこちらの様子を伺っているのかもしれない。警戒を解くことなく待つこと五分。
「まさか、俺たちが立ち去るまで潜ったままのつもりなのか?」
ミコト達の元へと走って戻る。
「バランさん、立てますか?」
「ああ。お陰で動けるようにはなったよ」
「クイーンの動きが無い。今の内に逃げたほうが良くないかな?」
「そうね。私もMPがまだ回復しきれていないし、逃げられるならその方がいいかも」
「俺のスキルだと、奴はまだこの辺りに潜んでいる。逃して貰えるか分からないぞ」
そうは言っても、出てこないのだからしょうがない。クイーン自身にダメージは殆ど入っていない。それでも姿を隠しているのは、何故か? 地中で卵を産んでいる? そう考えれば、俺たちは無視してじっとしているという可能性はある。
先に逃げ出した冒険者達とも合流する必要がある。五人はそれぞれ違う方向に逃げ出している。合流するのも大変な筈だ。
「とにかく、行こう」
俺がこの場から離れる事を促したその時、バランが俺達を押し離した。
バクッ!
俺達を押したその両手がクイーンの大きな口に持っていかれた。
「ぐわぁぁぁっ」
バランの腕から血飛沫が上がる。ミコトが慌てて<ヒール>をかける。クイーンは勢いよく地中から飛び出ると、尾を振り回す。俺はその直撃を受け、吹き飛ばされる。
「うぁっ」
吹き飛ばされた勢いのまま地面に叩きつけられる。クイーンは俺たちを逃がすつもりは全くなかったのだろう。寧ろ、動かないことでこちらの油断を狙っていたのか。
吹き飛ばされた体が痛い。
動けない事は無いが、俺の攻撃は効かない。ミコトもバランの治療で攻撃に参加する余裕は無い……。
「参ったな。どうするか」
クイーンは追い打ちをかけようと俺の方へと向かって来ている。その時、アルが念話で語り掛けて来た。
『アスカ、何で加護の力を使わないのぉ?』
0
あなたにおすすめの小説
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる