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第3章 投資ロマン
第一夜 投資ととうきとラーメンと
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「投資と投機の違い、説明できるか?」
そんなことをつぶやきながら、俺はテーブルに置かれた湯気立つラーメンに箸をのばした。
スープはこってり、麺はかため、味玉トッピング。そして、ノージンジャー。俺の信条だ。
あれは、社会人になって数年経った頃だった。
日々の暮らしに少し余裕が出てきた反面、貯金口座にお金を入れているだけではほとんど増えないことに気づいた。
「このまま銀行に寝かせてても、マイナス金利で実質目減りしていくんじゃないか?」
そんな漠然とした不安が、投資に目を向けたきっかけだった。
今なら「FIRE」なんて言葉が流行っていて、早期退職して投資で自由に生きる人たちの話もよく聞くけど、
俺が初めてその世界に足を踏み入れた頃は、まだITバブルがはじけた後で、世の中全体が沈んだ空気に包まれていた。
きっかけは、夜に何気なく見ていたYouTubeだった。
仕事帰り、いつものようにスマホでラーメン動画を探していたつもりが、なぜかおすすめに出てきた「30代で資産3000万!?」という投資チャンネル。
半信半疑で再生してみると、意外と地に足のついた話をしていて、変な煽りもなかった。
「会社員をやりながら、少しずつ株を買って資産を増やす」
その言葉が、自分の生活にも当てはまりそうで、じわじわと頭の中に残った。
そうして、俺は初めて証券会社の口座を開いた。
当時は情報も今ほど多くなく、どこが良いのか迷ったが、初心者向けと評判だったネット証券のひとつを選んだ。
口座開設は意外と簡単で、ネットから申込み、本人確認書類を送るだけ。数日でIDとパスワードが届いた。
「いよいよ、株が買える…!」
初めてログインしたときの、あの高揚感は今でも忘れられない。
ただし、いざ銘柄選びとなると、何を基準に選べばいいかさっぱりわからない。
知っている会社の名前が並んでいるが、株価はまちまち。買ったあとに何が起きるかも想像できなかった。
だからこそ俺は、“長く付き合える企業”を選ぶというスタンスに落ち着いた。
一発逆転よりも、じわじわと積み上げていく。
たとえばラーメンも、期間限定の新メニューに飛びつくより、いつもの定番を選ぶほうが安心するタイプだ。
それが、俺の「ノージンジャー投資法」──無理せず、ブレず、焦らず。
投機は流行に乗って短期で利益を狙う行為。
一方で投資は、企業や社会にお金を預け、育てるように利益を得る考え方だ。
俺は、後者が性に合っていた。
もちろん最初はうまくいかないことも多かった。
でも、少しずつ経験を積んで、銘柄の選び方や、経済の流れに目を向ける習慣がついていった。
ラーメンのスープを飲み干しながら、俺は思う。
「ああ、これもノージンジャーやな」
この日常のなかに、もうひとつの冒険がある。
それが、俺にとっての“投資”や。
そんなことをつぶやきながら、俺はテーブルに置かれた湯気立つラーメンに箸をのばした。
スープはこってり、麺はかため、味玉トッピング。そして、ノージンジャー。俺の信条だ。
あれは、社会人になって数年経った頃だった。
日々の暮らしに少し余裕が出てきた反面、貯金口座にお金を入れているだけではほとんど増えないことに気づいた。
「このまま銀行に寝かせてても、マイナス金利で実質目減りしていくんじゃないか?」
そんな漠然とした不安が、投資に目を向けたきっかけだった。
今なら「FIRE」なんて言葉が流行っていて、早期退職して投資で自由に生きる人たちの話もよく聞くけど、
俺が初めてその世界に足を踏み入れた頃は、まだITバブルがはじけた後で、世の中全体が沈んだ空気に包まれていた。
きっかけは、夜に何気なく見ていたYouTubeだった。
仕事帰り、いつものようにスマホでラーメン動画を探していたつもりが、なぜかおすすめに出てきた「30代で資産3000万!?」という投資チャンネル。
半信半疑で再生してみると、意外と地に足のついた話をしていて、変な煽りもなかった。
「会社員をやりながら、少しずつ株を買って資産を増やす」
その言葉が、自分の生活にも当てはまりそうで、じわじわと頭の中に残った。
そうして、俺は初めて証券会社の口座を開いた。
当時は情報も今ほど多くなく、どこが良いのか迷ったが、初心者向けと評判だったネット証券のひとつを選んだ。
口座開設は意外と簡単で、ネットから申込み、本人確認書類を送るだけ。数日でIDとパスワードが届いた。
「いよいよ、株が買える…!」
初めてログインしたときの、あの高揚感は今でも忘れられない。
ただし、いざ銘柄選びとなると、何を基準に選べばいいかさっぱりわからない。
知っている会社の名前が並んでいるが、株価はまちまち。買ったあとに何が起きるかも想像できなかった。
だからこそ俺は、“長く付き合える企業”を選ぶというスタンスに落ち着いた。
一発逆転よりも、じわじわと積み上げていく。
たとえばラーメンも、期間限定の新メニューに飛びつくより、いつもの定番を選ぶほうが安心するタイプだ。
それが、俺の「ノージンジャー投資法」──無理せず、ブレず、焦らず。
投機は流行に乗って短期で利益を狙う行為。
一方で投資は、企業や社会にお金を預け、育てるように利益を得る考え方だ。
俺は、後者が性に合っていた。
もちろん最初はうまくいかないことも多かった。
でも、少しずつ経験を積んで、銘柄の選び方や、経済の流れに目を向ける習慣がついていった。
ラーメンのスープを飲み干しながら、俺は思う。
「ああ、これもノージンジャーやな」
この日常のなかに、もうひとつの冒険がある。
それが、俺にとっての“投資”や。
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