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#79 穴
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*月*日
ツタヤに行って「dance in the dark」を借りてきたその帰り、ドンキに立ち寄ってていうか、ふらふらと迷い込んで何故かヌーブラを買ってしまった拓也は、軽く途方に暮れていた。
だって、このヌーブラいったいどうすんだろ。彼女もいないのに。
で、拓也は広いバス通りから脇道に入って出来たばっかしの角のマンションを横切っているときおかしなものを発見した。いや、正確にいえばどう見てもモノではなくヒトだけれども。
そのヒトは、どうやら女性性を有するヒトのようで、夜目にもはっきりとわかるほど真っ白な大きなお尻を丸出しにして、アスファルトに《座りしょんべん》してた。
街灯から少し外れている薄暗がりなので、うずくまっている感じが浮浪者のようにも見て取れたけれども、その女性は、白く浮き上がる高級そうなハンドバッグを左手に抱えたままで、路肩の辺にオシッコしてた。
それも滑稽というか、不思議なのは片足は、車道よりも一段高くなっている歩道の端っこにかけ、もう片方は、車道にあった。必然的に身体は、斜めになっているわけで、そんな不自然な格好で、彼女は放尿していた。
それも、やたら長い間していたと思う。シャーという音が暫く聞こえていたけれど、剥き出しの大きな尻が白桃のようで、かぶりつきたかった。
いや、エッチな意味ではなくって。
拓也は、大の果物好きで、殊に桃には目がなかったからだ。
だから、こんなにでっかい桃なら喰いでがあるだろうなと想ってしまったというわけだ。
やがて放尿し終えた彼女は、ハンドバッグからティッシュを取り出して、街路に晒している大切なところを拭いながら、ゆっくりとこちらを振り返った。
拓也は、ヌーブラの入ったビニール袋を取り落とした。
なんと、彼女の顔には目も鼻もなかった。しかし、のっぺらぼうというわけではない。
ぽっかりと穴があいていて向こうが見えた。
ツタヤに行って「dance in the dark」を借りてきたその帰り、ドンキに立ち寄ってていうか、ふらふらと迷い込んで何故かヌーブラを買ってしまった拓也は、軽く途方に暮れていた。
だって、このヌーブラいったいどうすんだろ。彼女もいないのに。
で、拓也は広いバス通りから脇道に入って出来たばっかしの角のマンションを横切っているときおかしなものを発見した。いや、正確にいえばどう見てもモノではなくヒトだけれども。
そのヒトは、どうやら女性性を有するヒトのようで、夜目にもはっきりとわかるほど真っ白な大きなお尻を丸出しにして、アスファルトに《座りしょんべん》してた。
街灯から少し外れている薄暗がりなので、うずくまっている感じが浮浪者のようにも見て取れたけれども、その女性は、白く浮き上がる高級そうなハンドバッグを左手に抱えたままで、路肩の辺にオシッコしてた。
それも滑稽というか、不思議なのは片足は、車道よりも一段高くなっている歩道の端っこにかけ、もう片方は、車道にあった。必然的に身体は、斜めになっているわけで、そんな不自然な格好で、彼女は放尿していた。
それも、やたら長い間していたと思う。シャーという音が暫く聞こえていたけれど、剥き出しの大きな尻が白桃のようで、かぶりつきたかった。
いや、エッチな意味ではなくって。
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ぽっかりと穴があいていて向こうが見えた。
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