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第3章 投資ロマン
第ニ夜 口座開設はスタート地点
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投資をやってみよう──。
そう思ったあの日、ワクカブが最初にしたのは、証券口座を開設することだった。
「口座って、どこで作ればいいんやろ?」
当時はまだネット証券が今ほど普及していなかった。とはいえ、対面の窓口に行くほどの勇気もなかった俺は、結局ネットで一番わかりやすそうなサイトから、申し込んだ。
住所、氏名、勤務先、年収……。入力欄を前にして、自分の人生を静かに見つめ直す時間でもあった。
「これが投資のスタートラインなんやな」
数日後、郵送で口座開設完了の書類が届いたときの高揚感は、いまでも忘れられへん。
けどな──。
投資って、「口座を作ったらゴール」ちゃうねん。むしろそこからが本番や。
⸻
俺が昔から大事にしてることがある。
それは、「生活防衛資金は絶対に手をつけない」というルールや。
たとえば、半年分の生活費。家賃、水道光熱費、食費、保険料──
それくらいの現金は、何があっても守る。そこに手を出したら、もう投資とは言えへん。
投資には元本割れのリスクがある。
最初にそれを理解せんと、「思ってたのと違う…」ってすぐやめてまう。
今は「FIRE」とか、「早期リタイア」が流行ってるけど、
当時は不景気真っ只中。ITバブルもはじけて、株価は低迷。
それでも、「このまま貯金だけやと、将来が不安や」って気持ちが、俺を動かした。
だから、口座を開いたあとに考えるべきことはこうや。
「このお金、最悪ゼロになっても大丈夫か?」
そう思えたら、あとは淡々とやるだけや。
⸻
投資の本を読んでると、お腹が空いてくる。
なぜか知らんけど、株価チャートって見てると食欲が湧くんや。不思議やな。
その夜、ふと思い立って、近所の大手牛丼チェーンに久々に行った。
頼んだのは「牛皿定食」。ごはんに味噌汁、漬物。シンプル・イズ・ベスト。
けど、あれ? テーブルに紅しょうががない。
「紅しょうが、どこですか?」って聞いたら、店員さんが奥から持ってきてくれた。
「なるほど。今はノー・セルフ・ジンジャーの時代なんやな……しょうがない……」
一人つぶやく俺。
厨房の奥から笑い声が聞こえた気がするけど、たぶん気のせいや。
⸻
「口座を作る」ってのは、人生の中で小さな一歩かもしれへん。
けど、その一歩が、やがて何百銘柄の売買履歴に、
何百時間の勉強時間に、
そして、数えきれん学びにつながっていくんやと思う。
帰り道、牛皿定食の味を思い出しながら、
「やっぱり紅しょうがは必須やな」とか、どうでもええことを考えてた。
でも、ふと空を見上げて思った。
「投資って、人生をちょっとだけ前向きにしてくれるな」
それが、口座を開いた日の俺の、ささやかな実感やった。
そう思ったあの日、ワクカブが最初にしたのは、証券口座を開設することだった。
「口座って、どこで作ればいいんやろ?」
当時はまだネット証券が今ほど普及していなかった。とはいえ、対面の窓口に行くほどの勇気もなかった俺は、結局ネットで一番わかりやすそうなサイトから、申し込んだ。
住所、氏名、勤務先、年収……。入力欄を前にして、自分の人生を静かに見つめ直す時間でもあった。
「これが投資のスタートラインなんやな」
数日後、郵送で口座開設完了の書類が届いたときの高揚感は、いまでも忘れられへん。
けどな──。
投資って、「口座を作ったらゴール」ちゃうねん。むしろそこからが本番や。
⸻
俺が昔から大事にしてることがある。
それは、「生活防衛資金は絶対に手をつけない」というルールや。
たとえば、半年分の生活費。家賃、水道光熱費、食費、保険料──
それくらいの現金は、何があっても守る。そこに手を出したら、もう投資とは言えへん。
投資には元本割れのリスクがある。
最初にそれを理解せんと、「思ってたのと違う…」ってすぐやめてまう。
今は「FIRE」とか、「早期リタイア」が流行ってるけど、
当時は不景気真っ只中。ITバブルもはじけて、株価は低迷。
それでも、「このまま貯金だけやと、将来が不安や」って気持ちが、俺を動かした。
だから、口座を開いたあとに考えるべきことはこうや。
「このお金、最悪ゼロになっても大丈夫か?」
そう思えたら、あとは淡々とやるだけや。
⸻
投資の本を読んでると、お腹が空いてくる。
なぜか知らんけど、株価チャートって見てると食欲が湧くんや。不思議やな。
その夜、ふと思い立って、近所の大手牛丼チェーンに久々に行った。
頼んだのは「牛皿定食」。ごはんに味噌汁、漬物。シンプル・イズ・ベスト。
けど、あれ? テーブルに紅しょうががない。
「紅しょうが、どこですか?」って聞いたら、店員さんが奥から持ってきてくれた。
「なるほど。今はノー・セルフ・ジンジャーの時代なんやな……しょうがない……」
一人つぶやく俺。
厨房の奥から笑い声が聞こえた気がするけど、たぶん気のせいや。
⸻
「口座を作る」ってのは、人生の中で小さな一歩かもしれへん。
けど、その一歩が、やがて何百銘柄の売買履歴に、
何百時間の勉強時間に、
そして、数えきれん学びにつながっていくんやと思う。
帰り道、牛皿定食の味を思い出しながら、
「やっぱり紅しょうがは必須やな」とか、どうでもええことを考えてた。
でも、ふと空を見上げて思った。
「投資って、人生をちょっとだけ前向きにしてくれるな」
それが、口座を開いた日の俺の、ささやかな実感やった。
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